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AO・推薦入試エクストラ11月10日号

文科省が2012AO入試実施状況の概要を公表(1)私立大

AO入試情報

◆文科省が2012AO入試実施状況の概要を公表(1)私立大

このほど文科省は、2012(平成24)年度の大学入学者選抜実施状況の概要を公表した。本メルマガでは、(1)私立大・短大、(2)国公立大・短大の2回に分けてレポートする。ここでは、まず私立大のAO入試結果からご紹介しておきたい。

■実施大学・学部数
2012年度にAO入試を実施した私立大は、460校1,112学部で、前年より3校4学部減少した。史上最多となった2010年度の464校以降、新設増にもかかわらず、若干減少する傾向をたどっている。
■志願者数
前年より1,334人減少して、総数は84,503人となった。ただ減少幅は1.6%と小さく、総体的に見て受験生の間でAO離れが進んでいるとは考えられないだろう。
■合格者数
合格者数は前年より1,329人減の49,656人。前年より2.6%減で、やや志願者の減少率を上回っており、合格者を絞り込む傾向が若干出ていることに留意したい。
■入学者数
前年より1,444人減の47,210人で、ここ数年で最も減少が大きく、3.0%減となった。その結果、全体に占めるAO入学者の比率は前年の10.5%から10.2%へ下がっている。AO入試における専願制はさほどきびしくなく、併願制も相当数にのぼることから、AO入試における入学手続率が若干低下しているようだ。

◆文科省の私立短大2012AO入試実施状況の概要

私立短大全体の募集人員は、2012年度の時点でついに7万人の大台を割り込んで68,287人となったが、AO入試による入学者比率は19.4%へ上昇していることが注目される。

■実施大学・学科数
2012年度にAO入試を実施したのは258校498学科。前年より6校17校の減少となった。その大半は、募集停止による減少である。
■志願者数
前記の短大数の減少にも関わらず、志願者数はわずか153人減の13,839人で、前年とほぼ同水準を維持した。
■合格者数
合格者数は前年より513人減の11,935人で、前年より4.1%のやや大幅な減少となった。私立短大でも合格者の絞り込みがそれなりに進行している点は要注意だろう。
■入学者数
前年より491人減少して11,673人となったが、全入学者に占めるAO入学者の比率は、前年の18.9%から19.4%へ上昇し、史上最高を記録した。私立短大では、AO入学者が全体の2割を占める時代が目前に迫りつつある。今後ともAO対策には十分留意する必要がある。

推薦入試情報

◆文科省が2012推薦入試実施状況の概要を公表(1)私立大

このほど文科省は、2012(平成24)年度の大学入学者選抜実施状況の概要を公表した。本メルマガでは、(1)私立大・短大、(2)国公立大・短大の2回に分けてレポートする。ここではまず私立大の推薦入試結果(同省の統計は公募・指定校の合計)からご紹介しておきたい。

■実施大学・学部数
前年の571校1,596学部から573校1,605学部へ増加。2012年度に学生募集を行った1,634学部のうち、実に98.2%が推薦入試を実施したことになる。
■志願者数
前年より5,755人減少して、総数は345,323人となったが、減少幅は1.6%の微減であった。AO志願者も減少しており、一般入試へ流れる傾向が目立った。
■合格者数
前記志願減に対して、合格者数はわずか415人(0.2%)減の222,593人とほぼ前年並み。平均倍率も1.57倍→1.55倍とほとんど変化していない。試験開始期が11月以降であるため、定員確保を優先したい事情がある。
■入学者数
前年の190,929人から3,568人(1.9%)減少して、187,361人となり、入学手続率の低下が目立っている。その結果、全入学者に占める推薦入学者の比率は、前年の40.7%から40.3%とかなり低下し、ここ数年で最も低い数値となっている。

◆文科省が私立短大2012推薦入試実施状況の概要を公表

私立短大全体の募集人員は、相次ぐ募集停止によって減少し続けているが、2012年度はAO入学者比率が史上最高を記録したのと共に、推薦入学者比率が若干ながら上昇に転じたことも注目される。

■実施大学・学科数
前年より8校、31学科と大幅に減少して、329校641学科が実施した。これまでで最低の実施状況であることは言うまでもない。
■志願者数
前年より2,696人(5.6%)減少して、総数は45,841人となった。前記実施校・学科の減少を考慮すると、比較的に志願者の落ち込みは小さかったといえる。
■合格者数
前年より2,457人(5.8%)減少して、総数は39,952人となった。平均倍率をみると、前年が1.14倍、2012年度が1.15倍で若干上昇している点が注目される。
■入学者数
前年より2,326人(5.9%)減少して、推薦入学者は37,394人となった。ところが、全入学者に占める推薦入学者の比率は、62.1%となり、前年の61.9%を上回った。ここ数年で初めて上昇に転じたことは、今後の進路指導で十分留意しておく必要がありそうだ。

