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AO・推薦入試エクストラ6月25日号

2017年度から新たにAO入試導入の国公私立大情報

AO入試情報

◆2017年度から新たにAO入試導入の国公私立大情報

7月上旬に弊社の「AO入試年鑑」を全国の高校にお届けする予定だが、それに先立って、2017年度から新たにAO入試を実施する国公私立大の情報を速報でご紹介する。

<国立大>
■滋賀大
2017年4月開設予定で、わが国で初めてとなるデータサイエンス学部=データサイエンス学科で実施する。選抜要項は7月中旬に公表されるので詳細は未定だが、現代の最先端科学分野なのでかなり注目を集めるだろう。
■香川大(ナーシング・プロフェッショナル育成入試)
医学部=看護学科で実施。募集人員=25人。出願資格=高卒者および卒業見込み者(浪人可)、専願。求める学生像=(1)看護の対象を包括的に捉え、問題解決するための判断力や論理的思考力、根拠に基づいた科学的思考力や批判的思考力の向上をめざすことができる者、(2)幅広い学習に裏付けされた、知識の総合力と学ぶ力のある者、(3)人々の健康を支援するために、看護に高い志を持ち、主体性と協働性を有して、継続して課題に取り組むことができる者
<選考方法>1次=書類審査、2次=小論文(英語による問題と日本語による人文・自然科学の論述式問題、各60分)、配点=小論文200点、面接100点、計300点
<入試日程>出願期間=8月1日~10日、1次合格発表=9月8日、2次試験=9月22日、最終合格発表=10月6日
■熊本大(グローバル・リーダーコース)
<募集人員>文10人、法10人、理10人、工20人(希望学科の専門科目は3年次より履修)
<出願資格>専願区分=専願、現浪区分=2浪まで可、成績基準=なし、求める学生像は弊社年鑑を参照
<選考方法>1次→書類審査(募集人員の約2倍を選抜)、2次→文=面接(英語)・グループワーク・論述審査・口述審査、法=面接(英語)・グループワーク・口述審査、理=面接(英語)・グループワーク・論述審査・口述審査、工=面接(英語)・グループワーク・口述審査
<入試日程>出願期間=9月1日~7日、試験日=10月8・9日(2日)、合格発表=10月26日
<公立大>
■宮城大(2017年より学群・学類組織に再編)
<募集人員>看護学群=看護学類8人、事業構想学群=事業プランニング学類8人、地域創生学類8人、価値創造デザイン学類8人、食産業学群=食資源開発学類8人、フードマネジメント学類8人
<出願資格>対象地域=全国、専願区分=専願、現浪区分=浪人可(2017年4月1日現在で満22歳以下)、成績基準=なし、求める学生像=志望する学類に対し熱意と適性を有する者
<選考方法>1次=書類審査、2次=1日目→レクチャー、レクチャーレポート作成、グループワーク(議論)、ふりかえりレポート、2日目→面接(口頭試問含む) (注)入学後の指導の参考とするため、セ試(5‐6~7)の自己採点結果を報告すること
<入試日程>出願期間=9月16日~23日、1次合格発表=10月7日、2次試験=10月22日・23日、2次合格発表=11月4日

