1. エイビ進学ナビTOP
  2. AO・推薦入試エクストラ(エイビ教育ニュースフラッシュ)
  3. >10月10日号

総合型・推薦型選抜エクストラ10月10日号

2026学校推薦型選抜出願時の必須チェック事項

総合型選抜情報

◆私立大:2026総合型選抜の全国統計レポート(3)

私立大2026総合型選抜における選考パターン・提出課題に関する弊社の統計レポートをお届けする(比率は少数第2位を四捨五入。ただし計は100%に調整)。

<選考パターン:全国> (大学数) (比率)
事前対話型 49校 4.5%
授業参加型 116校 10.7%
書類・面接型 313校 28.9%
書類・学科試験・面接型 191校 17.7%
書類・小論文・面接型 224校 20.7%
2段階型 133校 12.3%
書類・実技型 56校 5.2%
(計) 1,082校 100%

(注)学部・学科により複数カウント。面談・面接にはプレゼンテーション・口頭試問等を含む


総合型選抜の選考形態は多岐にわたっている。近年はオーソドックスな書類・面接型がやや増加傾向にあるが、書類・小論文・面接型に次いで、書類・学科試験・面接型や2段階型も多く、独自の授業参加型も全体の1割強を占めている。私立短大では事前対話型が主流を占めるが、私立大では全体の4.5%と少なく、基礎学力の向上は言うまでもなく、プレゼンテーション・口頭試問対策をしっかりと行う必要がある。

<提出課題:全国> 大学数(比率)
提出あり 240校(43.0%)
提出なし 318校(57.0%)
(計) 558校

総合型選抜では、選考形態の多様さと同時に、出願時に一定の課題を提出させるケースが全体の43.0%を占める。課題は一般的に小論文、レポート、作文などが主流だが、特に書類・面接型、2段階型、授業参加型、事前対話型などでの提出が目立っている。調査書、活動報告書などの出願書類と同等の重みを持つので、課題の作成には十分時間を割いて準備したい。

◆私立大:2026総合型選抜の地区別選考パターン・提出課題の状況

ここでは2026総合型選抜の選考パターン・提出課題に関する地区別の弊社統計をご紹介する。各地区の特徴を十分把握しておいてほしい。

<選考パターン:地区別>
北海道
・東北
関東 中部 近畿 中国・
四国
九州 全国
事前対話型 4 10 7 17 4 7 49
授業参加型 10 32 23 36 10 5 116
書類・面接型 30 115 54 64 25 25 313
書類・学科試験・面接型 8 79 32 45 13 14 191
書類・小論文・面接型 25 85 40 37 13 24 224
2段階型 5 67 16 32 5 8 133
書類・実技型 3 21 8 16 3 5 56
(計) 85 409 180 247 73 88 1,082

(注)学部・学科により複数カウント。事前面談・面接にはプレゼンテーション・口頭試問等を含む


関東地区と近畿地区における上位3つの選考形態をみると、関東地区=(1)書類・面接型、(2)書類・小論文・面接型、(3)書類・学科試験・面接型、近畿地区=(1)書類・面接型、(2)書類・学科試験・面接型、(3)書類・小論文・面接型という状況になる。特に近畿地区は授業参加型の割合が全国の中でも際立っている。その他の地区では全形態とも幅広く実施されているが、今年度では書類・学科試験・面接型がやや増加しているので留意してもらいたい。

<提出課題:地区別>
北海道
・東北
関東 中部 近畿 中国・
四国
九州 全国
提出あり 20(35.7) 99(49.5) 35(39.3) 54(45.8) 14(33.3) 18(34.0) 240(43.0)
提出なし 36(64.3) 101(50.5) 54(60.7) 64(54.2) 28(66.7) 35(66.0) 318(57.0)
(計) 56 200 89 118 40 53 558

全国平均では、出願時の課題提出のケースは43.0%だが、それを上回っているのは関東地区の49.5%と近畿地区の45.8%で、この2地区では十分留意する必要がある。次いで中部地区の39.3%が高い。その他の地区も3割以上の大学が課題提出を義務づけている。

