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AO・推薦入試エクストラ11月25日号

文科省の2013AO入試実施状況の概要(2)国公立大

AO入試情報

◆文科省の2013AO入試実施状況の概要(2)国公立大

文科省が公表した2013(平成25)年度の大学入学者選抜実施状況の概要に基づき、今号では国公立大のAO入試実施状況をレポートする。例年大きな変動はないが、2013年度国公立大AO志願者は私立大とは対照的に若干減少している。

<国立大>
■実施大学・学部数
前年より83人(0.8%)減少して、総数は9,787人となった。国立大AOの志願者数が1万人を超えたのは、2008年度・2010年度の2年度のみで、全体としてはほぼ1万人前後で推移している。
■志願者数
前年より83人(0.8%)減少して、総数は9,787人となった。国立大AOの志願者数が1万人を超えたのは、2008年度・2010年度の2年度のみで、全体としてはほぼ1万人前後で推移している。
■合格者数
前年より219人(7.6%)減少して、総数は2,646人となった。平均競争率は3.4→3.7倍へ上昇。志願者の減少率をかなり上回っており、合格者の絞り込みが進んだ点が注目される。一般的にセ試併用型の合格率がきびしい傾向がある。
■入学者数
合格者減に伴い、入学者数も前年より215人(7.5%)減少して、計2,640人となった。全入学者に占めるAO入学者の比率は2.6%となり、前年の2.9%から0.3ポイントの微減となった。

有力総合大の多くがAO入試を実施しないだけに、AO入学者の比率は小さいが、実施校・学部の定員枠は5~10%(医学枠10%~35%)にのぼる。今後もAO入試には万全の態勢で臨んでほしい。

◆公立大・短大の2013AO入試実施状況の概要

ここでは文科省が公表した2013大学入学者選抜実施状況から、公立大・短大のAO入試に関する概要をレポートする。衆知のとおり、公立大・短大でのAO実施率はきわめて低いが、第1志望校・学部が実施するケースは、貴重な受験ルートとして活用できる。

<公立大>
■実施大学・学部数
前年と比べ、実施校数は変わらないものの4学部減少して、23校34学部がAO入試を実施した。大学数では28.4%、学部数では20.1%と、実施率は依然として低い。
■志願者数
前年より119人(6.0%)減少し、1,860人となり、2年連続の減少で、しかも減少幅が大きかった。
■合格者数
志願減とは逆に合格者数は前年より3人(0.5%)増えて、570人となり、前年同様に志願減→合格増という現象がみられた。平均競争率は3.5→3.3倍とやや下がっている。ピーク時は2010年度の688人で、それと比較すると少ない状況が続いている。
■入学者数
前年より6人(1.1%)増え、総数は567人となった。その結果、全入学者に占めるAO入学者比率は1.9%となり、前年と同じであった。
<公立短大>

実施大学・学科数は4校7学科のみで前年と同じだが、志願者数は106人→112人へ、合格者数は68人→81人へ、入学者数は66人→80人へいずれも増加した。公立短大では、AO入試より推薦入試が主流となっている。

推薦入試情報

◆文科省の2013推薦入試実施状況の概要(2)国公立大

文科省が公表した2013(平成25)年度の大学入学者選抜実施状況の概要に基づき、今号では国公立大の推薦入試の実施状況についてレポートする。実施大学・学部数はさほど変化していないが、志願者・合格者とも2年連続の微減となっている。

<国立大>
■実施大学・学部数
前年の76校268学部から1学部減り、76校267学部が実施した。学校数では92.7%、学部数では70.1%が実施した。
■志願者数
前年より448人(1.3%)減少して、総数は33,288人となった。2012年度に有力大・学部の新規参加があったにも関わらず、全体の志願者数は下降傾向を辿っている。
■合格者数
前年より93人(0.7%)減少して、12,355人となったが、平均競争率は前年と同じ2.7倍であった。
■入学者数
前年より101人(0.8%)減少して、総数は12,327人となった。その結果、全入学者に占める推薦入学者の比率は前年の12.4%から0.1ポイント下がって12.3%となっている。

