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AO・推薦入試エクストラ4月25日号

国公私立大:2015AO入試の変更情報

AO入試情報

◆国公私立大:2015AO入試の変更情報

本年3月末時点で判明している2015AO入試の主要な変更点をご紹介するので、今後の生徒指導に役立ててほしい。

<国立大>

■北海道大
理学部化学科でセ試免除AOを廃止。
■東北大
農学部でセ試免除AOを新規実施(セ試免除推薦を廃止)。
■群馬大
理工学部で専門高校・総合学科対象のセ試免除AOを新規実施(同推薦入試を廃止)。
■東京工業大
第7類でセ試を課すAOを新規導入。
■福井大
工学部(機械工・生物応用化学)でセ試免除AOを廃止。同(建築建設工・生物応用化学)でセ試を課すAOを新規実施。
■岡山大
環境理工学部でセ試を課すAOを廃止。
■広島大
薬学部薬学科でセ試を課すAOを新規実施。
■山口大
教育学部(情報科学教育)でセ試免除AOを廃止。
■愛媛大
理学部生物学科でセ試を課すAOを廃止。
■九州大
法学部でセ試を課すAOを新規実施(英検準1級以上など英語有資格者が対象)。
■長崎大
環境科学部でセ試免除AOを廃止。

<公立大>

■青森県立保健大
理学療法学科でセ試型AOをセ試免除AOへ移行。
■首都大東京
都市教養・都市環境の2学部で英語有資格者対象の「グローバル人材育成入試」を新規実施(都市教養はセ試併用型、都市環境は免除型)。
■大阪府立大
工学域のAOをセ試型に完全移行。
■島根県立大
総合政策学部でセ試免除AOを廃止。
■高知県立大
文化学部(昼)でセ試免除AOを廃止。
■長崎県立大
経済学部でセ試免除AOを廃止。
■名桜大
国際学群でAOⅡ期を廃止。人間健康学部スポーツ健康学科でセ試免除AOを廃止。

<私立大>

現時点で判明している情報は少ないが、東京薬科大生命科学科、日本大文理学部地球システム学科、南山大人文学部などがAOを廃止する。

◆国公私立大・短大別AO入試の実施状況

2014年度現在、弊社調査でAO入試の設置者別実施状況(実施率、実施校数/学校数-2014年4月新設予定校を除く)は、下記グラフのとおりとなっている。

2014AO入試の設置者別実施状況

上記の中で公立大・公立短大はきわめて実施率が低い状態が続いているうえ、2015年度には公立大の実施校が2校減少するとみられる。国立大は実施率は一定程度あるが、実施学部数が推薦入試と比べると格段に少ない。

一方、私立大・短大の方は、実施率が8割を超え、その学部・学科も多岐にわたり、豊富にそろっているので、現役生には早期合格確保に絶好の受験ルートとなっている。

推薦入試情報

◆国公私立大:2015公募推薦入試の変更情報

本年3月末時点で判明している2015公募推薦入試の主要な変更点をご紹介するので、今後の生徒指導に役立ててほしい。

<国立大>

■千葉大
工学部でセ試免除推薦を廃止。
■お茶の水女子大
理学部(化学)、生活科学部(食物栄養、人間・環境科学)でセ試免除推薦を廃止。
■東京農工大
工学部(有機材料化学)でセ試免除推薦を廃止。
■山梨大
医学科のセ試併用型推薦で一般枠と地域枠Ⅱを廃止。
■静岡大
人文社会科学部(夜)はセ試免除→セ試併用型に移行。
■名古屋大
経済学部でセ試免除→セ試併用型に移行。
■岡山大
法学部(夜)はセ試免除推薦を廃止。環境理工学部でセ試併用型推薦を導入し、同(環境管理工)の推薦をセ試免除→セ試併用型に移行。
■愛媛大
理学部(化学)でセ試免除推薦を廃止。工学部(情報工)でセ試免除推薦を新規実施。
■佐賀大
理工学部でセ試併用型推薦を新規実施し、同(機能物質化学)のセ試免除推薦を廃止。
■熊本大
工学部「理数大好き入試」を廃止。

<公立大>

■首都大東京
全学部で「東京未来塾特別推薦」を廃止。
■都留文科大
文学部(社会‐現代社会)でセ試併用型推薦を新規実施。
■三重県立看護大
セ試併用型推薦を新規実施。
■大阪府立大
総合リハビリ学類がセ試免除→セ試併用に移行。
■島根県立大
総合政策学部でセ試免除公募推薦から「セ試併用型自己推薦」に移行。
■高知県立大
文化学部(夜)で県内対象のセ試免除推薦を新規実施。

<私立大>

現時点で判明している情報は少ないが、中央大総合政策、関西学院大理工(生命科学)などが公募推薦を廃止する。

◆国公私立大・短大の公募制推薦入試の実施状況

2014年度現在、弊社調査で公募制推薦入試の実施状況(2014年4月新設予定校を除く)は、下記グラフのとおりとなっている。

2014公募制推薦入試の実施状況

上記のとおり、公募推薦はいずれも実施率が高いだけでなく、実施学部も全系統にわたって豊富にそろっており、大学入試で大きな比重を占める。国公立大の場合は、学力重視型の一般推薦が主流だが、私立大ではユニーク推薦を含め多様化・複線化が際立っている。