学校推薦型選抜情報

◆2026学校推薦型選抜出願時の必須チェック事項

いよいよ2026年度学校推薦型選抜への出願が目前に迫ってきた。一般選抜と異なり、高校側が責任を持って送り出す学校推薦型選抜の場合、担任や進路指導にはこの時期必ずやっておきたいチェック事項がある。その主要事項を簡潔に整理しておこう。

<提出書類のチェック>
生徒が志望する大学への出願書類の最終チェックが必要。大学や推薦区分により、それぞれ提出書類は異なる。高校側で事前に統一の出願書類チェック表を用意し、生徒に記入・提出をさせるぐらいの周到さが必要で、どれか1つの書類が欠けただけでも出願不受理となるので十分注意したい。調査書では成績基準や履修状況および履修条件の確認、特記事項等が適切に記入されているかを綿密にチェックしておきたい。推薦書については、特に推薦理由を明確かつ効果的に表現する必要がある。生徒が作成する書類(志願理由書、活動報告書、自己推薦書等)については、当然ながら誤字・脱字を含む下書きの事前チェックが欠かせない。ただし、過度の添削は禁物で、生徒の個性を尊重すべきだろう。
<面接力の最終チェック>
大学での試問事項を想定して、すでに何回かの面接トレーニングを実施されているはずだが、この直前期にはどの程度面接力が向上しているか、最終確認をし、欠点が残っていないか確認してほしい。国公私を問わず、面接は学校推薦型選抜の根幹をなすので、面接力の向上はきわめて大切だ。また、学力の3要素を把握するための選考方法として、口頭試問がかなり増加しているので、口頭試問対策も入念に準備しておく必要がある。
<小論文作成力や基礎学力の最終チェック>
小論文や基礎学力試験における弱点、不十分さが残っていないか確認して、適切に指摘・指導することによって、短期間でも十分生徒のフォローはできる。特に、国立大の小論文はかなりの重量となっているので、最終チェックは念入りに行う必要がある。

以上の点を総合したうえで、受験生の合格可能性が60%程度以上と判断されれば、出願へゴーサインを出してよいが、合格可能性が50%を切るようなら、専願制の鉄則にふれない第2志望校(併願校)も準備しておくべきだろう。

◆推薦区分ごとの主要書類と併願手順の鉄則

学校推薦型選抜では、推薦区分によって提出書類にも差異があるが、学校長の推薦書、調査書は必須の提出書類となる。ただし、近畿地区の一部では推薦書を要しない公募推薦も目立つ。各区分の主要書類を整理しておこう。

(1)一般・特定教科・専門課程・女子学生・奨学生推薦
この5区分では推薦書・調査書が中心。ただし大学によっては志願理由書のほか自己推薦書、活動報告書等の提出を求めるケースもある。国公立大の共テ併用型では学校推薦型選抜用の成績請求票も必要になる。
(2)スポーツ推薦
学校長と部活動指導者の両方の推薦書が必要になるケースがあるので要注意。調査書も必須でほかに競技成績証明書、スポーツ競技歴書、活動報告書(資料)など。
(3)有資格者推薦
推薦書、調査書のほか大学が指定する資格・検定の取得証明書(原本提出のケースもあるので要注意)、活動報告書など。
(4)課外活動推薦・一芸一能推薦
推薦書、調査書のほか課外活動報告書、活動歴書、活動実績・検定取得証明などが必要で、なるべく詳細な資料を時系列方式で添付したほうがよい。
(5)宗教関連推薦
学校長推薦書、調査書のほか洗礼証明書、宗教関係者の推薦書、宗教活動報告書などが必要になる。
(6)地域推薦
学校長推薦書、調査書のほか地方自治体の首長や指定機関の推薦書が必要になる場合があるので注意したい。
(7)その他の推薦
学校長推薦書、調査書のほか入試内容に応じて、関係団体・同窓会・OB教員等の推薦書等が必要になる。

