総合型・推薦型選抜エクストラ6月10日号
◆弊社調査で2023年度総合型選抜の実施状況が判明
総合型選抜情報
◆弊社調査で2023年度総合型選抜の実施状況が判明
現在、弊社では全国版「総合型選抜年鑑」を7月上旬に全国の高等学校へお届けするために作業を進めているが、5月25日時点で全ての国公私立大・短大の総合型選抜の実施状況調査が次のとおりまとまったのでご報告する。
<設置区分> | <募集校数> | <総合型選抜校数> | <総合型選抜率(前年度)> |
---|---|---|---|
国立大 | 82校 | 64校 | 78.0%(78.0%) |
公立大 | 94校 | 39校 | 41.5%(40.2%) |
私立大 | 585校 | 536校 | 91.6%(90.6%) |
公立短大 | 12校 | 8校 | 66.7%(58.3%) |
私立短大 | 275校 | 267校 | 97.1%(96.0%) |
国立大はこの3年間でかなり増加した。2022年度では宮城教育大が加わり、全体の実施率は78.0%と過去最高を記録し、国立大は近年実施校が増加傾向にある。公立大では新たに山陽小野田市立山口東京理科大が加わり、実施率も4割を超えている。
私立大は、学生募集校は前年と同じ585校。新規実施の顔ぶれをみると、新潟国際情報大、修文大、龍谷大、兵庫医科大が加わり、総合型選抜実施校は前年より6校増え、実施率も91.6%へ上昇している。
公立短大は、募集校数は前年と変わらず、総合型選抜実施校は1校増え8校となった。
私立短大は、本年度も募集停止があり、学生募集校は278校から275校へ減少するが、新規実施校が3校あり、総合型選抜実施率は過去最高の97.1%となっている。新規実施としては北海道武蔵女子短大、弘前医療福祉大短大部、山梨学院大短大などがある。
◆地区別:2023総合型選抜の地区別実施状況
弊社が調査した2023総合型選抜の地区別実施状況を示すと、次のとおりとなっている。
<地区> | 国立大 | 公立大 | 私立大 | 公立短大 | 私立短大 |
---|---|---|---|---|---|
北海道・東北 | 13校 | 10校 | 50校 | 2校 | 33校 |
関 東 | 13校 | 4校 | 200校 | 0校 | 75校 |
中 部 | 10校 | 7校 | 84校 | 3校 | 49校 |
近 畿 | 9校 | 3校 | 115校 | 1校 | 49校 |
中国・四国 | 9校 | 8校 | 40校 | 2校 | 26校 |
九 州 | 10校 | 7校 | 47校 | 0校 | 35校 |
国立大は各地区とも同程度の実施状況だが、関東地区の実施校数が最も多い。公立大に関しては北海道・東北地区、中部地区、中国・四国地区、九州地区の実施状況が目立っている。
私立大における総合型選抜実施校は、やはり関東地区が200校と群を抜いて多く、次いで近畿、中部地区となるが、実施率で見ると中国・四国地区(95.2%)、近畿地区(93.5%)、関東地区(93.4%)などが高く、逆に最も低いのは九州地区の85.5%となっている。
私立短大の場合、実施率が全国平均(97.1%)を下回っているのは、北海道・東北、近畿、中国・四国地区の3地区。中部、九州の2地区は100%。次いで関東地区98.7%が高い。
学校推薦型選抜情報
◆私立大:公募制推薦型の地区別特徴を形成する4大要因
私立大の公募推薦入試の動向を形成する要因として、(1)成績基準の高低や有無、(2)専願制か併願制か、(3)選考方法(受験負担の軽重)、(4)大学の知名度、の4つがあげられる。これら4つの要因がどうからむかによって、各地区の入試動向が決定づけられるといっても過言ではない。
- <北海道・東北地区、関東地区>
