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AO・推薦入試エクストラ11月10日号

文科省が2014AO入試の実施結果調査を公表(1)私立大・短大

AO入試情報

◆文科省が2014AO入試の実施結果調査を公表(1)私立大・短大

このほど文科省は、2014(平成26)年度の大学入学者選抜実施状況の調査結果を公表した。本メルマガでは、(1)私立大・短大、(2)国公立大・短大の2回に分けてレポートする。今号では私立大・短大のAO入試結果からご紹介しておきたい。

<私立大>

■実施大学・学部数
2014年度にAO入試を実施した私立大は、469校1,153学部で、前年より3校増加したものの、学部数では1学部減少となった。2010年度の464校以降、新設増にもかかわらず、横バイ状態が続いていたが、実施校数そのものは2014年度がピークを迎えている。
■志願者数
前年より2,970人減少して、総数は86,485人となった。前年の5.9%増から3.3%減に転じ、推薦入試へ受験生が流れたようだ。
■合格者数
合格者数は前年より967人減の50,818人。前年初めて5万人の大台に乗ったが、減少率は1.9%の微減で、5万人の大台は維持している。
■入学者数
前年より966人減の48,129人で、前年の大幅増から2.0%減となった。その結果、全体に占めるAO入学者の比率は前年と同じ10.3%となっている。AO入試における平均入学手続率は94.8%→94.7%と若干低下している。

<私立短大>

私立短大全体の募集人員は、2012年度の時点でついに7万人の大台を割り込み、今年度もさらに減少しているが、AO入試による入学者比率は前年の19.8%から21.2%へ上昇し、ついに2割台に到達したことが注目される。

■実施大学・学科数
2014年度にAO入試を実施したのは255校476学科。新規実施校が若干あり、実施校数は前年と同じだが、実施学科数は12学科の大幅減となっている。
■志願者数
前記の実施学科数の減少にも関わらず、志願者数は668人増の14,954人で、前年より4.7%増加し、依然として増加傾向を辿っている。
■合格者数
合格者数は前年より348人増の12,646人で、前年より2.8%増加した。
■入学者数
前年より287人増加して12,349人となり、全入学者に占めるAO入学者の比率は、前年の19.8%から21.2%へ上昇し、史上最高を更新した。私立短大では、AO入学者がついに全体の2割を占める時代が現実のものとなった。今後ともAO対策には十分留意する必要がある。

◆私立大・短大:過去7年のAO志願者数の推移

文部科学省の統計資料に基づいて、私立大・短大それぞれの過去7年のAO志願者数の推移を示すと、下記グラフのとおりとなっている。

私立大・私立短大のAO入試志願者数の推移

 

私立大に関しては、2010年度まで右肩上がりに増加し続けてきたが、2011・12の2か年は減少。2013年度には再び増加に転じ、史上最高の志願者数となったが、2014年度には再び志願者が微減に転じた。9万人台の大台を前に足踏みの観がある。

私立短大の場合、毎年のように学校・学科数は減少しているが、それにも関わらず、AO志願者数は伸び続け、2014年度にはついに1万5千人台に接近している。今日では私立短大志願者の約16%をAO志願者が占める。

推薦入試情報

◆文科省が2014推薦入試の実施結果調査を公表(1)私立大・短大

このほど文科省は、2014(平成26)年度の大学入学者選抜実施状況の調査結果を公表した。本メルマガでは、(1)私立大・短大、(2)国公立大・短大の2回に分けてレポートする。今号では私立大・短大の推薦入試結果(同省の統計は公募・指定校制の合計)からご紹介するが、私立大の推薦入試戦線は、志願増にも関わらず合格者・入学者数とも減少しているというきびしい状況に留意してほしい。

<私立大>

■実施大学・学部数
前年の575校1,634学部から578校1,675学部へ増加。2014年度に学生募集を行った1,692学部のうち、実に99.0%が推薦入試を実施したことになる。
■志願者数
2013年度の17,336人(5.0%)の大幅増に続いて、2014年度も9,704人(2.7%)の増加で、総数は372,363人となった。一般入試志願者も増加しており、大学入試戦線全体がややきびしさを増している。
■合格者数
前年は6,772人(3.0%)の増加だったが、2014年度は一転して2,087人減少して、合格者総数は227,278人となった。平均倍率は1.63倍→1.64倍と2年連続で上昇しており、合格者の絞り込みがきびしくなった観がある。
■入学者数
前年の191,635人から5,306人(2.8%)減少して、入学者総数は186,329人となった。その結果、全入学者に占める推薦入学者の比率は、前年の40.3%から39.7%へ低下し、4割台を切ったことが注目される。

<私立短大>

私立短大全体の募集人員は、相次ぐ募集停止によって減少し続けている。AO入学者比率が史上最高を記録したのとは対照的に、推薦入試では志願者、合格者、入学者数とも大幅な減少が目立った。

■実施大学・学科数
前年に続いて4校、14学科と大幅に減少して、319校612学科が実施した。これまでで最低の実施状況であることは言うまでもない。
■志願者数
前年より2,464人の大幅減で、総数は43,441人となった。減少率は5.4%にのぼり、かつてなく減少幅が大きく、私立短大ではAO入試へ志願者が流れる傾向が鮮明になってきたようだ。
■合格者数
前年より1,963人減少して、総数は38,115人とついに4万人台を割った。平均倍率をみると、前年の1.15倍から1.14倍へ若干低下している。
■入学者数
前年より1,967人減少して、推薦入学者は35,675人となった。その結果、全入学者に占める推薦入学者の比率は、前年の61.9%から61.3%へ下がった。ただ、6割台を維持している点は、今後の進路指導で十分留意しておかねばならないだろう。

