ライフサイエンスに興味をもっている学生に、あらたな新学期としてぜひ米国科学アカデミーにより著された科学者を志す人、科学活動の倫理に関心のある人へ 「On Being A Scientist; Responsible Conduct in Research、1995年出版」の翻訳。を読んでいただきたい。これから科学研究を志す若者や若手研究者を念頭に置き、科学活動の倫理的基礎や、科学研究を行う際に研究者が遭遇するさまざまな問題点について、仮想的なシナリオも含めて記述されている。 内容を目次から拾うと、「科学者をめざす君たちへ」「科学の社会的基礎」「実験テクニックとデータの扱い方」「科学における価値観」「利害の衝突」「出版と公開」「業績評価とその表記」「著者名の扱い方」「科学上の間違いと手抜き行為」「科学における不正行為」「科学的倫理違反とその対応」「社会のなかの科学者」「ケーススタディについての議論」などである。
内容からすると、卒研に関わる理系の大学高学年次生や院生には是非読んでもらいたい本であるが、大学初年次の学生諸君にとっても、科学研究がどのような倫理的問題と表裏一体のものであるかについて、仮想的シナリオも含めて興味深く読み進むことができ、科学研究活動の一面を知ることができる好著であろう。
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![]() なぜ生命科学を選択したかが重要ではない、生命科学は仕事や生活との関連性はあるのか
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