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総合型・推薦型選抜エクストラ9月10日号

私立大:2026総合型選抜全国統計レポート(1)

総合型選抜情報

◆私立大:2026総合型選抜全国統計レポート(1)

弊社が毎年実施している総合型選抜に関する諸統計の結果について、数回に分けてレポートする。第1回は、私立大の学部別実施状況を中心にご紹介する。

まず、総合型選抜実施校は558校となり、前年度と同様、公募制推薦(497校)よりも実施校数がかなり多くなっている。総合型選抜の実施は全ての地区において実施率は9割以上となっており、各大学が総合型に力を入れているということがわかるはずだ。

<私立大地区別実施校数>
北海道・東北 関東 中部 近畿 中国・四国 九州
56校 200校 89校 118校 42校 53校

学部系統別の実施状況(複合学部は複数扱い)をみると、計2,041学部でこれも公募制推薦より多い数字となっているが、保健・医療系に関しては、まだ公募制推薦の方が多い実施状況となっている。

学部系統 2026年度学部数 2026年度学部比率
人文科学 326 16.0%
社会科学 619 30.3%
教育・教員養成 209 10.2%
理工 222 10.9%
農・水産・獣医 28 1.4%
保健・医療 338 16.6%
生活科学(栄養) 120 5.9%
芸術 84 4.1%
スポーツ(健康) 95 4.6%
(計) 2,041 100%

本年度の実施学部数では、理工系、保健・医療系の増加が目立ち、生活科学系を除くすべての学部系統で増加している。近年、国際・医療・情報・データサイエンス・建築系・スポーツ系の新増設が目立っており、これらの系統では今後も総合型実施校が増えると予測される。
  全体の実施学部数も、学校推薦型選抜より多い数字になっている。その要因の1つとして、学校推薦型選抜において指定校制のみへ移行している大学が増加していることがあげられる。

◆私立大:2026総合型選抜の地区別学部実施状況

ここでは、私立大の2026総合型選抜に関する地区別の実施学部状況をご紹介する。私立大では地区ごとの実施状況にかなり差異があるので、進路指導に際しては十分留意してほしい。なお、弊社統計では複合領域の学部は複数で集計している。

系統 北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州
人文科学 24 128 46 80 24 24
社会科学 48 250 93 144 36 48
教育・教員養成 15 75 31 47 23 18
理工 11 101 28 49 14 19
農・水産・獣医 1 19 3 2 2 1
保健・医療 28 119 61 80 28 22
生活科学(栄養) 11 36 22 24 15 12
芸術 8 37 9 20 7 3
スポーツ(健康) 5 31 21 21 8 9
(計) 151 796 314 467 157 156

全般的には関東地区の学部数が群を抜いている。どの地区も社会科学系が最も多いが、特に関東地区では31.7%を占める。最も学部数の少ない農・水産・獣医系は、全28学部のうち19学部が関東地区に集中している。人気の高い教育系、保健・医療系は各地区とも相当数が実施している。

学校推薦型選抜情報

◆私立大:2025学校推薦型選抜の学部別志願動向(弊社集計)

弊社では全国版「学校推薦型選抜年鑑」の発刊以来、私立大の公募推薦入試の動向を把握するため、多角的な統計作業を毎年実施している。今回は、まず2025入試結果のまとめからレポートしておきたい(データ公表校を集計、一部は指定校制データを含む)。学部系統別の志願・合格状況は、次のとおりであった。

学部系統 志願者数 合格者数 倍率(前年度)
人文科学 56,413人 27,049人 2.1倍(1.9倍)
社会科学 142,862人 53,950人 2.6倍(2.3倍)
教育・教員養成 12,878人 6,751人 1.9倍(1.6倍)
理工 49,922人 23,885人 2.1倍(2.0倍)
農・水産・獣医 10,046人 4,367人 2.3倍(2.2倍)
保健・医療 38,529人 19,513人 2.0倍(1.9倍)
生活科学(栄養) 6,455人 3,874人 1.7倍(1.6倍)
芸術 4,504人 2,695人 1.7倍(1.8倍)
スポーツ(健康) 9,125人 5,109人 1.8倍(1.5倍)
(計) 330,734人 147,193人 2.2倍(2.0倍)