ニュースフラッシュ

◆平成27年4月の開設を5校が申請

本年3月末に平成27年4月開設予定の大学5校(うち1校は通信制)の設置認可申請があった。全て私立大で、設置学部・学科、入学定員、設置場所、設置者等は以下のとおりとなっている。

<私立大>

■幸福の科学大学
人間幸福学部=人間幸福学科75、経営成功学部=経営成功学科95、未来産業学部=産業技術学科90(千葉県長生群長生村、学校法人幸福の科学学園)
■湘南医療大学
保健医療学部=看護学科80、リハビリテーション学科理学療法学専攻40・作業療法学専攻40(神奈川県横浜市、学校法人湘南ふれあい学園)
■長野保健医療大学
保健科学部=リハビリテーション学科理学療法学専攻40・作業療法学専攻40(長野県長野市、学校法人四徳学園)
■滋慶大学(通信教育課程)
医療福祉マネジメント学部=医療福祉マネジメント学科150(大阪府大阪市、学校法人大阪滋慶学園)
■鳥取看護大学
看護学部=看護学科80(鳥取県倉吉市、学校法人藤田学院)

近年の大学新設は、保健医療系が際立って多い。さらに学部学科の新増設では、日本福祉大、同志社女子大、武庫川女子大など10校以上が看護系新設を予定しており、まさに“看護ラッシュ”の様相を呈している。

なお、私立大→公立大移行を前年度に認可申請していた長岡造形大は本年4月から公立大として認可され、本年度の公立大数は84校となる。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆推薦入試(1):入試制度の沿革・概要・現状

昭和30年代、推薦入学制はすでに私立大の一部で導入されていたが、文科省は1966年(昭和41年)に推薦入学制と能研テストを柱とする国立大学入試実施要項を発表した。つまり、戦後の大学入試で正規に推薦入試が実施されるようになったのは、1967年度入試からということになる。ちなみに、1970年当時の実施校は、国立大6校、公立大3校、私立大114校に過ぎなかった。その後、次第に増加し、今日では大学入試の主要区分として重要な役割を果たしている。

この間、推薦入試に関する文科省施策の重要な軌道修正をみると、次のようになっている。

(1)1995年度:推薦規制策の実施
公募推薦だけで私立大の志願者が軽く50万人を超えるフィーバーぶりと無秩序なありように対し、文科省は1.推薦定員の制限(大学3割、短大5割以内)、2.実施時期の制限(出願開始11月1日以降)、3.学力検査免除の徹底、という3つの歯止めをかけた。これによって、西日本を中心に‟地すべり的な志願減現象”が広がったが、一方ではユニーク推薦拡大の契機ともなった。
(2)2000年度:定員規制の緩和
18歳人口の減少につれて、私立大・短大の定員割れを危惧した文科省は、定員規制を大学5割、短大は撤廃と大幅に緩和。再び推薦入試へのシフトが強まった。
(3)2007年度:入試区分名称と学力検査に関する修正
文科省は入試実施状況の統計等で用いていた「推薦入学」の名称を「推薦入試」へ変更。「学力検査の免除を徹底」という項目を「原則として免除」という緩やかな表現に改めた。
(4)2008年度:国大協が推薦定員枠を拡大
それまで推薦定員枠を3割以内としていた国大協は、後期日程の廃止を容認すると同時に、推薦単独または推薦+AOの上限定員を5割へ引き上げた。
(5)2011年度:学力把握措置を明確化
大学入学者選抜実施要項の大幅な改訂によって、推薦入試でも初めて具体的な学力把握措置が義務づけられることになった。各大学は高校の教科の評定平均値を出願要件や合否判定に用いることとし、その旨を募集要項に明記することを義務づけたほか、推薦書・調査書だけで志願者の能力・適性等の判定が困難な場合は、個別検査(筆記、実技、面接等)、セ試成績、資格・検定等の成績、のうち少なくとも1つを講ずることが望ましいとした。

制度の発足から半世紀近い歴史を持つ推薦入試は、高校側の見識に基づき、生徒の高校教育と大学教育とのスムーズな接続を図る上で重要な役割を担い続けてきた。今日の公募推薦は、ユニーク推薦(上位私大群も活発に導入)の拡大と共に複線化・多様化の一途を辿っている。

そして、公募制推薦入試の実施状況(2014年度/弊社調査)と推薦入学者比率(2013年度/文部科学省統計)は次のようになっている。

<実施状況>
国立大82校中76校(92.7%)、公立大83校中81校(97.6%)、私立大577校中547校(94.8%)、公立短大17校中17校(100%)、私立短大321校中316校(98.4%)
<推薦入学者比率>
国立大12.3%、公立大24.1%、私立大40.3%、公立短大43.2%、私立短大61.9%

国立大の推薦入学者は、実施校に限れば20~30%にのぼる。国公私立大・短大を問わず、推薦入試が大きな比重を占めており、高校進路指導でも推薦入試対策の充実化が不可欠である。推薦入試は「高校3年間の充実した生活」が決め手。できる限り、高校1・2年次の早期からガイド・助言を徹底するのが望ましい。また、国公私ごと、推薦入試の実施形態は異なるが、それに関しては弊社の全国版「推薦入学年鑑」(9月初旬配布)を参照してほしい。

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