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AO・推薦入試エクストラ11月25日号

文科省が2014AO入試の実施結果調査を公表(2)国公立大

AO入試情報

◆文科省が2014AO入試実施結果調査を公表(2)国公立大

文科省が公表した2014(平成26)年度の大学入学者選抜実施状況の概要に基づき、今号では国公立大のAO入試実施結果をレポートする。例年大きな変動はないが、2014年度国公立大AO志願者は前年に続いて若干減少している。

<国立大>

■実施大学・学部数
2014年度にAO入試を実施した国立大は46校133学部で、前年より実施校数が1校減少し、学部数は4学部減少した。4学部減は近年では注目すべき減少幅だが、2016年度からは京都大の参入によって、やや好転する見込みだ。
■志願者数
前年より415人(4.2%)減少して、総数は9,372人となった。国立大AOの志願者数が1万人を超えたのは、2008年度・2010年度の2年度のみで、全体としてはほぼ9千人台で推移している。
■合格者数
前年より19人(0.7%)増加して、総数は2,665人となった。平均競争率は3.7→3.5倍へややダウン。前年は合格者の絞り込みが目立ったが、2014年度は志願減にも関わらず、合格者は微増している。ただ、セ試併用型の合格率は依然としてきびしい傾向がある。
■入学者数
合格者が微増したにも関わらず、入学者数は前年より11人減少して、計2,629人となった。全入学者に占めるAO入学者の比率は2.6%で前年と同じであった。

有力総合大の多くがAO入試を実施しないだけに、AO入学者の比率は小さいが、実施校・学部の定員枠は5~10%(医学科10~35%)にのぼる。今後もAO入試には万全の態勢で臨んでほしい。

◆公立大・短大の2014AO入試実施結果の概要

ここでは文科省が公表した2014大学入学者選抜実施状況調査から、公立大・短大のAO入試に関する概要をレポートする。周知のとおり、公立大・短大でのAO実施率はきわめて低いが、第1志望校・学部が実施するケースは、貴重な受験ルートとして活用できる。

<公立大>

■実施大学・学部数
前年と比べ、実施校数は変わらないものの1学部増加して、23校36学部がAO入試を実施した。大学数では27.7%、学部数では20.1%と、実施率は依然として低い。
■志願者数
2013年度の119人(6.0%)の大幅減から今年度は28人(1.5%)の微減だったが、3年連続の減少で、近年は減少の一途を辿っている。
■合格者数
志願減とは逆に合格者数は前年より37人(6.5%)増えて、607人となり、前年同様に志願減→合格増という現象が続いている。平均競争率はここ3年で3.5→3.3→3.0倍とかなり下がっている。ピーク時は2010年度の688人で、それと比較すると少ない状況が続いている。
■入学者数
前年より37人(6.5%)増え、総数は604人となった。その結果、全入学者に占めるAO入学者比率は1.9%→2.0%となり、前年より若干上昇している。

<公立短大>

実施大学・学科数は4校7学科のみでここ3年変わらず、志願者数は112人→97人へ、合格者数は81人→77人へ、入学者数は80人→77人へいずれも減少し、前年度とは対照的な傾向となった。公立短大では、AO入試より推薦入試が主流となっている。

推薦入試情報

◆文科省が2014推薦入試の実施結果調査を公表(2)国公立大

文科省が公表した2014(平成26)年度の大学入学者選抜実施結果の概要に基づき、今号では国公立大の推薦入試の実施状況についてレポートする。実施大学・学部数はさほど変化していないが、国立大は志願者・合格者とも3年連続の微減となっている。

<国立大>

■実施大学・学部数
前年の76校267学部から2学部増え、76校269学部が実施した。学校数では92.7%、学部数では69.3%が実施した。
■志願者数
前年より663人(2.0%)減少して、総数は32,625人となった。2012年度に有力大・学部の新規参加があったにも関わらず、全体の志願者数は下降傾向を辿っている。セ試併用校の増加が一因だろう。
■合格者数
前年より80人(0.6%)減少して、12,275人となったが、平均競争率はここ3年2.7倍で推移している。
■入学者数
前年より99人(0.8%)減少して、総数は12,228人となった。その結果、全入学者に占める推薦入学者の比率は前年の12.3%から0.1ポイント下がって12.2%となっている。

