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AO・推薦入試エクストラ11月10日号

文科省が2015AO入試の実施結果調査を公表(1)私立大・短大

AO入試情報

◆文科省が2015AO入試の実施結果調査を公表(1)私立大・短大

このほど文科省は、2015(平成27)年度の大学入学者選抜実施状況の調査結果を公表した。本メルマガでは、(1)私立大・短大、(2)国公立大・短大の2回に分けてレポートする。今号では私立大・短大のAO入試結果からご紹介しておきたい。

<私立大>

■実施大学・学部数
2015年度にAO入試を実施した私立大は、464校1,158学部で、前年より学校数は5校減少したものの、学部数では5学部増加となった。2010年度の464校と同水準に戻り、新設増にもかかわらず、横バイ状態が続いている。実施校数そのものは2014年度が469校でピークだった。
■志願者数
前年より2,054人の増加で、総数は88,539人となった。前年の3.3%減から2.4%増加したものの、9万人の大台にはまだ至っていない。
■合格者数
合格者数は前年より2,053人増の52,871人。2013年度に初めて5万人の大台に乗った後、5万人の大台を維持している。
■入学者数
前年より2,014人増の50,143人で、AO発足から初めて5万人台に乗った。その結果、全体に占めるAO入学者の比率は前年より0.2ポイント上昇して、10.5%となっている。AO入試における平均入学手続率は94.7%→94.8%と若干上昇した。

<私立短大>

私立短大全体の募集人員は、2012年度の時点でついに7万人の大台を割り込み、今年度は6万2千人程度になっているが、AO入試による入学者比率は前年の21.2%から21.9%となり、上昇の一途を辿っている。

■実施大学・学科数
2015年度にAO入試を実施したのは258校475学科。新規実施校が若干あり、実施校数は増加したが、実施学科数は1学科の減少となっている。
■志願者数
実施学科数の減少にも関わらず、志願者数は微増の15,037人で、初めて1万5千人台に乗っている。
■合格者数
合格者数は前年より237人増の12,883人で、前年より1.9%増加した。
■入学者数
前年より244人増加して12,593人となり、全入学者に占めるAO入学者の比率は、前年の21.2%から21.9%へ上昇し、史上最高を更新した。私立短大では、AO入学者が全体の2割を超える時代が現実化しており、今後ともAO対策には十分留意する必要がある。

◆私立大・短大:過去7年(2009~2015)のAO志願者数の推移

文部科学省の統計資料に基づいて、私立大・短大それぞれの過去7年(2009~2015)のAO志願者数の推移を示すと、下記グラフのとおりとなっている。

私立大・私立短大のAO入試志願者数の推移

 

私立大に関しては、2010年度まで右肩上がりに増加し続けてきたが、2011・12の2か年は減少。2013年度には再び増加に転じ、史上最高の志願者数となったが、2014年度には再び志願者が微減に転じて、2015年度には微増になったが、9万人台の大台を前に足踏みの観がある。

私立短大の場合、ほぼ毎年のように学校・学科数は減少しているが、それにも関わらず、AO志願者数は伸び続け、2015年度にはついに1万5千人台に到達している。今日では私立短大志願者の約17%をAO志願者が占める。

推薦入試情報

◆文科省が2015推薦入試の実施結果調査を公表(1)私立大・短大

このほど文科省は、2015(平成27)年度の大学入学者選抜実施状況の調査結果を公表した。本メルマガでは、(1)私立大・短大、(2)国公立大・短大の2回に分けてレポートする。今号では私立大・短大の推薦入試結果(同省の統計は公募・指定校制の合計)からご紹介する。

<私立大>

■実施大学・学部数
実施校数は前年と同じ578校だが、実施学部数は10学部増加して1,685学部。2015年度に学生募集を行った1,697学部のうち、実に99.3%が推薦入試を実施したことになる。
■志願者数
2013・14の増加に続いて、2015年度は実に27,561人(7.4%)もの増加で、総数は399,924人となった。前年同様に一般入試志願者も増加しており、私大入試戦線全体がややきびしさを増している。
■合格者数
2014年度は2,087人の減少だったが、2015年度の合格者総数は1万人近く増え237,105人となった。平均倍率は1.64倍→1.69倍と3年連続で上昇しており、若干きびしくなった観がある。
■入学者数
前年より5,219人増え、入学者総数は191,548人となった。その結果、全入学者に占める推薦入学者の比率は、40.1%となり、再び4割台に戻ったことが注目される。

<私立短大>

私立短大全体の募集人員は、相次ぐ募集停止によって減少し続けている。AO入学者比率が史上最高を記録したのとは対照的に、推薦入試では志願者、合格者、入学者数とも小幅な減少となった。

■実施大学・学科数
前年に続いて4校、13学科と大幅に減少して、315校599学科が実施した。これまでで最低の実施状況であることは言うまでもない。
■志願者数
前年より599人減少し、総数は42,882人となった。減少率は1.3%と小さかったが、私立短大ではAO入試へ志願者が流れる傾向が鮮明になっている。
■合格者数
前年より29人減少して、総数は38,086人となった。平均倍率をみると、前年の1.14倍から1.13倍へさらに低下している。
■入学者数
前年より14人減少して、推薦入学者は35,661人となったが、全入学者に占める推薦入学者の比率は、前年の61.3%から62.1%へやや上昇した。依然として、6割台を維持している点は、今後の進路指導で十分留意しておく必要がある。

