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AO・推薦入試エクストラ9月10日号

私立大:2017公募推薦入試の学部別志願動向(弊社集計)

AO入試情報

私立大:2017AO入試全国統計レポート

弊社では全国版「AO入試年鑑」の発刊に際して、私立大のAO入試の動向を把握するため、毎年、多角的な統計作業を実施している。今回は、まず2017AO入試結果の集計状況からレポートしておきたい(データ公表校のみ集計)。

学部系統別の志願者数・合格者数の状況は次のとおりであった。

学部系統 志願者数 合格者数 平均倍率(前年度)
人文科学 13,183 7,877 1.7倍(1.6倍)
社会科学 31,396 19,531 1.6倍(1.6倍)
教育・教員養成 8,507 4,369 1.9倍(1.9倍)
理工 5,964 3,506 1.7倍(1.8倍)
農・水産・獣医 728 512 1.4倍(1.8倍)
保健・医療 13,655 4,259 3.2倍(3.3倍)
生活科学(栄養) 3,688 2,007 1.8倍(1.7倍)
芸術 8,955 5,465 1.7倍(1.6倍)
スポーツ(健康) 8,764 4,352 2.0倍(2.2倍)
(計) 94,820 51,878 1.8倍(1.8倍)

全体の志願者数は、2016年度より6,225人、7%の大幅増となり、前年の1%減から反動増とみられる動向となった。合格者数も前年よりかなり増えているが、平均倍率はここ4年間1.8倍と同じで推移している。

学部統計別にみると、志願増となった分野は、人文科学、社会科学、教育・教員養成、保健・医療、生活科学、芸術、スポーツの7分野で、理工、農・水産・獣医だけが志願減となっている。平均倍率でみると、特に保健・医療系は人気が高く、倍率も3.2倍と全系統の中で抜きん出ている。次いで、スポーツ・体育(健康)系の2.0倍が目立つ。農・水産・獣医系は合格者を絞り込む傾向があり、そのため倍率も高めで推移していたが、ここ5年では倍率が最も低くなっている。なお、理工学系の志願者数が6千人を下回ったことも注目され、総体的にAO入試では文系人気が際立った。

正確なAO入試の統計は、例年、秋ごろ公表される文部科学省の発表を待たねばならないが、本年鑑の統計と大きな差異はなく、私立大AO入試の人気が高いことには引き続き留意すべきだろう。

◆私立大:2017AO入試の地区別志願動向

私立大のAO入試戦線は、地区によって差異が大きいので十分注意する必要がある。弊社が集計した地区別の2017AO入試結果は次のとおりとなっている(カッコ内は前年度比の増減を示す)。

地区 志願者数 合格者数 平均倍率
北海道・東北 4,823人(-126人) 3,527人(-22人) 1.4倍(1.4倍)
関東 57,864人(+3,753人) 29,248人(+1,809人) 2.0倍(2.0倍)
中部 9,129人(+747人) 5,726人(+366人) 1.6倍(1.6倍)
近畿 15,232人(+530人) 8,238人(-582人) 1.8倍(1.7倍)
中国・四国 3,778人(+1,125人) 2,416人(+445人) 1.6倍(1.3倍)
九州 3,994人(+196人) 2,723人(+324人) 1.5倍(1.6倍)

全般的にみて地方圏の私立大では、入試区分ごとのデータ公表状況が芳しくないという事情はあるが、全体の動向は弊社の統計でも明白に表れてくる。2017年度の場合、志願増となったのは関東、中部、近畿、中国・四国、九州の5地区で、とりわけ関東地区の大幅増が目立つ。また、例年と同様に志願者数では関東地区が群を抜いて多く、全AO志願者数の6割を占めている。

合格者が増加したのは、関東、中部、中国・四国、九州の4地区で、近畿地区では合格者を絞り込む傾向が見られた。

また、関東と近畿を比較すると、推薦入試が「東低西高」型であるのに対して、AO入試では完全に「東高西低」型の入試構図になっていることも見て取れよう。これは、関東地区が推薦入試ではきびしい成績基準を設けるのに対して、AO入試ではほぼ基準設定がないことによっている。

推薦入試情報

◆私立大:2017公募推薦入試の学部別志願動向(弊社集計)

弊社では全国版「推薦入学年鑑」の発刊以来、私立大の公募推薦入試の動向を把握するため、多角的な統計作業を毎年実施している。今回は、まず2017入試結果のまとめからレポートしておきたい(データ公表校を集計、一部は指定校制データを含む)。学部系統別の志願・合格状況は、次のとおりであった。

系統 志願者数 合格者数 倍率(前年度)
人文科学 50,568人 22,679人 2.2倍(2.3倍)
社会科学 106,951人 42,118人 2.5倍(2.4倍)
教育(教員養成) 16,765人 7,711人 2.2倍(2.1倍)
理工 29,170人 12,488人 2.3倍(2.5倍)
農・水産・獣医 7,752人 2,718人 2.9倍(2.7倍)
保健・医療 44,205人 16,357人 2.7倍(2.8倍)
生活(栄養) 13,482人 6,091人 2.2倍(2.5倍)
芸術 6,021人 3,456人 1.7倍(1.6倍)
スポーツ・体育(健康) 10,252人 5,572人 1.8倍(1.8倍)
(計) 285,166人 119,190人 2.4倍(2.4倍)