全般的にみて、国立大の推薦入試では近年、セ試併用型が増加傾向にあり、それが志願動向にかなり影響しているとみられるが、まだセ試免除型の方が多く、推薦実施校では推薦入学者の比率が大学・学部により30~50%を占めるケースも多いので、今後とも推薦対策には万全を期す必要がある。

◆公立大・短大の2014推薦入試実施結果の概要

ここでは文科省が公表した2014大学入学者選抜実施結果から、公立大・短大の推薦入試に関する概要をレポートする。周知のとおり、公立大・短大は推薦入学者の比率がかなり高いので、積極的に活用を検討する必要がある。

<公立大>

■実施大学・学部数
実施校は前年より2校増え81校であったが、学部数は前年より1学部増え165学部となった。学校数では全体の97.6%、学部数では92.1%の実施率であった。
■志願者数
前年の174人(1.0%)減から今年度は167人(1.0%)増加して、総数は17,286人となったが、2012年度の最多記録には若干届かなかった。
■合格者数
前年より92人(1.3%)増加して、計7,299人となった。平均競争率はここ3年2.4倍で推移している。
■入学者数
志願増に伴い、前年より87人(1.2%)増えて、総数は7,292人となった。その結果、全入学者に占める推薦入学者の比率は、前年と同じ24.1%であった。公立大入学者のほぼ4分の1が推薦入学者という状況になっている。

<公立短大>

実施大学・学科数は17校40学科で前年より2学科減少したが、実施率は100%(学科93.0%)であった。学科数減少に伴い、志願者数は237人(11.7%)と大幅に減少して1,790人。合格者数は134人(9.9%)減の1,358人。平均競争率は前年の1.4倍から1.3倍へ若干下がった。全入学者に占める推薦入学者の比率も前年の43.2%から41.5%へかなり下がる結果となった。

ニュースフラッシュ

◆平成27年度開設認可の大学・学部等を公表

文科省は本年4月・6月に認可申請のあった大学・学部等の審査結果を公表した。「可」と答申されたものは、(1)大学の開設が3校(幸福の科学学園は不可)、(2)大学の学部設置が17校、(3)短大の学科設置が1校、(4)大学の学科設置が6校であった。

(1)大学を設置するもの‐3校

■湘南医療大学(神奈川県横浜市)
保健医療学部=看護学科80、リハビリテーション学科(理学療法学専攻40・作業療法学専攻40)
■長野保健医療大学(長野県長野市)
保健科学部=リハビリテーション学科(理学療法学専攻40・作業療法学専攻40)
■鳥取看護大学(鳥取県倉吉市)
看護学部=看護学科80

(2)学部を設置するもの‐17校

■跡見学園女子大学
観光コミュニティ学部=観光デザイン学科120、コミュニティデザイン学科80(観光マネジメント学科は募集停止)
■神奈川工科大学
看護学部=看護学科80
■松蔭大学
看護学部=看護学科100
■山梨学院大学
国際リベラルアーツ学部=国際リベラルアーツ学科80
■金城大学
看護学部=看護学科80
■福井工業大学
スポーツ健康科学部=スポーツ健康科学科70
■岐阜聖徳学園大学
看護学部=看護学科80
■日本福祉大学
看護学部=看護学科100
■京都学園大学
健康医療学部=看護学科80、言語聴覚学科30、健康スポーツ学科90(経済・経営・法・人間文化の4学部は募集停止)
■京都光華女子大学
こども教育学部=こども教育学科80(同短大部こども保育学科は募集停止)
■同志社女子大学
看護学部=看護学科80
■龍谷大学
農学部=植物生命科学科80、資源生物科学科120、食品栄養学科80、食料農業システム学科120
■大阪体育大学
教育学部=教育学科小学校教育コース70・保健体育教育コース55(健康福祉学部は募集停止)
■四条畷学園大学
看護学部=看護学科80
■神戸女子大学
看護学部=看護学科80
■武庫川女子大学
看護学部=看護学科80
■中国学園大学
国際教養学部=国際教養学科80

