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AO・推薦入試エクストラ7月8日号

東日本:私立大の2012新規実施情報(続報)

AO入試情報

~東日本:私立大の2012新規実施情報~

東日本の私立大では、2012年度から新たに神奈川歯科大、横浜商科大の2 校がAO入試を導入。また、関東学院大は工学部のみから全学部に拡大する。 詳細は近日配布予定の全国版『AO入試年鑑』に掲載しているが、概要を速 報しておこう。

  • ■神奈川歯科大 募集人員は10人とかなり枠が大きい。アドミッションポリシーを理解し、オープンキャンパスに参加した者にエントリー資格が与えられる。専願制で特に成績基準はなく、書類・小論文(50分‐漢字書取・英単語等含む)・面談(個別、約20分)により出願(合格内定)の可否を判定する。日程はエントリー=8月1日~16日、試験日=8月23日、出願=8月25日~31日、合格発表=9月1日。合否判定は調査書100点(資格取得や課外活動なども評価)、小論文100点、面談30点の計230満点。基礎学力を含む小論文の出来ぐあいが合否を左右しそうだ。
  • ■横浜商科大 募集人員は3学科で10人。現役生のみで英検2級、漢検2級、数検2級、日簿2級、秘書2級以上などの有資格者を対象に専願制で実施する。選考方法は書類・面接(面接官2名、個別、約15分)という書類・面接型。資格証明を重視し、面接は3段階評価でC段階だと不合格になる。A~D日程を実施するが、A日程は次のとおり。出願=9月8日~20日、試験日=9月24日、合格発表=9月30日。

◆東日本:私立大の2012新規実施情報(続報)

東日本地区における学部・学科ごとの新規実施情報をお伝えする。北海道・東北地区における新規導入は本年度もきわめて少ない。下記のカッコ内人数は募集人員を示す。

  • ■東北文化学園大 書類選考方式でリハビリテーション学科作業療法学専攻が新規実施。募集人員は1期が5人、2期が若干。
  • ■いわき明星大 全学部で専門高校・総合学科特別AO入試を導入。募集人員は計18人。
  • ■茨城キリスト教大 経営学部で8人募集。成績基準がややきびしく、1期は全体3.8以上または全体3.5以上で1科目が4.3以上。
  • ■埼玉学園大 人間・経営の2学部でオープンキャンパス型を新規実施。AO対策講座の受講が必須条件。
  • ■駿河台大 メディア情報学部でデザイン実技型AOを新規実施。
  • ■聖学院大 政経・人文の各学部で英語特別AOを導入。英語リスニング試験(30分)を実施する。
  • ■西部文理大 新たに奨学生入試として資格型・スポーツ型を導入。小論文50点、面接50点の計100点で合否を判定。
  • ■日本医療科学大 新設予定の看護(10人)・臨床工(5人)の2学科がAO実施。
  • ■人間総合科学大 保健医療学部看護学科(10人)、リハビリテーション学科(10人)が新規実施。書類・模擬授業・面接で選考。
  • ■文教大 情報学部経営情報学科が「リーダー志向型」を導入。
  • ■淑徳大 総合福祉・コミュニティ政策学部が「特待生入試」を実施。成績基準は4.3~4.5以上ときびしい。
  • ■国士舘大 体育学部スポーツ医科学(5人)が新規実施。
  • ■津田塾大 英文学科(10人)が特別入試(AO方式)を実施。筆記試験として小論文・課題英作文を課す。
  • ■日本大 松戸歯学部が後期(5人)を新規実施。
  • ■日本女子体育大 運動科学科のスポーツ科学専攻でトップアスリート選抜を導入。
  • ■日本体育大 体育学部(50人)で地域ブロックAO入試を導入。
  • ■明治学院大 法学部政治学科(5人)が全体3.5以上で社会貢献活動の実績者を対象として新規実施。
  • ■神奈川大 新設予定の工学部総合プログラム(5人)が新規実施。総合問題(数理英・90分)が選考の中心になる。
  • ■神奈川工科大 応用バイオ科学部栄養生命科学科で「レクチャーレポート方式」を新規実施。
  • ■関東学院大 全学部でスタンダード型、資格型を新規実施。工学部は8月・9月・11月・12月募集の4回、その他は9月・11月募集を行う。各学部の募集人員も多く、例えば法学部は9月が20人、11月(評定基準あり)が35人となっている。
  • ■女子美術大 新設予定の美術教育専攻(2人)がAO実施。

