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総合型・推薦型選抜エクストラ10月25日号

私立大における公募制の併願・複数受験の戦略と注意点

総合型選抜情報

◆国公立大の共テ併用型はラスト3か月の基礎学力強化がカギ

文科省の令和4年度大学入学者選抜(令和5年度はまだ公表されていないが若干の増加と予測する)の概要によると、総合型選抜で大学入学共通テストを課したのは、国立大が44校136学部、公立大が9校13学部となっている。国立大では実施学部の54%、つまり5割強が共テ併用型で実施する。

言うまでもなく、共通テストの用い方は次の3パターンに分かれる。

  • (1)最終合否で共通テストの一定得点以上を合格対象とする
  • (2)書類・面接・小論文等との総合点で合否を決定
  • (3)共通テストで一定得点以上に2次選抜を実施

国立大では(1)(3)の用い方も相当数にのぼるので、共テ併用型では共通テスト得点力が志望校の合格水準に達するかどうかが出願の分岐点になる。一般的に医学系では80~85%以上と基準が高いが、薬学系は70~75%程度(一部に80%)、その他では平均レベルの60~65%前後の設定が多いが、できるだけ高得点を取るのが望ましいことは無論である。特に「書類+共テ型」のケースは、共通テスト得点が合否の決め手になる。

そこで、面接・小論文対策と併行して、ラスト3か月は共通テスト対策にベストを尽くす必要があることを生徒には十分周知徹底し、助言とフォローに万全を期したい。11月を迎える直前時期になると、実力が伸び始める生徒も多い反面、長期の受験学習と思うように学習成果があがらないために心が折れかけている生徒も決して少なくないはずである。

生徒の学力と志望校の合格水準をよく検討して、個別にラスト3か月の取り組みを話し合い、生徒の奮起を促してほしい。総合型選抜を志望する生徒には、必ずそれぞれの夢がある。それを原動力として、基礎学力を効率的・集中的に身につける努力を継続できれば、総合型選抜で共通テスト基準点をクリアすることは決して難しくはない。ひいては、それが一般選抜へのベスト対策ともなる。進路指導部と生徒の皆様の今後のご健闘をお祈り申し上げている。

◆2023総合型選抜で共通テストを課す主な国公立大と基準点一覧

今年度の総合型選抜で共通テストを課す大学・学部の一覧をご紹介する。詳細は弊社の「総合型選抜年鑑」及びWebサイトを参照してほしい(カッコ内は基準点がある場合の数値を示し、一部2022年度参考資料を含む)。