ニュースフラッシュ

◆文科省が2012一般入試の実施状況の概要を公表

このほど文科省が公表した一般入試の実施状況の概要によると、国立・公立大ともに志願減だったのに対して、私立大一般入試の志願者は微増となった。私立大では、AO・推薦の志願者が減少し、一般志向が強まったとみられる。国公私立別に一般入試の概要をご紹介する。

■国立大学
入学志願者数は前年より2,886人減の367,665人で、前年比0.8%の微減であった。平均志願倍率は前年と同じ4.6倍。実際の受験者数は約2万人減の269,331人。合格者数は約2千人減の91,670人で、競争率は前年の3.1倍から2.9倍へ下がった。入学者数は84,097人で、前年より533人減少。全体では3,427人の定員超過であった。
■公立大学
入学志願者数は前年より5千人近く減少して133,534人となった。平均志願倍率は前年の6.8倍から6.5倍へ低下。受験者数は7,407人の大幅減で97,186人と10万人台を割り込んだが、合格者数は若干減の29,478人。競争率は前年の3.6倍から3.3倍へ下がった。入学者数は若干増えて21,815人となり、全体では1,359人の定員超過となった。
■私立大学
募集人員が前年より約3千人増え、志願者数は11,560人(0.4%)増の2,787,414人となったが、平均志願倍率は定員増のため11.3倍→11.2倍と若干下がった。実際の受験者数は2千人弱の増加にとどまり2,667,381人となった。注目されるのは合格者数で、前年より約4万5千人(5.6%)増えて、838,090人となった。そのため、競争率自体は3.4倍→3.2倍と低下している。また、全体では21,633人の定員割れとなっている。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆AO入試(8):重要提出書類と進路指導のチェックポイント

例年、AO出願に際しては、先生方は提出書類の指導にご苦労されていると思うが、AO入試では提出書類の内容と質が合否を大きく左右するだけに、その作成には細心の注意を払う必要がある。ここでは各重要書類の特徴と注意点を今一度整理して、進路指導側のチェックポイントを確認しておこう。

(1)エントリーシート
事前対話型における最重要書類で、受験生の特性や高校生活の概要を幅広い観点から把握する構成になっている。面談時の基礎資料ともなるものなので、正確に記入されているか、記入漏れはないか、十分注意すると同時に、志望理由や自己PRの記載内容が適切か十分チェックする必要がある。
(2)志願理由書
書類+面接型、書類+小論文・面接型、2段階選抜型など、AO入試の主流選考パターンで、重要な提出書類の1つ。当該大学への志願理由が、高校時代の学習や活動をもとにして、大学での学びや人間形成への希望・目的ときっちり結びつけて表現されているか、十分に検証する必要がある。
(3)自己推薦書
どの選考パターンであれ、出願者が自己をどのようにみつめ、当該大学(学部・学科)とのマッチングをどのように考えているかを把握するための資料となる。志願理由書と合せて提出させるケースでは、志願理由書の内容との重複を避けるよう指導しておきたい。
(4)活動報告書
国公立大でもこの提出書類を求める大学は少なくない。多様な個性・特質・キャリアを備えた人材群を確保しようとする大学では、部活動、特別活動(生徒会・学級・文化祭・体育祭など)、取得資格、学習・研究活動などの状況や実績が重視される。諸活動への取組みやそこから得たものが大学生活とどのように結びつくのか、的確に表現されていると共に、客観的な証明資料をきちんと添付することが望ましい。
(5)志願者評価書
国公立大や上位私大群の一部で提出を求めるケースがある。高校側が作成するものの1つで、高校側が出願者の能力、特性などをどう評価し、当該大学とのマッチングをどう判断しているかを把握する資料となる。評価のポイントを簡潔かつ明快に表記する必要がある。

(注)上記の書類群とは性質が異なるが、事前対話型では面談期間中に、その他では出願時に特定の課題・テーマに関する小論文やレポートを提出させるケースがAO入試では相当数にのぼり、AO入試の大きな特徴の1つとなっている。必要な資料や情報を適切に収集して、大学生となるのに欠かせない資質を備えていることを十分大学側にアピールする必要があり、適切な助言が必要になる。

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