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AO・推薦入試エクストラ11月10日号

文科省が23年度(2011)入試結果統計を公表(1)国公立大

AO入試情報

◆文科省が23年度(2011)入試結果統計を公表(1)国公立大

このほど文科省は平成23年度(2011)の入試実施状況統計を公表した。今号では国公立大のAO入試の動向についてお伝えする(次号は私立大)。

■国立大学

実施大学・学部数は前年(2010)より2校1学部増えて47校135学部。志願者数は607人(5.9%)減少して9,680人となり、1万人の大台を下回った。しかし、合格者数は115人増の2,720人となり、平均志願倍率は前年の3.9倍から3.6倍へとかなり下がった点が注目される。入学者数は125人増え2,704人。私立大で入学者数が減少したのとは対照的に増え続けている。

全入学者に占めるAO入学者の割合は、前年の2.6%から2.7%へ若干上昇している。2008年度に初めて志願者が1万人の大台に乗ったが、その後は隔年ごとに増減する傾向を示すようになっている。

■公立大学

実施大学・学部数は前年と変わらず22校38学部。志願者数をみると、前年より221人減、9.7%のかなり大幅減になっている。合格者数も144人減、20.9%もの大幅減であった。実施要項がAO入試における学力把握措置を打ち出し、選考がシビアになっていると推測される。その結果、平均志願倍率は前年の3.3倍から3.8倍とかなりきびしさを増しているので十分注意する必要がある。

全入学者に占めるAO入学者の割合は、前年の2.3%から1.8%に後退。公立大学においては、入試の多様化は遅々として進んでいない。

◆国公立大:過去7年の志願者数推移

国公立大におけるAO入試志願者数は、2005年度で国立大が5,584人、公立大が1,475人に過ぎず、それと比べると今日では2倍近くには増加しているものの、この3年間に限ると国立大は1万人前後、公立大は2千人前後で足踏み状態が続いている。

過去7年間の志願者数の推移を示すと、下記グラフのとおりとなっている。

 

AO入試における国公立大の志願者数の推移(2005年~2011年)

 

推薦入試情報

◆文科省が23年度(2011)推薦入試結果統計を公表(1)国公立大

このほど文科省は平成23年度(2011)の入試実施状況統計を公表した。今号では国公立大の推薦入試の動向についてお伝えする(次号は私立大)。

■国立大学

実施大学・学部数は前年(2010)より1校3学部減少して74校263学部。志願者数は前年より342人減の34,367人で、減少率は1%の微減であった。合格者数も前年より55人微減の12,583人となった。平均志願倍率は前年と変わらず2.7倍。やや出願に慎重だった動向はうかがえるが、前年並みの傾向とみてよいだろう。

入学者数は52人の微減でほぼ前年並みの12,568人。全入学者に占める推薦入学者の割合は、前年より0.1ポイント下がって12.5%となり、この5~6年続いた上昇傾向から変化している。ただし、推薦入試を実施する個々の大学にあっては、入学者の25~30%を占めるので、国立大でも推薦入試の重要性は変わらない。

■公立大学

実施大学・学部数は前年(2010)より2校4学部増えて77校162学部。志願倍率は前年より864人、5.5%増とかなり増加して16,591人となった。合格者数は201人増(3.0%増)の6,956人。志願者の増加より合格者増が小さく、平均志願倍率は2.3倍→2.4倍と若干上昇している。

入学者数は前年より208人(3.1%)増の6,953人。全入学者に占める推薦入学者数の割合は、前年と同じ23.4%となった。公立大では全般的に見ても、推薦入試の比重が高いので、進路指導上も十分留意したい。

■公立短大

実施大学・学科数は前年(2010)より1校2学科減の18校45学科だが、志願者は18.1%もの大幅減となり、高学力層の短大離れに拍車がかかっている。合格者数も10.1%減少して1,584人止まり。同様に入学者数も減少して、推薦入学者の比率は45.5%から43.2%へ低下している。

◆国公立大:過去7年の志願者数推移

国立大における推薦入試の志願者数は、この10年間、年度によって多少変動するが、かなりの志願減が目立った2005・2008年度を除くと、だいたい3万2千人~3万5千人の間で推移している。2010年度の志願者数は過去最高で、2011年度はややその反動減ともとれるだろう。

一方、公立大では依然として志願増の傾向が続いており、近年ではやや難化していると考えられるので、推薦対策には万全を期してほしい。過去7年の志願者推移は下記グラフのとおり。

 

推薦入試における国公立大の志願者数の推移(2005年~2011年)

 

ニュースフラッシュ

◆文科省が24年度の新設に係る審査結果を公表

本年4月と6月に認可申請のあった大学・学部の新設について、10月下旬、文科省は審査結果が「可」とされた分を公表した。大学の設置が7校(私立)、大学院大学の設置が2校(私立)、学部の新設が8校(公立1件、私立7件)、学科の設置が2校(私立)となっている。