- 人気私立大の多くが3.5~4.0以上の高基準で、中堅私立群でも3.0~3.3以上の明確な基準を設けているケースが多い。専願制が主流であるため、志願者数は多いところでも千人前後の規模で、年度ごとの変動も小幅にとどまる。選考法では基礎学力試験より小論文が多いのも、受験生には心理的なブレーキとなっている。
- <中部地区>
- 全般に成績基準が緩やかで併願制も多いが、志願者が千人を超える私立大はごく一部に限られる。その中では中京大の志願者数が群を抜く。選考方法では、基礎学力試験を課すタイプが増加傾向にある。また、年度により隔年現象がよく見られる地区なので要注意だ。
- <近畿地区>
- 例年、公募志願者数が全国の6割を占める最激戦地区である。それは成績基準撤廃、併願制、軽量型学科試験中心(プレ一般型)という3つの要因がそろい、なおかつ人気の高い中堅上位校群の多くが一般推薦を実施するためである。特に近畿大、龍谷大、京都産業大の3校が抜きん出ており、大学・学部・学科によっては、15~30倍もの激戦となるケースが珍しくない。
- <中国・四国地区>
- 成績基準が全般に緩やかで併願制が主流だが、地元大学の推薦活用は低調である。知名度の高い私立大が限られ、高学力層は国公立大や他地区の有名私立大へ流れる傾向が目立つ。
- <九州地区>
- この地区の主要私立大は専願制が中心で、成績基準もやや高く、全般に推薦戦線はさほど活発ではない。ほとんどが1倍台の競争率で、志願者数も少ないが、その中では福岡大の人気が群を抜く。
◆弊社調査でみる私立大の地区別志願・合格状況(2021年度)
弊社では例年、公募制昼間部(一般・ユニーク推薦)の志願者数・合格者数の調査を行っている。データ非公表や指定校制等を含むケースもあるが、公募制全体の動向を把握するための目安として実施している。2022年度の集計はまだ完了していないので、2021年度の集計結果を用いて、各地区の志願者数・合格者数をみると、下記グラフのとおりとなっている。
近畿地区の公募推薦戦線は群を抜くスケールで、平均倍率も3.0倍(前年3.7倍)と全国で最も高い。関東地区と近畿地区を比べると、志願動向は「東低西高型」の構図が明白に見て取れる。
ニュースフラッシュ
文科省:2023新設申請の学部・学科等を公表
文科省はこのほど2023年度新設申請の受付状況を公表した。大学の新設(専門職大)、学部・学科の新設、定員増(3月末申請)を含めた入学定員は前年より4,637人の増加となる。なお、学部・学科の認可は8月末になる見通しだ。
[1]大学の学部新設
- <国立大>
- ■一橋大
- ソーシャル・データサイエンス学部=ソーシャル・データサイエンス学科60
- ■静岡大
- グローバル共創学部=グローバル共創学科115
- <私立大>
- ■福島学院大
- マネジメント学部=地域マネジメント学科90
- ■北里大
- 未来工学部=データサイエンス学科100
- ■順天堂大
- 健康データサイエンス学部=健康データサイエンス学科100
- ■新潟薬科大
- 医療技術学部=臨床検査学科60、看護学部=看護学科80
- ■北陸学院大
- 健康科学部=栄養学科65
- ■京都女子大
- データサイエンス学部=データサイエンス学科95
- ■追手門学院大
- 法学部=法律学科230
- ■大阪成蹊大
- 看護学部=看護学科80、データサイエンス学部=データサイエンス学科80
- ■摂南大
- 現代社会学部=現代社会学科250
- ■宝塚医療大
- 観光学部=観光学科80
- ■日本文理大
- 保健医療学部=保健医療学科(診療放射線学80、臨床検査学50、臨床医工学30)
- ■尚絅大
- こども教育学部=こども教育学科70
- ■鹿児島国際大
- 看護学部=看護学科80
[2]大学の学科新設
[3]大学の学部設置者の変更