◆私立大・短大の2017新規実施校情報

弊社の調査で判明した私立大・短大のAO新規実施校の概要を速報でご紹介する。

<私立大>
■国立音楽大
<募集人員>音楽学部=音楽文化教育学科20人
<出願資格>専願区分=専願、現浪区分=浪人可、成績基準=なし、活動実績=必須(音楽活動)*特定条件の詳細は弊社年鑑を参照
<選考方法>書類・楽典・実技・グループディスカッション・面接(自己アピール含む)
<入試日程>出願期間=8月1日~3日、試験日=9月3日・4日、合格発表=9月7日、入学手続き締切日=9月16日
■東京女子大(知のかけはし入試)
<募集人員>現代教養学部=人文学科8人、国際社会学科5人、人間科学科5人、数理科学科2人
<出願資格>専願区分=専願、現浪区分=現役、成績基準=3.7以上、取得資格=英検2級、TOEFL‐iBT42点、TOEIC550点以上等の有資格者(詳細は本年鑑参照)
<選考方法>1次=書類審査、2次=講義受講・小論文・グループディスカッション・面接、数理科学科はほかに基礎学力検査(数学)を課す
<入試日程>出願期間=10月24日~28日、1次合格発表=11月14日、2次試験=11月27日、2次合格発表=12月2日、入学手続き締切日=12月9日
■東京聖栄大
<募集人員>健康栄養学部=管理栄養学科若干、食品学科16人
<出願資格>専願区分=専願、現浪区分=1浪まで可、成績基準=なし、資格・活動実績=なし、その他=本学への入学希望が高く、かつ教育内容への理解が十分な者
<選考方法>1日目=書類審査・模擬授業(45分)・受講感想文(50分)、2日目=基礎学力検査(英・化基、計30分)・面接(個別)
<入試日程>出願期間=8月1日~9月8日、試験日=9月10日・9月17日、合格発表=9月21日、入学手続き締切日=9月30日
■南山大
<募集人員>国際教養学部=国際教養学科10人
<出願資格>専願区分=併願可、現浪区分=浪人可、成績基準=なし、資格・活動実績=なし、求める学生像=(1)グローバル社会で生起する問題に強い関心を持ち、諸問題を解決しようとする高い志を持った者、(2)高いコミュニケーション能力と異文化理解力を備える者
<選考方法>1次=書類審査、2次=小論文(90分)・プレゼンテーションおよび面接(日本語・英語)
<入試日程>出願期間=1次8月22日~26日、2次=9月26日~30日、2次試験=10月8日、合格発表=1次9月9日、2次10月20日、入学手続き締切日=11月8日
■大和大
<募集人員>政治経済学部=政治行政学科4人、経済経営学科8人
<出願資格>専願区分=専願、現浪区分=浪人可、成績基準=なし、資格・活動実績=資格評価型・活動評価型は必須
<選考方法>1次=書類審査(調査書以外)、2次=書類審査(調査書)・プレゼンテーション(資格・活動評価型は自己アピール)・質疑応答
<入試日程>エントリー期間=6月13日~8月31日、出願期間=1期9月1日~13日、2期9月1日~27日、試験日=1期9月17日、2期10月1日、合格発表=1期9月21日、2期10月5日、入学手続き締切日=10月14日
<私立短大>
■奈良芸術短大
<募集人員>美術科=若干
<出願資格>専願区分=専願、現浪区分=浪人可(2017年4月2日現在で22歳以下)、男女区分=男女、成績基準=なし、その他=(1)美術学習の目的意識や熱意・意欲の高い者、(2)オープンキャンパス、体験、見学、相談を通して、本学のアドミッションポリシーや教育方針・内容などについて十分に理解している者
<選考方法>エントリーシート・体験授業・面接により出願を許可。出願後、書類審査を行う
<入試日程>エントリー期間=8月1日まで、体験授業・面談=8月3日・7日(選択)、出願期間=8月19日~29日、合格発表=9月2日、入学手続き締切日=9月30日

推薦入試情報

私立大:成績基準の設定状況は地区ごとに差異

弊社の全国版「推薦入学年鑑」では、毎年、一般公募推薦(昼間部)の成績基準設定状況の調査統計を実施している。2016年度の全国平均では、(1)基準なし‐33.9%(前年34.2%)、(2)2.7~2.9‐1.0%、(3)3.0~3.4‐37.4%(前年35.3%)、(4)3.5~3.9‐24.6%、(5)4.0以上‐3.1%という状況で、(1)(3)(4)の3つが主流をなし、長年“3極化構造”が続いているが、大学入学者選抜実施要項の改訂後、徐々に基準設定が増加し始め、今日では「基準なし」よりも(3)の設定が上回るようになっている。

