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AO・推薦入試エクストラ9月25日号

私立大:2013AO入試全国統計レポート(2)

AO入試情報

◆私立大:2013AO入試全国統計レポート(2)

弊社が毎年実施している統計の中から、今号では2013AO入試の出願資格に関するデータをご紹介する。

まず、専願区分だが、専願制で実施するのは383校で全体の79.3%と約8割を占める。併願制は84校、専願・併願の2区分制は3校、特に定めないのは13校となっている。全般的には専願制が主流なので、AO入試の場合も志望校の選択には慎重を期す必要がある。

次に成績基準をみると、次のようになっている。

設定なし 複数条件の1つ 必須条件
432校(84.0%)9校(1.8%)73校(14.2%)

推薦入試と比べ、出願に成績基準を設けないケースがだんぜん主流を占め、推薦入試の基準を満たせない受験生がAO入試へ流れる大きな要因になっている。この傾向は、特に関東地区で目立っている。

また、取得資格・活動実績に関する条件の設定は、次のとおりとなっている。

設定なし 複数条件の1つ 必須条件
388校(63.5%)105校(17.2%)118校(19.3%)

成績基準と比べると、複数条件の1つ、必須条件を含めて4割近くが設定しており、AO入試の大きな特徴の1つとなっている。充実した高校生活を送っている受験生ならば、学習成績の水準をさほど気にせず、活用できるのがAO入試にほかならない。

ただし、上位私立大群では、学習成績、資格・活動実績の水準とも、優れている受験生であることが不可欠だろう。AO枠の小さい上位私立大では、出願要件を慎重に検討しなければならない。

◆私立大:地区別2013出願条件の設定状況

2013AO入試の出願条件に関する地区別統計をご紹介する。各地区の特徴を十分把握しておいてほしい。

<専願区分>
  北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州
専願制36校123校66校88校35校39校
併願制5校41校13校17校2校6校
専・併0校2校0校1校0校0校
定めず1校6校2校4校0校0校

関東地区でも併願制は多い。推薦では併願制が主流の中部・近畿・中四国も、AO入試は専願制主流なので要注意。

<成績基準>
  北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州
設定なし27校158校73校89校36校39校
複数条件の1つ0校6校0校1校1校1校
必須条件5校24校10校23校5校6校

成績基準を設けるケースは、関東・近畿地区に目立つ。

<資格・活動実績>
  北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州
設定なし27校143校65校90校34校29校
複数条件の1つ11校42校12校23校4校13校
必須条件6校43校12校37校4校16校

必須条件としての設定率が最も高いのは近畿地区で24.7%にのぼる。次いで関東地区の18.9%が高い。

推薦入試情報

◆私立大:2013公募推薦入試全国統計レポート(1)

弊社では、毎年、公募推薦入試に関する諸統計をまとめている。今号では、地区別実施学部数の詳細をご紹介する(全国集計は弊社「推薦入学年鑑」の解説ページに掲載。複合学部は複数扱いで集計)。

<地区別公募推薦実施学部数> *ユニーク推薦含む
  北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州
人文科学1710038762121
社会科学49190961323745
教育95624342111
理工115719291417
農・水産2182411
保健・医療227937602122
生活(栄養)113016251311
芸術625112365
体育(健康)518131753
(計)132573256400139136

全学部系統にわたって実施学部の層が厚いのはやはり関東地区、次いで近畿・中部の2地区だろう。全地区とも人文・社会科学、保健・医療系は豊富にそろっているが、その他の分野については地区によってかなり格差があるので注意する必要がある。

特に実施学部数が10校未満の系統の志願動向には十分注意する必要があるが、就職実績や資格志向の目立つ分野、例えば教育系、保健・医療系、管理栄養系などの志願動向にも注意を払いたい。

◆私立大:2013地区別一般推薦の成績基準の設定状況

私立大一般推薦の成績基準の設定状況は、地区によって大きな差異があるので、十分留意してほしい(全国集計は弊社の「推薦入学年鑑」の解説ページに掲載)。

 

私立大一般推薦の成績基準

 