<国立大>

■旭川医科大
医=医(北海道特別選抜=本選抜受験者の中央値以上である者、国際医療人特別選抜=本選抜受験者の合計点順で下位20%を除外した平均点以上の者)
■北海道大<フロンティア入試 TypeI>
理=地球惑星科学(450/600点)、歯(670/900点)、医=医学系(765/900点)、保健学系理学療法学(680/900点)、看護学・検査技術科学・作業療法学・放射線診療科学、工=応用理工系(520/800点)、環境社会工(225/300点)、水産(280/400点)
■北海道教育大<教員養成特別入試>
教育(札幌校、旭川校、釧路校)
■弘前大<総合型選抜II>
教育=学校教育(小学校、特別支援教育)・養護教諭、医、農学生命科学
■岩手大
理工(先端理工学特別プログラム)=化学・生命理工、物理・材料理工、システム創成工
■東北大<AOIII期>
文、教育、法、経済、理、医、歯、薬、工、農
■宮城教育大<一般枠>
教育=芸術・体育系教育、生活系教育(450/900点)
■秋田大
医=保健(看護学概ね440/800点、理学療法学概ね530/900点、作業療法学概ね450/900点)、理工
■山形大<総合型選抜III>
理、工(昼、600点中概ね300点を満たした者)
■福島大
人文社会=経済経営(国・外、地歴・公、数の3つの教科グループのうち2つが60点以上の科目がある者)
■茨城大
理=理(化学、生物科学、地球環境科学、学際理学)
■筑波大<研究型人材入試>
医=医(原則として8割、総合点720点、数160点、理160点以上)
■宇都宮大
地域デザイン科学=コミュニティデザイン
■埼玉大
経済=経済昼(高得点3教科の合計が7割以上の者)
■千葉大
文=人文(日本・ユーラシア文化、概ね70%に達した者)、教育(方式I、高得点の3教科3科目の総合点が65%に達した者)、法政経(数学が75%に達した者)、国際教養(総得点が70%に達した者)、工=総合工(デザイン・情報工学・物質科学、総得点が70%に達した者)、園芸(総合点が概ね70%)
■東京工業大
工学院、物質理工学院、情報理工学院・生命理工学院(概ね650点以上の得点かどうかで判断する)、環境・社会理工学院
■東京農工大<ゼミナール入試>
農=環境資源科学(420/600点)
■横浜国立大
教育、経済、理工=機械・材料・海洋系、都市科学=都市社会共生、都市基盤、環境リスク共生
■山梨大<総合型選抜II>
工、生命環境
■信州大<総合型選抜II>
理=理(地球学、450/900点)
■新潟大
理、創生
■富山大<総合型選抜II>
教育=理数型(325/500点)、経済(300/600点)、都市デザイン=地球システム科学・材料デザイン工(210/400点)、理=物理(260/500点)、生物(450/800点)、自然環境科学(210/400点)、医
■金沢大
<薬学類・高大接続入試>医薬保健=薬(概ね750/1000点)
 <KUGS特別入試(総合型選抜II)>融合、人間社会=人文、法、学校教育(石川県教員希望枠=概ね225/300点、美術教育=概ね240/400点、家政教育=概ね292/450点、特別支援教育=概ね300/500点)、地域創造、理工=数物科学・物質化学・機械工学・電子情報通信(概ね585/900点)、地球社会基盤、生命理工(概ね440/800点)
 <KUGS特別入試(英語総合選抜II)>融合=先導、観光デザイン、スマート創成科学
 <超然特別入試(A‐lympiad選抜II)>医薬保健=医(概ね680/800点)
■福井大<総合型選抜II>
■静岡大
理=地球科学
■三重大
工=情報工学
■滋賀大
経済(昼)=課題図書型(630/900点)、データサイエンス=I型・II型・III型(550/900点)
■京都大
総合人間(800点満点で概ね85%以上)、文(900点満点で概ね760点以上)、教育(900点満点で概ね80%以上)、理(900点満点で概ね70%以上)、医=人間健康科学(900点満点で概ね75%以上)、薬(900点満点で概ね8割以上)、農=資源生物科学(900点満点で概ね720点以上)、応用生命科学(630/900点)、地域環境工(800点満点で概ね640点以上)、食料・環境経済、森林科学(900点満点で概ね720点以上)、食品生物科学(700点満点で概ね600点以上)
■大阪大
文(概ね75%以上)、人間科学(概ね75%以上)、外国語(総点80%・外国語85%以上、かつ2次含む総点が60%以上)、法・経済(概ね80%以上)、理=<挑戦型>数学・物理(概ね80%以上)、<研究奨励型>化学・生物科学
■神戸大
<総合型選抜>国際人間科学=発達コミュニティ、環境共生(理数系科目受験、320点以上/400点)、理=生物・惑星、医=医
■奈良教育大
教育=教育(音楽・保体・家庭・技術・書道=275/500点、その他=330/600点)
■島根大<総合型選抜II>
教育・人間科学(55%以上/300点)
■鳥取大
工=社会システム土木系(入学後の指導の参考とするため、可能な限り受験すること)
■岡山大
法(外国語120点)、教育、薬
■広島大<総合型選抜II>
文=人文(概ね390/600点)、教育=初等教育・教育学系・心理学系(600/900点)、特別支援教育・自然系・社会系(585/900点)、法(概ね360/600点)、医=医(概ね720/900点)、保健(概ね600/900点<看護学専攻の専門型=概ね560/900点>)、歯=歯(概ね650/900点)、口腔健康科学(口腔保健学‐概ね500/800点、口腔工学‐概ね560/900点)、薬=薬(概ね700/900点)、工(概ね420/600点)、生物生産(540/900点)、情報科学(概ね630/900点)
■徳島大
医=医(概ね75%以上/900点)
■愛媛大<総合型選抜II>
法文、教育、社会共創、医=医、農
■九州大<総合型選抜II>
文、法、経済(75%程度)、理、医=保健(看護学・放射線技術科学・検査技術科学)、歯、工、芸術工、農
■九州工業大<総合型選抜II>
工、情報工
■佐賀大<総合型選抜II>
理工、農
■長崎大<総合型選抜II>
教育、経済、歯
■大分大
教育、医=医、福祉健康科学=福祉健康科学(理学療法、心理学)
■鹿児島大<自己推薦型選抜>
法文、理、医=保健(看護学)、歯、工=建築(建築学プログラム)、農、水産=国際食料資源学特別、共同獣医
■琉球大<総合型選抜II>
農(概ね50%であること)