◆私立大・短大:過去7年の推薦志願者・合格者数の推移

文部科学省の統計資料に基づいて、推薦入試(指定校制含む)の過去7年(2009~2015)の志願・合格者数の推移を示すと、下記グラフのとおりとなっている。

 

私立大・私立短大の推薦志願者数・合格者の推移

 

私立大に関しては2008年度に34万人を下回り、その他の年度はほぼ34~35万人台で推移していたが、2013・14年度は大幅増となり、さらに2015年度には過去最高の399,924人へと増加し、40万人台へ接近している。近年にない3年連続の大幅増で、この現象には十分留意しておく必要がありそうだ。

一方、私立短大の場合、年々学校数が減少しており、2012年度まで減少の一途を辿ってきており、2013年度に初めて志願減に歯止めがかかったものの、2015年度には過去最低の水準に落ち込んでいる。ただし、私立短大では、AO・推薦入試対策がきわめて重要であることに変わりはない。

ニュースフラッシュ

◆文科省が2015一般入試の実施結果調査を公表

このほど文科省が公表した2015年度一般入試の実施結果調査によると、前年に続いて国立大は志願減、公立大は一転して志願減、私立大はやや増加した。私立大では、推薦入試の志願者も増加しており、入試戦線の活発化が目立っている。国公私立別に一般入試の結果概要をご紹介する。

■国立大学
入学志願者数は前年より6,418人減の345,039人で、前年比1.8%の減少であった。平均志願倍率は前年と同じ4.3倍。実際の受験者数は6,554人減の250,185人。合格者数は283人増の92,812人で、競争率は前年の2.8倍から2.7倍へ若干下がっている。入学者数は84,308人で、前年より130人減少し、2年連続増加から減少へ変化している。全体では3,402人の定員超過であった。
■公立大学
入学志願者数は前年より4,528人減少して133,347人となった。平均志願倍率は前年の6.7倍から6.4倍へやや低下して、若干緩和傾向が出てきた観がある。受験者数も前年より減少して93,598人となり、かつてない低水準になっている。合格者数は若干増の30,125人。競争率は過去3年間3.3倍で推移していたが、3.1倍へダウンした。入学者数は若干増えて22,494人となり、全体では1,535人の定員超過となった。
■私立大学
募集人員が前年に続いて大幅に増え、3年連続の志願増で、総数が3,051,817人と300万人台に乗った前年以降も勢いは衰えていない。平均志願倍率は募集人員増のため前年と同じ11.7倍であった。実際の受験者数は約2万人の増加となり、2,920,297人となった。注目されるのは合格者数で、2013年度の約2万4千人(2.9%)、2014年度の約5万1千人に続いて約3万5千人もの増加で、949,144人となった。そのため、競争率は3.3倍→3.2倍→3.1倍と若干低下傾向が続いている。一般入試による入学者比率は49.6%から49.0%とかなり低下した。また、全体では25,820人の定員割れとなっている。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

AO入試(8):重要提出書類に関わる進路指導の必須ポイント

例年、AO出願に際しては、先生方は提出書類の作成指導にご苦労されていると思うが、AO入試では提出書類の内容と質が合否を大きく左右するだけに、その作成には細心の注意を払う必要がある。ここでは各重要書類の特徴と注意点を今一度整理して、進路指導における必須ポイントを確認しておこう。

(1)エントリーシート
事前対話型をはじめ各種のAO入試における重要書類で、受験生の特性や高校生活の概要を幅広い観点から把握する構成になっている。面談・面接時の基礎資料ともなるものなので、正確に記入されているか、記入漏れはないか、十分注意すると同時に、志望理由や自己PRの記載内容が適切か十分チェックする必要がある。
(2)志願理由書
書類+面接型、書類+小論文・面接型、2段階選抜型など、AO入試の主流選考パターンで、重要な提出書類の1つ。当該大学への志願理由が、高校時代の学習や活動をもとにして、大学での学びや人間形成への希望・目的ときっちり結びつけて表現されているか、十分に検証する必要がある。
(3)自己推薦書
どの選考パターンであれ、出願者が自己をどのようにみつめ、当該大学(学部・学科)とのマッチングをどのように考えているかを把握するための資料となる。志願理由書と合せて提出させるケースでは、志願理由書の内容との重複を避けるよう指導しておきたい。
(4)活動報告書
国公立大でもこの提出書類を求める大学は少なくない。多様な個性・特質・キャリアを備えた人材群を確保しようとする大学では、部活動、特別活動(生徒会・学級・文化祭・体育祭など)、取得資格、学習・研究活動などの状況や実績が重視される。諸活動への取組みやそこから得たものが大学生活とどのように結びつくのか、的確に表現されていると共に、客観的な証明資料を時系列できちんと添付することが望ましい。
(5)志願者評価書
国公立大や上位私大群の一部で提出を求めるケースがある。高校側が作成するものの1つで、高校側が出願者の能力、特性などをどう評価し、当該大学とのマッチングや将来的な可能性をどう判断しているかを把握する資料となる。評価のポイントを簡潔かつ明快に表記する必要がある。

(注)上記の書類群とは性質が異なるが、事前対話型では面談期間中に、その他では出願時に特定の課題・テーマに関する小論文やレポートを提出させるケースがAO入試では相当数にのぼり、AO入試の大きな特徴の1つとなっている。必要な資料や情報を適切に収集して、大学生となるのに欠かせない資質を備えていることを十分大学側にアピールする必要があり、適切な助言が必要になる。

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