学校推薦型選抜戦線は、2013年度以降は一貫して志願増が続いていた。2019年度には実に約34万人もの志願者数となったことが特筆される。ただ、入試改革を迎えた2021年度から志願減となっていたが、今年度は前年度に比べ約3万2千人の大幅増となっている。全体の平均倍率は、ここ6年で2.7倍→2.3倍→2.2倍→2.1倍→2.0倍→2.2倍と推移している。ピークだった2019年度の2.9倍に比べるとかなり下がっている。学部系統別の平均倍率では、全ての学部系統で上がっている。今年度は大幅な志願増にもかかわらず、全体の合格者数は前年とほぼ変わっていない。特に、近畿地区では合格者数の絞り込みが多く見受けられ、高い競争率となっている学部・学科が多く見られたので、近畿地区の進路指導の先生方は、今年度の志願動向には十分注意してもらいたい。

◆私立大:2025学校推薦型選抜の地区別志願動向(弊社集計)

弊社で独自に集計した2025学校推薦型選抜の地区別志願状況についてご紹介する(データ公表校を集計、一部は指定校制を含む)。

地区 2025年度 2024年度 増減数
北海道・東北 5,246人 4,985人 +261人
関東 30,018人 30,214人 -196人
中部 27,415人 23,535人 +3,880人
近畿 254,067人 225,855人 +28,212人
中国・四国 6,325人 6,599人 -274人
九州 7,663人 7,205人 +458人
(計) 330,734人 298,393人 +32,341人

入試改革初年度の2021年度は、受験者数の減少、公募制推薦から総合型選抜に移行したケースも若干あり、前年度の志願者数よりも約1万3千人減だったが、2022年度は925人増と2年ぶりの志願増に転じ、2023年度は約6千5百人減となっている。そして、2025年度は約3万2千人の大幅増となっている。地区別に見てみると、近畿地区が約2万8千人増、中部地区が約3千8百人増となっており、北海道・東北地区、九州地区も志願増となっている。志願減となっているのは関東地区、中国・四国地区の2地区となっている。関東地区、中国・四国区の2地区は学校推薦型選抜を指定校制のみに切り替えている大学が多く、それが志願減となっている要因の1つとしてあげられる。また、近畿地区は全国の志願者数の7割以上を占めており、学校推薦型選抜に関しては「西高東低」の構図は変わっていない。いずれにしても、年内入試で合格を確保したいという受験生の考えが、公募制推薦においても、志願増につながっている大きな要因の1つになっていると考えられるだろう。

ニュースフラッシュ

◆令和8年度から私立大学等の収容定員を増加する大学・学部一覧

令和7年6月・7月、文部科学省は国公私立大・学部等の収容定員を増加する認可申請一覧を公表したので、まとめてご紹介しておく。募集人員の増減は志願動向にも大きく影響してくるので、しっかりと把握しておいてもらいたい(今年度は薬学部の募集人員減少がかなり目立つので、十分注意してもらいたい)。

[6月分]

<国立大>

■京都大
工学部=電気電子工学科130→142人、情報学科90→98人

<私立大>

■東北医科薬科大
薬学部=薬学科300→280人
■東北芸術工科大
芸術学部=文化財保存修復学科26→0人、歴史遺産学科32→51人、デザイン工学部=グラフィックデザイン学科68→90人、映像学科62→90人、企画構想学科50→80人、コミュニティデザイン学科30→0人
■育英大
教育学部=教育学科150→200人
■城西大
薬学部=薬学科250→200人
■岐阜聖徳学園大
教育学部=学校教育課程330→350人、経済情報学部=経済情報学科150→180人
■大和大
政治経済学部=政治・政策学科60→65人、経済経営学科120→150人、社会学部=社会学科200→260人
■徳島文理大
薬学部=薬学科150→90人

[7月分]

<私立大>

■城西国際大
薬学部=医療薬学科110→60人
■湘南医療大
保健医療学部=看護学科140→165人、リハビリテーション学科80→100人
■立命館大
理工学部=電気電子工学科154→134人、数理科学科97→117人、総合心理学部=総合心理学科280→310人、デザイン・アート学部=デザイン・アート学科0→180人
■滋慶医療科学大
医療科学部=診療放射線学科0→40人
■姫路獨協大
薬学部=医療薬学科60→0人
■就実大
薬学部=薬学科100→70人

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