全般的にみて、国立大の推薦入試では近年、セ試併用型が増加傾向にあり、それが志願動向にかなり影響しているとみられるが、まだセ試免除型の方が多く、推薦実施校では推薦入学者の比率が大学・学部により30~50%を占めるケースも多いので、今後とも推薦対策には万全を期す必要がある。

◆公立大・短大の2013推薦入試実施状況の概要

ここでは文科省が公表した2013大学入学者選抜実施状況から、公立大・短大の推薦入試に関する概要をレポートする。衆知のとおり、公立大・短大は推薦入学者の比率がかなり高いので、積極的に活用を検討する必要がある。

<公立大>
■実施大学・学部数
実施校は前年より1校増え79校であったが、学部数は前年より2学部増え164学部となった。学校数では全体の97.5%、学部数では94.3%の実施率であった。
■志願者数
前年より174人(1.0%)減少して、総数は17,119人となり、前年の最多記録から若干減少した。
■合格者数
前年より21人(0.3%)減少して、計7,207人となった。平均競争率は前年と同じ2.4倍で推移している。
■入学者数
志願減とは逆に、前年より52人(0.7%)増えて、総数は7,205人となった。その結果、全入学者に占める推薦入学者の比率は、前年の24.0%から24.1%へ若干上昇した。公立大入学者のほぼ4分の1が推薦入学者という状況になっている。
<公立短大>

実施大学・学科数は17校42学科で前年より1校3学科減少したが、実施率は100%(学科97.7%)であった。学校数減とは反対に、志願者数は27人(1.4%)増えて2,027人。合格者数は13人(0.9%)増の1,492人。平均競争率は前年の1.3倍から1.4倍へ若干上昇した。全入学者に占める推薦入学者の比率は前年の42.7%から43.2%へ若干上昇し、2年前の水準に戻った。

推薦入試情報追記

高校教員のためのメールマガジンvol.62<10月25日発信 >の掲載内容に追加の事項が生じました。以下のように内容を追記しておりますので、ご確認ください。

<追記個所>
推薦入試情報

◆私立大における併願・複数受験の戦略と注意

(4)専願リレー受験の場合は日程に注意の記事

(4)専願リレー受験の場合は日程に注意

専願制間の複数受験も必ずしも不可能ではない。この場合は、第1志望の合格発表後に試験を実施する大学を第2志望に設定し、あらかじめ出願しておき、第1志望合格なら第2志望校は受験を欠席するという方法が採れる。(ここまで既出部分)

<以下、追記の文章となります>

 

ただしこれは第1志望の合格発表日と第2志望の出願締切との間に余裕がない場合に限って、「第1志望校に合格したら、第2志望校の受験は辞退する」という内部ルールのもと、一部の高校でやむをえず採られている方法で、この方法を採るか否かは、高校ごとの事情によるところが大きい。

同一大学で公募・指定校の2枠がある場合、貴重な指定校枠を維持するためにも、専願制の最低限のルールである「入学を辞退しない」という鉄則を守らなければならない。つまり専願はあくまでも1校出願、調査書や推薦書の発行も1通のみが原則で、出願期の重なる二重出願は絶対に避けなければならない。

ニュースフラッシュ

◆法科大学院を合格実績等に応じ5分類、下位は補助削減

政府の法曹養成検討会議は、今年6月、司法試験の合格率が低い法科大学院をいわば「強制退場」させる最終提言をまとめた。それを受けて、文部科学省は統廃合促進などに向けて、全73校を5段階のグループに分け、交付金や補助金を配分する方針を決定した。全校に専門職大学院としての自覚を促し、教育の質の向上を図る。同省はこれから最終調整を進め、2015年度からの実施を目指す。

 

グループ分けする際の点数制基準として、従来の司法試験合格率や定員充足状況などに加え、国際的な人材育成や特色ある先導的な教育内容、夜間開講といった指標も取り入れるとみられる。教育の質の向上に努める取組みを積極的に評価することで、下位校の自主的な連携を促すためだ。上位校にとっても、下位校と連携してその質を高めれば、公的支援がさらに上積みされるため、統廃合への流れが強まるとみられる。

