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AO・推薦入試エクストラ6月10日号

弊社調査で2013年度のAO実施状況が判明

AO入試情報

◆弊社調査で2013年度のAO実施状況が判明

現在、弊社では全国版「AO入試年鑑」を7月上旬に全国の高等学校へお届けするために作業を進めているが、6月1日時点で国公私立大・短大のAO入試の実施状況調査が次のとおりまとまったのでご報告する。

<設置区分> <募集校数> <AO実施校数> <AO実施率(前年度)>
国立大 82校 47校 57.3%(57.3%)
公立大 81校 21校 25.9%(26.3%)
私立大 576校 466校 80.9%(81.5%)
公立短大 17校 5校 29.4%(22.2%)
私立短大 326校 257校 78.8%(79.2%)

国立大では、群馬大(工)がAOを廃止。新たに大阪大(理・基礎工・工)が科学オリンピック入試を導入するので、実施校数は変わらない。公立大では山口県立大が撤退するが、高知工科大が加わる。ただ、実施率は若干低下する。

私立大は、学生募集校が前年の573校から576校へ増加。新規実施の顔ぶれは札幌大、奥羽大、岐阜医療科学大、大阪行岡医療大の4校。再編統合や募集停止、AO廃止校もあり、AO実施校は前年度より1校減となっている。

公立短大は、秋田公立美術工芸短大が4大化するため1校減だが、AO実施校は三重短大が加わって5校となる。ただ、実施率は依然として低いままだ。

私立短大は、本年度も募集停止があり、学生募集校は332校から326校へ減少。本年度から札幌女子大短大部、愛国学園短大、近畿大豊岡短大、徳島工業短大が加わるが、実施校数・実施率とも若干減少している。

◆地区別:AO入試の実施状況

<地区> 国立大 公立大 私立大 公立短大 私立短大
北海道・東北 9校 6校 42校 1校 20校
関    東 11校 3校 167校 0校 79校
中    部 7校 1校 77校 1校 43校
近    畿 6校 2校 100校 1校 51校
中国・四国 7校 4校 37校 2校 29校
九    州 7校 5校 43校 0校 35校

私立大におけるAO実施校は、やはり関東地区が167校と群を抜いて多く、次いで近畿、中部となるが、実施率で見ると中部、中四国の2地区が高く、逆に低いのは北海道・東北地区となっている。

私立短大の場合、実施率が全国平均(78.8%)を上回っているのは、関東、中国・四国、九州の3地区のみ、中部・近畿の2地区は若干低く、北海道・東北地区は全体の5割強程度と最もAO導入率が低い。

推薦入試情報

◆私立大:公募制推薦の地区別特徴

私立大の公募推薦入試の動向を形成する要因として、(1)成績基準の高低、(2)専願制か併願制か、(3)選考方法、(4)大学の知名度、の4つがあげられる。これら4つの要因がどうからむかによって、各地区の入試動向が決定づけられるといっても過言ではない。

<北海道・東北地区、関東地区>
人気私立大の多くが3.5以上の高基準で、かつ専願制であるため、志願者数は多いところでも千人前後の規模で、年度ごとの変動も小幅にとどまる。選考法では学科試験より小論文が多いのも、受験生にはブレーキとなっている。
<中部地区>
全般に成績基準が緩やかで併願制も多いが、志願者が千人を超える私立大はごく一部に限られる。その中では中京大の志願者数が群を抜く。また、年度により隔年現象がよく見られる地区なので要注意だ。
<近畿地区>
例年、公募志願者数が全国の5割強を占める最激戦地区である。それは成績基準撤廃、併願制、軽量型学科試験という3つの要因がそろい、なおかつ人気の高い中堅上位校群の多くが一般推薦を実施するためである。特に近畿大、龍谷大、京都産業大の3校が抜きん出ており、大学・学部・学科によっては、15~20倍もの激戦となるケースが珍しくない。
<中国・四国地区>
成績基準が全般に緩やかで併願制が主流だが、地元大学の推薦活用は低調である。知名度の高い私立大が限られ、高学力層は国公立大へ流れる傾向が目立つ。
<九州地区>
この地区の主要私立大は専願制が中心で、成績基準もやや高く、推薦戦線はさほど活発ではない。ほとんどが1倍台の競争率で、志願者数も少ないが、その中では福岡大の人気が群を抜く。