◆私立大・短大:過去7年の推薦志願者・合格者数の推移

文部科学省の統計資料に基づいて、推薦入試(指定校制含む)の過去7年の志願・合格者数の推移を示すと、下記グラフのとおりとなっている。

 

私立大・私立短大の推薦志願者数・合格者の推移

 

私立大に関しては2008年度に34万人を下回り、その他の年度はほぼ34~35万人台で推移していたが、2013年度は大幅増の36.3万人となり、さらに2014年度には過去最高の37.2万人へと増加している。近年にない2年連続の大幅増で、この現象には十分留意しておく必要がありそうだ。

一方、私立短大の場合、年々学校数が減少しており、2012年度まで減少の一途を辿ってきており、2013年度に初めて志願減に歯止めがかかったものの、2014年度には過去最低の水準に落ち込んでいる。ただし、私立短大では、AO・推薦入試対策がきわめて重要であることに変わりはない。

ニュースフラッシュ

◆文科省が2014一般入試の実施結果調査を公表

このほど文科省が公表した2014年度一般入試の実施結果調査によると、前年に続いて国立大のみ志願減だったのに対して、公立大はやや増、私立大は大幅に増加した。私立大では、推薦入試の志願者も増加しており、入試戦線の活発化が目立っている。国公私立別に一般入試の概要をご紹介する。

■国立大学
入学志願者数は前年より7,811人減の351,457人で、前年比2.2%の減少であった。平均志願倍率は前年の4.4倍から4.3倍へ低下。実際の受験者数は約9千人減の256,739人。合格者数は107人微減の92,529人で、競争率は前年の2.9倍から2.8倍へ若干下がっている。入学者数は84,438人で、前年より159人増加し、2年連続増加している。全体では3,490人の定員超過であった。
■公立大学
入学志願者数は前年より2,895人増加して137,875人となった。平均志願倍率は前年の6.6倍から6.7倍へ若干上昇して、2年連続できびしさを増している。ただ、受験者数は前年より若干減少して97,069人となり、依然として10万人の大台を割り込んだままだ。合格者数は若干減の29,714人。競争率はこの3年間3.3倍で推移している。入学者数は若干増えて22,109人となり、全体では1,421人の定員超過となった。
■私立大学
募集人員が前年に続いて大幅に増え、志願者数は2013年度に約18万人、2014年度に約6万人と大幅に増え、総数が3,027,989人と300万人台に乗った。平均志願倍率も11.7倍→11.8倍と若干上昇している。実際の受験者数は約5万人の増加となり、2,899,846人となった。注目されるのは合格者数で、前年の約2万4千人(2.9%)に続いて今年度は実に約5万1千人もの増加で、913,620人となった。そのため、競争率は3.3倍→3.2倍と若干低下している。一般入試による入学者比率は48.9%→49.6%とかなり上昇した。また、全体では18,181人の定員割れとなっている。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

AO入試(8):重要提出書類に関わる進路指導の必須ポイント

例年、AO出願に際しては、先生方は提出書類の作成指導にご苦労されていると思うが、AO入試では提出書類の内容と質が合否を大きく左右するだけに、その作成には細心の注意を払う必要がある。ここでは各重要書類の特徴と注意点を今一度整理して、進路指導における必須ポイントを確認しておこう。

(1)エントリーシート
事前対話型をはじめ各種のAO入試における重要書類で、受験生の特性や高校生活の概要を幅広い観点から把握する構成になっている。面談・面接時の基礎資料ともなるものなので、正確に記入されているか、記入漏れはないか、十分注意すると同時に、志望理由や自己PRの記載内容が適切か十分チェックする必要がある。
(2)志願理由書
書類+面接型、書類+小論文・面接型、2段階選抜型など、AO入試の主流選考パターンで、重要な提出書類の1つ。当該大学への志願理由が、高校時代の学習や活動をもとにして、大学での学びや人間形成への希望・目的ときっちり結びつけて表現されているか、十分に検証する必要がある。
(3)自己推薦書
どの選考パターンであれ、出願者が自己をどのようにみつめ、当該大学(学部・学科)とのマッチングをどのように考えているかを把握するための資料となる。志願理由書と合せて提出させるケースでは、志願理由書の内容との重複を避けるよう指導しておきたい。
(4)活動報告書
国公立大でもこの提出書類を求める大学は少なくない。多様な個性・特質・キャリアを備えた人材群を確保しようとする大学では、部活動、特別活動(生徒会・学級・文化祭・体育祭など)、取得資格、学習・研究活動などの状況や実績が重視される。諸活動への取組みやそこから得たものが大学生活とどのように結びつくのか、的確に表現されていると共に、客観的な証明資料を時系列できちんと添付することが望ましい。
(5)志願者評価書
国公立大や上位私大群の一部で提出を求めるケースがある。高校側が作成するものの1つで、高校側が出願者の能力、特性などをどう評価し、当該大学とのマッチングや将来的な可能性をどう判断しているかを把握する資料となる。評価のポイントを簡潔かつ明快に表記する必要がある。

(注)上記の書類群とは性質が異なるが、事前対話型では面談期間中に、その他では出願時に特定の課題・テーマに関する小論文やレポートを提出させるケースがAO入試では相当数にのぼり、AO入試の大きな特徴の1つとなっている。必要な資料や情報を適切に収集して、大学生となるのに欠かせない資質を備えていることを十分大学側にアピールする必要があり、適切な助言が必要になる。

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