グループ分けは、上位からA、B1、B2、B3、Cの5段階。最上位のAグループについては、交付金などをほぼ全額支給するが、Cグループについては交付金などを半減し、効果的な改善策などがみられない場合は、支給を大幅に削減し、場合によって公的支援がゼロになるケースもありうるだろう。むろん、合格の評価ランクが公表されるにこしたことはないが、それには大きな抵抗が伴うのは必至だろう。Aの基準が合格率50%以上とすれば、5校程度しか該当しない。それでは法科大学院全体の運営が苦しくなるのは目に見えているため、グループ分けについては慎重な配慮が必要になる。

 

そもそも、法科大学院本来の目的は、司法試験合格率を高めることではなく、「質の高い法曹人口の拡大」にあったはずである。予備試験へ優秀な人材が流れてしまう事態を招いたのは、法科大学院そのものの存在を危うくする要因ともなっている。制度創設から10年目での大転換策が真に豊かな法曹育成の原動力となることが期待される。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆推薦入試(8):国公私別・学部系統別実施状況と動向

国公立大で推薦入試を実施する学部系統には、例年、大きな変動はない。それに対し、新増設・学部改組などが活発な私立大では、数年間で実施構図が大きく変化することがある。国公私立それぞれの実施学部の状況を弊社の2014年度に関する独自統計(公募制・昼間部)でみてみよう(複合領域の学部は複数扱い)。

<国立大>

まず推薦入試を全く実施しないのは、北海道大、東京大、東京芸術大、京都大、京都工芸繊維大、九州大の6校、ごく一部の学部でしか実施しないのは東北大、東京外語大、東京工大、一橋大、大阪大、広島大で計12校。これらの中には推薦入試からAO入試へ全面移行した大学も含まれるが、これら全てが推薦入試を導入しない限り、推薦入試システムそのものが脇役という状況が続くだろう。

2014年度に実施したのは82校中の76校で計281学部。文系の実施学部数は、人文科学24(8.6%)、社会科学49(17.4%)で全体の4分の1程度。理系は理学27(9.6%)、工学50(17.8%)、農・水産31(11.0%)、保健・医療45(16.0%)と豊富で全体の5割強を占める。教育・教員養成も46学部(16.4%)と多い。反面、生活科学は3学部、芸術・体育は6学部と少ない。理系志望の受験生にとって、国立大の推薦入試のメリットは大きく、特に医学系は人気が高い。

<公立大>

推薦入試を実施しないのは京都市芸大、九州歯科大の2校で、81校中79校、195学部で実施する。文系の実施学部数は、人文科学17(8.7%)、社会科学54(27.7%)とかなり多い。理系では保健・医療の55学部(28.2%)が群を抜いて多いのが特徴だが、その中心は看護学部で、医・薬学部は国立大よりかなり少ない。理工学は25学部(12.8%)、農・水産系は8学部(4.1%)で、理系の比重は全体の45%程度。国立大と比べると生活科学系16(8.2%)、芸術・体育系15(7.7%)の2分野が比較的にそろっているという特徴がある。ただし、教育系は5学部だけと少ない。

<私立大>

全私立大577校のうち94.8%にあたる547校が公募制を実施し、完全指定校制は首都圏に集中している。公募・指定校制とも実施しないのは3校のみ。公募制の実施学部数は1,654学部と多く、全系統にわたって実施学部が豊富にそろっている。文系では人文科学281(17.0%)、社会科学548(33.1%)で全体の5割を占める。これに近年増加した教育系158(9.6%)を加えると全体の6割となり、私立大の実施構図は「文高理低型」となっている。  理系では、この10年ほどで薬・看護・医療系学部が大幅に増え、保健・医療が247学部(14.9%)となり、理工学の145学部(8.8%)を大きく引き離している。農・水産は27学部(1.6%)で国立大より少ない。これら3分野の理系は、全体の25%程度となっている。

その他、私立大では生活科学系107(6.5%)、芸術系76(4.6%)、スポーツ・健康系65(3.9%)の3分野の学部数も豊富で、男女を問わず、推薦入試で多様な受験生を受け入れる基盤が整っている。

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