また、どの区分であれ志願理由書、活動報告書等を提出させるケースもかなり多いので、大学の指定内容には十分注意しなければならない。

最後に学校推薦型選抜における併願手順については、専願制のみ注意すればよい。組合せは次の3パターンになる。(1)専願制第1志望+専願制第2志望(第1志望の合格発表後でも出願が間に合う大学がベスト)、(2)専願制第1志望+併願制第2志望(両方合格の場合は専願制に入学)、(3)併願制第1志望+併願制第2志望(入学手続締切日に注意して志望順位を決め、納付金を節約する)。専願制と併願制を組み合わせて、両方に合格した場合、専願制に入学するのが鉄則である。

ニュースフラッシュ

◆令和8年度:国立大の入学定員について(予定)

文科省は8月29日、国立大の入学定員について資料を公表した。それによると、学部の改組(2学部)で20人増、学科等の改組(14学科)で90人減、入学定員の改訂で53人増となっている。特に、入学定員数が減少している学部・学科においては、志願動向に大きく影響してくる可能性があるので、十分注意してもらいたい。学部・学科等の改組は次のとおり。

(1)学部の改組

■山形大
地域教育文化学部=地域教育文化学科175人→教育学部=学校教育教員養成課程155人
■山口大
工学部=知能情報工学科80人→情報学部=情報学科120人

(2)学科等の改組

■北見工業大
工学部=地球環境工学科190人・地域未来デザイン工学科220人→先進工学科410人
■宇都宮大
農学部=生物資源科学科58人・応用生命科学科30人・農業環境工学科30人・農業経済学科33人・森林科学科29人→フロンティア食品科学科37人・生物生産イノベーション科学科56人・環境システム科学科51人・エコロジカル社会経済学科36人
■信州大
工学部=物質化学科95人・電子情報システム工学科170人、水環境・土木工学科60人、機械システム工学科100人・建築学科60人→工学科485人
■山口大
工学部=機械工学科90人・社会建設工学科80人・応用化学科90人・電気電子工学科80人・循環環境工学科55人・感性デザイン工学科55人→創成工学科355人・建築学科55人
■九州工業大
工学部=建設社会工学科80人・機械知能工学科136人・宇宙システム工学科55人・電気電子工学科126人・応用化学科74人・マテリアル工学科60人→工学科531人
 情報工学部=知能情報工学科93人、情報・通信工学科93人、知的システム工学科94人・物理情報工学科65人、生命化学情報工学科65人→情報工学科410人
■佐賀大
教育学部=学校教育課程120人→共同教員養成課程120人
■熊本大
文学部=総合人間学科55人・歴史学科35人・文学科50人・コミュニケーション情報学科30人→人文科学科170人
 教育学部=学校教育教員養成課程220人→共同教員養成課程140人・養護教諭養成課程30人

(3)入学定員の改訂(入学定員の増を行う大学)

■山形大
人文社会科学部=人文社会科学科290人→300人、理学部=理学科210人→220人
■埼玉大
教養学部=教養学科160人→200人、工学部=機械工学・システムデザイン学科110人→117人、電気電子物理工学科110人→117人、情報工学科80人→86人
■京都大
工学部=電気電子工学科130人→142人、情報学科90人→98人
■岡山大
農学部=農学科120人→142人、医学部=医学科107人→108人
■佐賀大
農学部=生物資源科学科145人→175人
■熊本大
工学部=土木建築学科124人→137人、機械数理工学科108人→119人、情報電気工学科132人→145人、材料・応用化学科129人→142人

(4)入学定員の改訂(入学定員の減を行う大学)

■埼玉大
教育学部=学校教育教員養成課程360人→300人
■金沢大
医薬保健学域=医学類112人→111人
■浜松医科大
医学部=医学科115人→109人
■岡山大
法学部=法学科225人→208人、経済学部=経済学科245人→210人
■佐賀大
経済学部=経済学科110人→100人、経営学科80人→70人、経済法学科70人→60人
■琉球大
医学部=医学科111人→110人

総合型・推薦型選抜エクストラ(メールマガジン)お申し込み

株式会社栄美通信編集部が、高等学校の先生方に必要であろうと思われる教育関連のニュースを簡潔にまとめ、総合型選抜年鑑、学校推薦型選抜年鑑の情報なども織り込み、隔週でお届けするメールマガジンです。進路指導や職員会議など、様々な用途にお役立ていただければ幸いです。

メルマガお申し込み