上記の表から分かるとおり、成績基準の設定が最もきびしいのは関東地区、次いで北海道・東北地区。反対に基準設定が緩やかな地区としては近畿があげられ、基準を設けないケースが76.5%を占める。また、学力把握措置の強化に伴って、本年度は基準撤廃のケースが減少し、3.0~3.4のゾーンの設定が増えている。

ニュースフラッシュ

◆日本私立学校振興・共済事業団が24年度入学志願動向を公表

このほど日本私立学校振興・共済事業団が、24年度の私立大入学志願動向のまとめを公表した。集計学校数は577校で、株式会社が設立する大学は除外されているが、全体の動向を知るデータとしてはきわめて有益なものなので、その概要をご紹介する(同事業団の統計は全入試の合計)。

  24年度 23年度 増減
集計学校数577校572校+5校
入学定員455,790人452,997人+2,793人
志願者数3,198,325人3,210,052人-11,727人
受験者数3,074,755人3,091,333人-16,578人
合格者数1,117,800人1,079,546人+38,254人
入学者数474,892人481,959人-7,067人

入学定員と合格者数が増加し、志願者数・受験者数は減少している状況なので、全体に入学難易が易化の方向にあることは明白だろう。前年度と比較して、志願倍率は7.09→7.02倍とダウンしたのに対し、合格率の方は34.92→36.35%とアップ。規模別の志願倍率では、入学定員3,000人以上が11.37倍と群を抜き、大都市圏の総合大人気が根強い。学部系統別の志願倍率では、医学系の23.90倍が群を抜き、次いで農学系の10.42倍が高い。

最も注目されるのは入学定員の充足率で、前年度の106.39%から本年度は104.19%と2.2ポイント下がった。未充足の大学が41校増加して264校となり、大学全体に占める未充足校の割合は45.8%へ増加している。

要注意なのは、定員充足率が70%を下回っているケースだが、充足率60%台が36校、50%台が20校、50%未満が18校と相当数にのぼるので、生徒の進路指導に際しては進学志望校の経営状況を十分踏まえる必要がある。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆推薦入試(6):私立大の選考パターンの特徴

私立大の推薦入試における選考方法については、学部系統や地区によってかなり差異があることを十分踏まえて、生徒の指導に当たることが大切だろう。芸術系・体育系では当然ながら実技試験や活動実績の比重が高くなることは言うまでもなく、ここでは芸術・体育系を除く一般学部の選考法の概要について考察しておこう。大別すると、次の6パターンに分類できる。

(1)書類・面接型

一定の成績基準を定めている一般・ユニーク推薦で比較的に目立つパターン。また、地方圏の中堅私立大群でもこのパターンが多い。推薦入試の中では最もシンプルな選考法で、近年斬増傾向にある。

(2)書類・面接・小論文型

全国的にみて推薦入試の最も標準的な選考法。評価法を公表する私立大の約9割が小論文を点数化して重視している。

(3)書類・学科試験型

面接を実施せず、基礎学力試験の結果を中心に選考するタイプで、成績基準を設定していないケースが多く、近畿地区の主流パターン。

(4)書類・小論文型

パターン(3)の変型で、学科試験の代わりに小論文を実施し、比較的に中部地区に目立つ。

(5)書類・面接・学科試験型

保健・医療系や一部の理工系・教育系・管理栄養系がこのパターンを導入しており、大都市圏の有名私立大で目立っている。

(6)書類・面接・小論文・学科試験型

医学系で目立ち受験負担が最も重いパターン。

弊社の調査で、2013一般推薦で面接を課すのは、全体の78.8%で、最も実施率が低いのは近畿地区の49.3%となっている。同様に学科試験を課すのは、全国平均では38.5%だが、近畿地区では66.7%にのぼる。

各地区における学科試験の実施状況、調査書・面接・小論文の評価方法等の詳細は本メールマガジンで今後順次レポートするので参照してほしい。

推薦入試における主要選考要因は、調査書(提出書類の充実度も重要)、面接、小論文、基礎学力試験の4つ。東日本では面接・小論文が主流を占め、西日本では学力検査が重く用いられる傾向が強いが、大学によって選考法は多様である。生徒の個性、能力、資質等に応じて、適切な志望校選択を助言してほしい。

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