そして、この基準設定に関しては、選考方法と同様に地区によってかなり差異があるので、進路指導に際しては十分留意する必要がある。弊社の調査データで地区別の基準設定状況(学校数‐学部・学科で異なる場合は複数集計)は、URLに示すとおりとなる。

◆私立大の成績基準設定状況(2016年度)
地区
基準
北海道
東北
関 東 中 部 近 畿 中四国 九 州 (計)
基準なし 11 50 46 101 20 21 249
2.7以上 0 3 1 2 1 0 7
3.0以上 15 54 27 10 14 13 133
3.1以上 0 3 0 0 1 2 6
3.2以上 10 33 9 3 2 7 64
3.3以上 7 28 9 2 1 7 54
3.4以上 2 7 4 0 4 1 18
3.5以上 23 56 18 4 4 16 121
3.6以上 1 10 3 0 1 2 17
3.7以上 5 6 2 0 0 3 16
3.8以上 9 10 2 1 2 3 27
3.9以上 0 0 0 0 0 0 0
4.0以上 2 8 1 2 0 1 14
4.1以上 0 2 0 0 0 0 2
4.2以上 0 2 0 0 0 0 2
4.3以上 1 0 0 1 2 1 5

成績基準が最も緩やかなのは近畿地区、次いで中部地区、中四国地区だろう。近畿地区では基準撤廃が主流である反面、学科試験主体というきびしさがある。

北海道・東北、関東の2地区は、他地区と比べると基準設定がきびしいので、出願に際しては慎重に検討することが大切である。その反動として、関東地区では、成績基準が極めて少ないAO入試へ受験生が流れる傾向が目立っている。

また、評定平均値の水準をAO入試と推薦入試の出願者・合格者で比較すると、全般に推薦入試の方が格段に高いことも特筆されよう。

◆私立短大一般公募推薦:成績基準の設定状況の特徴

私立短大の成績基準についても、弊社「推薦入学年鑑」で毎年調査統計を実施している。私立大と比べると、私立短大ではかなり以前から基準緩和の傾向が明白である。弊社が2016年度の一般公募推薦について調査した結果は、下記グラフのとおりである(学科によって異なる場合は複数扱い/昼間部のみ)。

私立大:成績基準設定状況の特徴

上記グラフに示すとおり、私立短大では基準なしと3.0~3.4の設定が中心で、ほぼ2極化の構造となっている。3.0~3.4のゾーンの内訳をみると、3.0以上がだんぜん主流を占め、次いで3.2以上、3.3以上の順となっている。私立大と比べると3.5以上の設定が激減しており、4.0以上が皆無であることも特徴といえよう。

ただ、実施要項改訂後の推移をみると、2010年度と2016年度では、基準なしが60.8%→51.2%、3.0~3.4が29.7%→37.7%と変化しており、やはり実施要項改訂の影響がかなり表れているので注意したい。

ニュースフラッシュ

◆入学定員抑制策前、駆け込みの定員増申請が急増

2017年度に私立大が計画する定員変更申請を文科省が今春受け付け、その状況を公表した。地方創生策の一環として、大都市圏の大規模校の受験生数を抑制する方策を2018年申請分から本格導入するため、その決定が注目されていた。

定員増の申請は2009年申請分以降、私立大全体で2千~4千人ほどで推移しており、前年申請分は計3,657人で、うち大規模校(学生数8千人以上)は30%程度の1,200人(7校)であった。

ところが、今年3月の申請では、44校から計7,354人の申請があり、その半数超を大規模校が占めた。大規模校の定員増はこの10年間で最も多かった。文科省は地方に大学生を分散させる意図で、首都圏や東海・関西地区に多い大規模校に対し、入学定員の一定の割合を超えて学生を受け入れると翌年以降、定員を増やせなくなる規制を強化する。今年の申請分から段階的に導入し、2018年の申請分から本格実施する。この抑制策に大学側が危機感を強めたとみられる。