推薦入試情報

~国公立大:2012推薦入試の変更・新規情報~

選抜要項等から判明した国公立大の新情報をまとめて速報する。

  • <新規実施校>
  • ■東京外語大 外国語学部を言語文化・国際社会の2学部に再編予定。言語文化学部で導入する。
  • ■東京工業大 第1類でセ試を課す推薦を導入。
  • ■鳥取環境大 公立大学法人に移行し、全学部で実施予定。
  • (注)本年度、国立大は2校、公立大は1校増となる。
  • <学部等の新規実施>
  • ■神戸大 経営学部でセ試を課す推薦を導入(一般入試の後期を廃止)。
  • ■鳥取大 農(獣医)でセ試を課す推薦を導入。
  • ■宮崎大 工(電気電子工・情報システム工)でセ試を課す推薦を導入。
  • ■鹿児島大 農(獣医)でセ試を課す推薦を導入。
  • ■滋賀県立大 (1)新設予定の国際コミュニケーション学科でセ試を課さない推薦を実施。(2)工学部で専門・総合学科推薦を導入。
  • ■広島市立大 芸術(彫刻)でセ試を課さない自己推薦を導入。
  • <募集人員・選考法の変更>
  • ■岩手大 教育(学校教育‐教育)でA推薦の募集枠を11人→21人に拡大。
  • ■新潟大 理(数学)で「小論文→基礎学力試験(数学)」へ変更。
  • ■金沢大 経済学類が20人→10人に削減。
  • ■名古屋大 工で「セ試を課さない→課す」に変更。
  • ■山口大 (1)医(医)の地域医療再生枠(山口県枠)を7人→9人に拡大。(2)工の募集枠を65人→55人に縮小。
  • ■岩手県立大 社会福祉学部で全国枠(8人)を導入。
  • ■新潟県立看護大 成績基準を4.0→3.8に緩和。
  • ■三重県立看護大 (1)総合問題から地域推薦=英語、一般推薦=基礎学力検査(国数理英)に変更。(2)成績基準を地域=3.8→4.5、一般=3.8→4.0に引き上げる。
  • ■神戸市看護大 募集枠を15人→20人に拡大。
  • ■奈良県立医科大 医(看護)で25人→30人に拡大。

◆2012年度の国公立大推薦実施率は上昇

本年度、推薦入試を廃止する国公立大の学部・学科もかなりあるので注意してほしい。廃止のケースは、埼玉大工(環境共生)、金沢大理工学域(数物科学・物質化学・電子情報・環境デザイン)、岐阜大教育(学校教育‐心理学・教職基礎・理科教育)、熊本大教育(中学国語)、大分大教育福祉科学(学校教育‐英語)など。

7月初旬現在、東京外語大、東京工大、鳥取環境大の新規実施が判明したので、本年度の実施率は下記グラフのように変動する。

 

国公立大推薦実施率

 

なお、東日本地区私立大の公募推薦の新規実施等の情報は、次号以降にお伝えする。

ニュースフラッシュ

~大学入試センターが2科目受験で「第1解答科目」の成績利用を要請~

センター試験については、2012年度から(1)公民に新科目「倫理、政治・経済」が加わる、(2)地理歴史と公民の科目選択の弾力化(10科目から最大2科目選択が可能)、(3)理科の科目選択の弾力化(3グループ制を廃止して時間帯を統合、最大2科目の選択が可能)という重要な変更が加わる。

科目選択の自由度が高まるものの、その実施方法には懸念があった。2科目選択者が2科目分の試験時間(120分)を1科目の解答に当てることが可能となるからだ。大学入試センターはそうした状況を考慮して、実施方法を次のとおり決定した。

  • (1)2科目選択者と1科目選択者の試験室は別室
  • (2)2科目選択者の試験は、解答順に「第1解答科目」「第2解答科目」と試験時間を区切り、各60分で実施する。
  • (3)「第1解答科目」時間後に答案回収、「第2解答科目」の解答用紙配布のための時間を10分間設定する(受験者は退出不可)。
  • (4)問題冊子は試験開始時(2科目選択者は第1解答科目開始時)に配布する。