なお、審査の過程で申請の取下げが10校(公立1件、私立10件)あり、7校(私立)が審査継続(保留)となっているので十分注意してほしい。認可されたものは以下のとおりとなっている。

  • (1)大学を設置するもの‐7校
    • ■日本ウェルネススポーツ大学 スポーツプロモーション学部=スポーツプロモーション学科220(通信課程/茨城県北相馬郡利根町/学校法人タイケン学園)
    • ■亀田医療大学 看護学部=看護学科80(千葉県鴨川市/学校法人鉄蕉館)
    • ■東京医療大学 保健医療学部=リハビリテーション学科理学療法学専攻70、作業療法学専攻30(東京都多摩市/学校法人常陽学園)
    • ■横浜創英大学 看護学部=看護学科80、こども教育学部=幼児教育学科80(神奈川県横浜市/学校法人堀井学園)
    • ■京都美術工芸大学 工芸学部=伝統工芸学科95(京都府南丹市/学校法人二本松学院)
    • ■大阪行岡医療大学 医療学部=理学療法学科80(大阪府茨木市/学校法人行岡保健衛生学園)
    • ■天理医療大学 医療学部=看護学科70、臨床検査学科30(奈良県天理市/学校法人天理よろづ相談所学園)
  • (2)学部を設置するもの‐8校
    • ■島根県立大 看護学部=看護学科80
    • ■札幌大谷大 社会学部=地域社会学科70
    • ■高崎健康福祉大 人間発達学部=子ども教育学科80
    • ■城西国際大 看護学部=看護学科100
    • ■京都橘大 健康科学部=理学療法学科60、心理学科60
    • ■摂南大 看護学部=看護学科100
    • ■梅花女子大 食文化学部=食文化学科80
    • ■神戸常盤大 教育学部=こども教育学科80
  • (3)学部の学科を設置するもの‐2校
    • ■札幌大谷大 音楽学部=美術学科70(音楽学部→芸術学部に名称変更)
    • ■淑徳大 看護学部=栄養学科80(看護学部→看護栄養学部に名称変更)

なお、6月・7月の設置届出分については、前号のメルマガでお伝えしたが、8月分の設置届出分は新潟薬科大の応用生命科学科のみであった。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆AO入試(8):重要提出書類と進路指導の関わり

今年度のAO出願に際しても、先生方は提出書類の指導にご苦労されたことと思うが、AO入試では提出書類の内容と質が合否を大きく左右するだけに、その作成には細心の注意を払う必要がある。ここでは各重要書類の特徴と注意点を今一度整理しておこう。

(1)エントリーシート
事前対話型の最重要書類で、受験生の特性や高校時代の概要を幅広い観点から把握する構成になっている。面談時の基礎資料ともなるものなので、正確に記入されているか、記入もれはないか、十分注意すると同時に、志望理由や自己PRの記載内容が適切かチェックする必要がある。
(2)志願理由書
書類+面接型、書類+小論文・面接型、2段階選抜型など、AO入試の主流選考パターンで、重要な提出書類の1つ。当該大学への志願理由が、高校時代の学習や活動をもとにして、大学での学びや人間形成への希望・目的ときっちり結びつけて表現されているか、十分に検証する必要がある。
(3)自己推薦書
どの選考パターンであれ、出願者が自己をどのようにみつめ、当該大学(学部・学科)とのマッチングをどのように考えているかを把握するための資料となる。志願理由書と合せて提出させるケースでは、志願理由書の内容との重複を避けるよう指導しておきたい。
(4)活動報告書
国公立大でもこの書類提出を求める大学は少なくない。多様な個性・特質・キャリアを備えた人材群を確保しようとする大学では、部活動、特別活動(生徒会・学級・文化祭・体育祭など)、取得資格、学習・研究活動などの状況や実績が重視される。諸活動への取組やそこから得たものが大学生活とどのように結びつくのか、的確に表現されていると共に、客観的な証明資料があれば添付することが望ましい。
(5)志願者評価書
国公立大や上位私大群の一部で提出を求めるケースがある。高校側が作成するものの1つで、高校側が出願者の能力、特性などをどう評価し、当該大学とのマッチングをどう判断しているかを把握する資料となる。評価のポイントを簡潔かつ明快に表記する必要がある。

(注)上記の書類群とは性質が異なるが、事前対話型では面談期間中に、その他では出願時に特定の課題・テーマに関する小論文やレポートを提出させるケースがAO入試では相当数にのぼる。必要な資料や情報を適切に収集して、大学生となるのに欠かせない資質を備えていることを十分大学側にアピールする必要があり、適切な助言が必要になる。

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