定員増を申請した大規模11校の増加状況は次のとおり。

大学名 入学定員 増加人数
2016年度 2017年度
近畿大 7,050 7,970 920
東洋大 6,732 7,301 569
立命館大 7,157 7,629 472
立教大 4,150 4,604 454
東京理科大 3,565 3,890 325
青山学院大 3,902 4,220 318
東京農業大 2,520 2,800 280
名城大 3,155 3,370 215
龍谷大 4,539 4,693 154
日本大 14,760 14,869 109
帝京平成大 2,355 2,405 50
合計 59,885 63,751 3866

仮にある私立大の4年間の学費が400万円とすると、500人の定員増を行うと20億円の収入増となる。定員の規模は経営上の安定にとっては大きい要因だが、教育の質の低下も懸念されないわけではない。なお、中堅私立大でも、川崎医療福祉大のように計330人の定員増を申請している例も見受けられる。地方の私立大の定員割れは深刻な問題だが、その救済につながるかどうかは、はっきりとは見通せないようだ。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆推薦入試(3):一般推薦・ユニーク推薦の展望と動向

言うまでもなく、公募制推薦入試の原流は、学校長の推薦に基づいて、学業成績や人物、適性、能力等が当該大学の定める基準に達している者を選抜する「一般推薦」である。

原則として、国公立大は出願要件として成績基準を示すが、セ試併用型ではセ試が学力試験なので、成績基準を設定しないケースもかなりある。一方、私立大の場合は大学によって異なり、全般的にみると東日本は出願要件として評定平均値を用い、西日本は合否判定(点数化など)に用いる傾向が目立っている。

さらに近畿地区では公募推薦入試といっても、学校長の推薦書を要しないケースが、龍谷大、追手門学院大、摂南大、桃山学院大などかなりの数にのぼる。さりとて自己推薦書はいらず、調査書の提出をもって推薦書に代えるため、弊社の「推薦入学年鑑」ではこれらも「一般推薦(公募推薦)」と表示している。すでに西日本の私立大では一部で推薦入試の大原則が崩れつつあるとみることもできる。

一方、ユニーク推薦だが、国公立大ではまだ依然として低調なものの、徐々に増加してはいる。医学・医療・教員養成課程における地元枠推薦、地域枠推薦をはじめ、経済・商学・工学・農学系で導入されている専門・総合学科対象は、いわゆる専門課程推薦に相当する。教員養成の保健・体育分野で、スポーツ活動実績を条件としているケースは、スポーツ推薦の一種とみなすこともできよう。明確に女子推薦という入試名称を用いるのは名古屋工大機械工のみ、スポーツ推薦は東京学芸大教育(生涯スポーツ)、和歌山大経済のみである。自己推薦は、大阪府立大教育福祉(B方式)、広島市立大美術(彫刻)など公立大の一部に限られる。

それに対して、私立大のユニーク推薦は多彩で、しかも実施校がきわめて多い。スポーツ推薦、有資格者推薦、課外活動推薦を本流としながら、近年は自己推薦、専門課程推薦が大幅に増加し、多様化の一途をたどっており、弊社では13区分に分類している。

もう1つ特筆すべきは、一般推薦を実施しない有名私立大群も、このユニーク推薦はほとんど実施しているという点だろう。具体例をあげると、慶大文は自己推薦、上智大は6学部で有資格者推薦、明治大は商・農・文の3学部、早稲田大は社会科学・教育・スポーツ科学部で自己推薦を実施する。西の同志社大は公募推薦をほぼ全学部ともユニーク推薦で実施する。また、西日本では一般推薦を自己推薦の形式で行うケースも目立つ。ただ、これらユニーク推薦をAO入試へ転換するケースもあり、毎年変動するので、最終的には弊社の「推薦入学年鑑」で確認してほしい。

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