2012年度集計では約5千人(2.4%)の志願減であったが、2013年度は約1万2千人(5.5%)の大幅増加に転じ、2014年度も約8千人(3.3%増)、2015年度は実に約2万3千人(9.4%)増と大幅に増加し、2016年度は約8千5百人(3.2%)の志願増、そして2017年度も約7千人(2.5%)の志願増となったことが特筆される。つまり、推薦戦線はここ5年連続で増加しているわけである。ここ5年では特に人文科学系、社会科学系の文系の増加が際立ち、教育系、保健・医療系ではやや慎重な出願傾向がうかがえる。過去5年、全体の平均倍率も2.1倍→2.2倍→2.3倍→2.4倍→2.4倍と若干きびしくなっているので、十分注意する必要がある。学部系統別の平均倍率では、保健・医療系が合格者の増加でやや倍率がダウン。農・水産・獣医は2.9倍と上昇しているので要注意だ。社会科学系の倍率は近年で最も高くなっている。

◆私立大:2016公募推薦入試の地区別志願動向(弊社集計)

弊社で独自に集計した2016公募推薦入試の地区別志願状況についてご紹介する(データ公表校を集計、一部は指定校制を含む)。

地区 2017年度 2016年度 増減数 増減率(前年)
北海道・東北 6,855人 6,875人 -20人 -0.3%(+2.6%)
関東 43,393人 43,580人 -187人 -0.4%(-0.1%)
中部 24,234人 23,222人 +1,012人 +4.4%(-1.3%)
近畿 190,908人 186,128人 +4,780人 +2.6%(+5.4%)
中国・四国 11,622人 10,137人 +1,485 +14.6%(-10.4%)
九州 8,154人 8,304人 -150人 -1.8%(+3.5%)
(計) 285,166人 278,246人 +6,920人 +2.5%(+3.2%)

2012年度は中国・四国地区のみが志願増、その他の地区は全て志願減であったが、2013年度は全く逆の志願動向となり、2014年度は近畿・中四国を除く4地区で再び志願減となり、2015年度はかつてない9.4%もの大幅増となった。推薦戦線でも地区により隔年現象が生じることがあるので十分留意する必要がある。

特に注目されるのは、例年、全国志願者の5~6割が集中する近畿地区がここ3年約2万3千人、約1万人、約5千人の大幅増となった点だろう。2017年度の志願増も、この近畿地区の大幅増が主要因といってよい。次いで中部、中国・四国の2地区でかなり志願者が増えた。成績基準の厳しい関東地区が平均1.6倍なのに対して、基準撤廃・併願型の近畿地区は3.2倍もの激戦区となっている。

ニュースフラッシュ

◆法科大学院:青山学院大、立教大も募集停止へ

裁判官、検察官、弁護士ら法曹人口を大幅に増やすねらいで国が設立を推進し、ピーク時は74校あった法科大学院の半数近くが廃止や募集停止になることが判明した。2004年のスタート時に参入を広く認めたが、法曹の需要予測が大きくはずれたこともあり、来春に募集を行うのは39校にとどまる。全体の志願者は最多だった2004年の7万3千人の約1割にまで落ち込んでいる。

今年5月には青山学院大、立教大、桐蔭横浜大が法科大学院の2018年度からの募集を停止すると発表。この3校を含め、これまでに15校が廃止、20校が募集停止(予定含む)した。

文部科学省が2015年度から司法試験の合格率などによって、大学院への補助金をゼロにする制度を導入したことで、同年度に一気に13校が募集を停止した。一方で東大や京大、私立では早稲田大、慶応義塾大、中央大など一部の法科大学院に人気が集中した。全体の定員(2,566人)に対する入学者は1,704人にとどまり、人気5校の入学者がその46%を占める、何ともいびつな状況になっている。

こうした背景には、政府の法曹需要の予測が大きく狂ったことがある。政府は2002年、経済のグローバル化や知的財産分野の拡大で弁護士不足になると見込み、年間1,200人程度だった司法試験合格者を3千人にする目標を閣議決定した。これを受け、大学は法科大学院を次々に新設した。政府は2016年度までに964億円を支援した。しかし、法曹需要は増えず、裁判所が受理した事件数は2015年度で約353万件で、前年より4割減。法科大学院修了者の司法試験合格率を7~8割と想定したが、最近は2割台に低迷していた。2011年度からは、法科大学院を経由せず司法試験の受験資格が得られる「予備試験」を設けたが、直近の試験では予備試験組が全合格者の約15%を占めていた。法科大学院の理念は、無惨な結末を迎えたわけだが、少なくともこの経験を生かすためには、理工系で導入されているような6年間一貫の法学教育機関(学科・コース)も検討する必要がありはしないだろうか。

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