◆弊社調査でみる私立大の地区別志願・合格状況

弊社では例年、公募制昼間部(一般・ユニーク推薦)の志願者数・合格者数の調査統計をまとめている。データ非公表や指定校制等を含むケースもあるが、公募全体の動向を把握するための目安として実施している。2012年度の集計はまだ完了していないので、2011年度の集計結果を用いて、各地区の志願者数・合格者数をみると、下記グラフのとおりとなっている。

 

私立大の地区別 志願者・合格者状況

 

近畿地区の公募推薦戦線は群を抜くスケールで、平均倍率も全国で最も高い。関東地区は少数精鋭戦、近畿地区はマスウォーと対照的な構図が明白に見て取れる。

ニュースフラッシュ

◆私立大:一般入試志願者数上位20校にやや異変

例年、私立大の一般入試戦線では、延べ志願者数の5割強が、わずか20校に集中する。その顔ぶれと志願者数は次のとおりであった。

 

一般入試志願者数上位20校

 

2012年度は、立命館大が前年比12%増で8位から3位へ躍進したこと、東海大が初めてベスト20入りした点が特筆される。地区別にみると、東京都が13校、京阪神が6校、福岡県が1校。東京以外の首都圏(神奈川・埼玉・千葉)、愛知県の私立大は1校も登場していない。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆AO入試(3):国公私立大・短大別出願要件の概要と特徴

本年度は大学入学者選抜実施要項の改訂から3年目となるが、AO入試における出願要件の設定状況は、国立・公立・私立ごとかなり差異があり、それぞれの概要と特徴を十分ふまえて、生徒の指導に臨む必要がある。

■国立大

全般的には推薦入試と比べ成績基準の設定は少ない。設定しているケースでは、ほぼ推薦入試と同レベルかやや低いと考えてよい。センター試験を課すか否かによっても違いがあり、センター試験を用いるAO入試では成績基準を設けないのが一般的だ。近年はセンター併用型がじわじわと増えつつある。

ただし、国立大のAO入試では、アドミッションポリシーと「求める学生像」を厳密に設定しているのが特徴で、これに沿って出願希望者のマッチングを相当に検証しなければならないだろう。

■公立大

公立大におけるAO入試は、推薦入試と比べると全国型を主流としている。成績基準の設定は全般に少なく、設定校でもさほど高くはない。ただし、一部の公立大では出願要件に各種の取得資格を組み入れているので注意する必要がある。

■私立大

近年の私立大AO入試では、アドミッションポリシーや「求める学生像」を明示する傾向が定着しつつあるので、十分留意してほしい。これが、出願要件の中核をなすことは言うまでもなく、特に上位私大では重視される。

弊社の2012年度調査で、AO入試に成績基準を必須条件として設けた私立大は73校で、全体の14.2%と少ない。それでも前年度よりは若干増加しており、この傾向は2013年度も続くと予測される。

一方、取得資格・活動実績を必須条件として出願要件に組み込んだ私立大は、120校(19.8%)と多い。複数条件の1つとしているのは104校(17.1%)で、両方を合せると36.9%となる。

■公立短大

AO実施4校のうち、成績基準の設定は1校(3.0以上)、取得資格の設定も1校という状況で、出願要件はきびしくない。ただ、「求める学生像」へのマッチング度は十分検討する必要がある。

■私立短大

全般に私立短大におけるAO入試の出願要件は、きわめて緩やかと考えてよい。2012年度の弊社調査では、成績基準を必須条件としたのは21校(7.2%)とわずか。取得資格・活動実績に関しては、必須条件が21校(7.2%)、複数条件の1つが33校(11.3%)と4大と比べるとずっと少ない。

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