(3)短期大学の学科を設置するもの‐1校

■仙台青葉学院短期大学
栄養学科80

(4)学部の学科を設置するもの‐6校

■日本医療大学
保健医療学部=リハビリテーション学科(理学療法学専攻40・作業療法学専攻40)
■福島学院大学
福祉学部=こども学科40
■創価大学
工学部=共生創造理工学科100(生命情報工・環境共生工の2学科は募集停止、工学部→理工学部へ名称変更)
■名古屋学院大学
スポーツ健康学部=こどもスポーツ教育学科50
■大阪青山大学
健康科学部=看護学科80
■梅花女子大学
看護学部=口腔保健学科70(看護→看護保健学部へ名称変更)

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆推薦入試(8):国公私別・学部系統別実施状況と動向

国公立大で推薦入試を実施する学部系統には、例年、大きな変動はない。それに対し、新増設・学部改組などが活発な私立大では、数年間で実施構図が大きく変化することがある。国公私立それぞれの実施学部の状況を弊社の2015年度に関する独自統計(公募制・昼間部)でみてみよう(複合領域の学部は複数扱い)。

<国立大>

まず推薦入試を全く実施しないのは、北海道大、東北大、東京大、東京芸術大、京都大、京都工芸繊維大、九州大の7校、ごく一部の学部でしか実施しないのは、東京外語大、東京工大、一橋大、大阪大、広島大の5校で計12校。これらの中には推薦入試からAO入試へ全面移行した大学も含まれるが、これら全てが推薦入試を導入しない限り、推薦入試システムそのものが脇役という状況が続くだろう。ただし、2016年度から東京大・京都大の参入でやや状況は変化する。

2015年度に実施したのは82校中の75校で計280学部。文系の実施学部数は、人文科学24(8.6%)、社会科学50(17.8%)で全体の4分の1程度。理系は理学26(9.3%)、工学49(17.5%)、農・水産30(10.7%)、保健・医療45(16.1%)と豊富で全体の5割強を占める。教育・教員養成も46学部(16.4%)と多い。反面、生活科学は3学部、芸術・体育は7学部と少ない。理系志望の受験生にとって、国立大の推薦入試のメリットは大きく、特に医学系は人気が高い。

<公立大>

推薦入試を実施しないのは京都市芸大、九州歯科大の2校で、84校中82校、197学部で実施する。文系の実施学部数は、人文科学19(9.6%)、社会科学53(26.9%)とかなり多い。理系では保健・医療の56学部(28.4%)が群を抜いて多いのが特徴だが、その中心は看護学部で、医・薬学部は国立大よりかなり少ない。理工学は24学部(12.2%)、農・水産系は8学部(4.1%)で、理系の比重は全体の45%程度。国立大と比べると生活科学系16(8.1%)、芸術・体育系14(7.1%)の2分野が比較的にそろっているという特徴がある。ただし、教育系は5学部(3.6%)だけと少ない。

<私立大>

全私立大577校のうち95.1%にあたる549校が公募制を実施し、完全指定校制は首都圏に集中している。公募・指定校制とも実施しないのは3校のみ。公募制の実施学部数は1,675学部と多く、全系統にわたって実施学部が豊富にそろっている。文系では人文科学280(16.7%)、社会科学549(32.8%)で全体のほぼ5割を占める。これに近年増加した教育系169(10.1%)を加えると全体の約6割となり、私立大の実施構図は「文高理低型」となっている。

理系では、この10年ほどで薬・看護・医療系学部が大幅に増え、保健・医療が262学部(15.6%)となり、理工学の145学部(8.7%)を大きく引き離している。農・水産は27学部(1.6%)で国立大より少ない。これら3分野の理系は、全体の26%程度となっている。

その他、私立大では生活科学系106(6.3%)、芸術系74(4.4%)、スポーツ・健康系63(3.8%)の3分野の学部数も豊富で、男女を問わず、推薦入試で多様な受験生を受け入れる基盤が整っている。

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