<公立大>

■青森公立大
経営経済=全学科(入学前教育の一環)
■宮城大
看護・事業構想・食産業(入学後の指導の参考)
■山形保健医療大
保健医療=看護
■前橋工科大
工=建築・都市・環境工学群、情報・生命工学群(一般選抜前期と同じ共通テストを受験すること)
■東京都立大<グローバル人材育成入試>
人文社会=人間社会・人文、システムデザイン=情報科学、経済経営、都市環境=環境応用化学・都市政策科学(経済経営・都市環境は入学後の学業の参考)
■横浜市立大
データサイエンス=データサイエンス、国際教養、国際商、理(国際教養・国際商・理は最終合格後の学習課題)
■都留文科大
教養(3期)=学校教育‐自然環境科学
■大阪公立大
工=都市、医=医
■山陽小野田市立山口東京理科大<総合型選抜II>
薬=薬
■九州歯科大
歯=歯(590/900点)、口腔保健(590/800点)
■長崎県立大
経営=経営(350/700点)

学校推薦型選抜情報

◆私立大における公募制の併願・複数受験の戦略と注意点

言うまでもなく学校推薦型選抜は、第1志望校に限って受験するのが鉄則だが、生徒によっては合格校を確保するために、第2・第3志望を受験せざる得ないケースも生じる。ここでは、一般推薦を中心に併願・複数受験のポイントを整理しておこう。

(1)志望校の難易度を把握する
一般選抜のように模試等の合格難易度はないが、学校推薦型選抜の難易度も、過去の合格実績、合格者の学習成績の状況、合格最低点などからほぼ難易度の判断はできる。合格者の学習成績の状況等を公表していない大学でも、進路指導部からの問合せにはある程度応じてくれるケースもある。いずれにしろ、第2・3志望の設定は、第1志望より難易度の低い大学を選択したほうが安全であることは言うまでもない。
(2)同系列の試験方法で受験できる大学を選択
第1志望が書類・面接・小論文であれば、これと同系列の入試方法を取る併願校もしくは受験負担の軽い併願校を選択するのがベター。第1志望が書類・面接なのに、第2志望以下は小論文や学科試験といった併願には大きなリスクが伴う。
(3)専願制を破らないで済む併願・複数受験を徹底
志望校が全て併願制(特に西日本)であれば、何校受験しても問題は生じないが、専願制と併願制の複数受験なら、専願制優先に徹して臨む必要がある。併願校の方が知名度が高くても、専願校合格なら、専願校に入学するのが原則だ。
(4)専願リレー受験の場合は日程に注意
専願制間の複数受験も必ずしも不可能ではないが、十分注意する必要がある。第1志望の合格発表後でも出願の間に合う併願校をあらかじめ検討しておき、第1志望の合格発表から第2志望校の出願開始までに余裕がない場合はあらかじめ出願書類を用意しておく必要がある。
(5)納付金を無駄にしないで済む併願を実行
学校推薦型選抜の場合、専願・併願を問わず、一括納入のケースが多い。併願制の場合は、一定期間までに入学を辞退すれば、入学金以外は返還されるが、複数受験では納付金をできるだけ無駄にせずに済む日程上の戦略に特に留意する必要がある。