問題冊子は試験開始時に教科単位で配布される見込みで、どの科目も試験開始時に内容を見ることは可能で、そのため本命科目に2科目分の時間を使って解答することは不可能ではないという問題点が残るが、大学入試センターは次のような要請を行った。2科目受験者の成績利用については、1科目を課す場合は第1解答科目の得点を採用すること。これにより、必然的に受験生は高得点が望める科目を第1解答科目で受験すると見込まれる。

また、科目の設定にあたっては、特定の1科目のみを指定することのないようにという要請も行った。受験生の併願に支障が生じないようにするためである。

従来、2科目選択者の成績利用は、高得点科目の利用が一般的であり、6月2日現在で、河合塾の調査で第1解答科目の利用を公表していたのは九州大だけで、多くは高得点科目利用と公表していたが、今回の要請を受けて国大協は6月22日、「受験者間で不公平感が生じるのは望ましくない」との見解から、第1解答科目の成績を用いる方式に変更を決定し、全国立大へ通知した。公大協も足並みをそろえるものと予測される。

◆私立大のCT参加が過去最高を更新

大学入試センターは、本年3月末までに参加通知のあった私立大について公表した。

(1)新たに参加する私立大(4校5学部)
弘前医療福祉大、浦和大、エリザベド音楽大、純真学園大
(2)新規参加する私立大の学部(4校4学部)
茨城キリスト教大経営、宇都宮共和大子ども生活、聖泉大看護、関西福祉科学大保健医療

なお、敦賀短大、大阪薫英女子短大の2校3学科はCT参加をとりやめるが、私立大と同様、私立短大のCT参加も過去最高となっている。

参考までに私立大の参加状況の推移を下記グラフで示しておく。

 

私立大学:センター試験参加状況の推移

 

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

~AO入試(4):国公立大の選考パターンの特徴~

国公立大のAO入試の選考パターンは多岐にわたり、類型化は簡単にはで きないが、CT利用の観点から区別すれば、(1)CT免除型、(2)CT併用 型に大別できる。近年は後者のCT併用型が漸増傾向にあり、学力把握措置 としてのCT併用が増加している。

また、CT免除・併用のいずれであっても、1段階型か2段階型に区分で きるが、国公立大では圧倒的に2段階型選抜が主流を占める。

以上の2点を念頭において、CT免除型・併用型それぞれについて選考上 の特徴を簡単にご紹介しておこう。

<CT免除型の特徴>

書類、面接(個別、グループディスカッション、課題プレゼンテーション、口述試験など)を基本として、筆記試験(小論文、総合問題、学力検査など)やスクーリング(講義・実験およびレポート作成や課題プレゼンテーションなど)が主要な選考法となっている。

書類・面接型の場合、たいていは口述試験を行い、その結果が合否を大きく左右する。筆記試験では小論文が主流ではあるものの、その他のパターンも相当数にのぼるので選考法の検討には細心の注意を払う必要がある。

また、2段階型の場合、1次でも面接・小論文・学力検査を行うケースもある。1次・2次合せて試験日が2~3日間に及ぶケースもあるので、AO入試の受験負担は決して軽くはない。

国公立大の場合、募集要項の段階で合否判定法の詳細が公表される。その配点・評価法を含めて、生徒の志望適性を綿密に検討することが大切だろう。

<CT併用型の特徴>

センター試験以外の試験は、CT免除型とほぼ同じで多様な選考法が用いられている。ただ、CTの用い方は次の3パターンに分けられる。(1)1次選考で足切り的に用いる(ただし数的にはごく一部)、(2)CT得点と他の得点の総合点で判定、(3)CTを資格試験的に用い、CTで一定得点以上を最終合格者とする、の3パターンである。一般的には(2)のパターンが多いが、医・歯・薬を中心に(3)のパターンも相当数にのぼる。注意すべきはこの(3)で、CTの基準ラインが高い場合、受験学習一本槍でないAO志願者には、その基準を突破するのが難しく、結果として募集人員に満たない合格発表数となるケースも多々ある。(1)と(3)のパターンについては、出願の際十分考慮する必要がある。

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