◆国公立大における併願・複数受験の留意点

国公立大の学校推薦型選抜に関しては、併願・複数受験にきびしい制約が伴い、原則として1校1学部しか受験できないが、複数受験が全く無理かと言えば、必ずしもそうではない。その具体的な手順、留意点を紹介しておこう。

(1)第1志望は共テ免除型、第2志望は共テ併用型で受験
国公立大の学校推薦型選抜は共テ免除型が11月出願、共テ併用型が12月~1月の出願となっているケースが多いので、第1志望を共テ免除型、その合格発表後の第2志望を共テ併用型にすれば複数受験が可能になるが、大学によってダブル受験はできない場合も多いので各要項の留意事項の記載に注意してほしい。ただし、第2志望の当該校学部に推薦決定者がいない場合に限られることは言うまでもない。
(2)共テ免除型間の併願も可能
国公立大の学校推薦型選抜は全て専願制である。入試日程が短期間に集中しているが、弊社の年鑑で検討すれば、第1志望の合否発表後でも出願の間に合う第2志望校を探すことは可能である。ただし、高校推薦枠にアキがある場合に限られる。
(3)共テ併用型間の併願は不可能
共通テストを課す大学の複数受験は、学校推薦型選抜用の共テ成績請求票が1枚しかないので、自動的に不可能ということになる。
(4)国公立大と私立大の併願
国公立大と私立大の学校推薦型選抜を併願する場合、第1志望が国公立大なら、第2志望の私立大は日程からみて、併願制校を選択せざるをえない。ただ、国公立大合格なら、私立大に納付した入学金は戻ってこないと覚悟しておく必要がある。私立大が第1志望なら、国公立大への出願はしてはならない。

その他、大学によっては学校推薦型選抜募集要項に「本学以外の学校推薦型選抜への出願は認めない」などの注意書きがある場合もあるので十分注意してほしい。

ニュースフラッシュ

◆司法試験で京都大が史上初めて首位に躍進

法務省は9月上旬、今年度の司法試験について、受験者が3,082人(前年比342人減)、合格者が1,403人(同18人減)であったと公表した。受験者数、合格者数とも7年連続で減少し、法科大学院修了生等を対象にした新試験に完全に移行した2012年度以降で最少記録となった。

司法試験合格者数として政府が目標とする「1,500人」は3年連続で下回ったが、合格率は4.02ポイント増加して45.52%となり、2012年以降で最高となった。

ただ、合格者のうち395人は、法科大学院を修了せずに例外的に受験資格を得られる「予備試験」通過者で、その合格率は過去最高の97.53%で、院修了生の合格率37.65%を大きく上回る状況が続いている。

法科大学院修了生の合格上位10校はつぎのとおり。

順位 法科大学院名 受験者数 合格者数 合格率
1 京都大 175人 119人 68.00%
2 東京大 192人 117人 60.94%
3 慶應義塾大 181人 104人 57.46%
4 早稲田大 232人 104人 57.46%
5 一橋大 110人 66人 60.00%
6 神戸大 111人 54人 48.65%
7 大阪大 111人 51人 45.95%
8 中央大 191人 50人 26.18%
9 東北大 48人 27人 56.25%
10 同志社大 81人 25人 30.86%

法科大学院別でみると、合格者数で京都大が史上初めて首位に立ったのが注目される。京都大が119人で、東京大117人を上回った。慶応義塾大と早稲田大がともに104人で3位につけている。次いで一橋大、神戸大、大阪大、中央大、東北大、同志社大と続き、上位10校のうち私立大が4校を占める。

合格者全体のうち、男性は1,014人、女性は389人(27.7%)。今年末時点の平均年齢は28.3歳で、最年長は68歳、最年少はなんと18歳であった。

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