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AO・推薦入試エクストラ3月25日号

2013国公立大AO入試の変更点情報

AO入試情報

◆2013国公立大AO入試の変更点情報

この1~2年、国公立大でAO入試を廃止する傾向が目につき始めている。2013年度には北海道大理(生物科学)、筑波大人間学群(教育学類)・理工学群(応用理工学類)、九州大薬などが廃止する予定なので、十分注意してほしい。現時点で判明している国公立大AO入試の変更は、次の通りとなっている。

■北海道大
理学部生物科学科(生物学)がセ試を課さないAO(募集5人)を廃止。
■筑波大
人間学群教育学類(募集3人)と理工学群応用理工学類(募集4人)がセ試を課さないAOを廃止。
■宇都宮大
唯一実施していた工学部情報工学科(募集2人)が廃止するため、国立大の実施校が減少する。
■東京海洋大
海洋科学部4学科のうち食品生産科学科(募集‐AB計6人)がAOを廃止。他の3学科は継続。
■福井大
工学部知能システム工学科で普通・理数・総合学科枠(7人)を廃止。
■静岡大
情報学部情報社会学科で一般枠(5人)を廃止。専門高校枠は継続。
■大阪大
(1)理学部でセ試を課す「研究奨励AO入試」を導入。国内の科学系コンテスト等の出場者が対象。(2)理・工・基礎工の3学部でセ試を課さない「国際科学オリンピックAO入試」を導入。国際科学オリンピック日本代表となった者が対象。
■神戸大
発達科学部人間行動学科は従来2方式で実施していたが、うち小論文受験方式(募集8人)を廃止。
■岡山大
(1)教育学部学校教育教員養成課程のうち中学家庭(募集2人)でAOを廃止。(2)理学部の全学科でAOⅠ・Ⅱとも全廃。ただし、物理学科の「物理チャレンジ」は継続。(3)環境理工学部は「セ試免除→セ試課す」に変更。
■九州大薬学部
セ試を課さないAO(募集12人)を廃止。
■兵庫県立大
経済・経営学部がセ試を課さないAO(募集各5人)を廃止。
■山口県立大
国際文化・社会福祉・看護栄養の全学部でAOを廃止。公立大のAO実施校も1校減少する。

◆2013国公立大の新設、改編、学部改組情報

ここでは2013年度に大学新設、改編、学部改組等を予定している国公立大の情報をご紹介する。

<大学の新設>
■秋田公立美術大学
現行の秋田公立美術工芸短大を母体に4年制大学を新設予定。美術学部(定員100人・5専攻)を設置する予定。
<学部等の増設・改組>
■北海道教育大
現行は1学部5キャンパス体制だが、教員養成以外の課程の学部化を予定。札幌・旭川・釧路校は教育学部教員養成課程のままで、函館校は国際地域創造学部(1学科4コース)、岩見沢校は芸術・スポーツ文化学部(1学科4コース)を開設する予定。
■佐賀大
現行2課程制の経済学部を3課程(現代経済、企業経営、経済法律)に再編予定。

推薦入試情報

◆2013国公立大推薦入試の変更点速報

近年はセ試を課すタイプが増加の傾向にあり、2013年度もその傾向が明確に表れているので十分留意してほしい。現時点で国公立大の2013推薦入試では、以下のような変更点が判明している。

■弘前大
(1)教育学部の教科教育(国語)がセ試を課さない推薦を廃止。(2)理工学部の物質創生化学科はⅠ・ⅡのうちⅡ(セ試課す)を廃止。
■山形大
工昼(機能高分子工・機械システム工)とフレックスでセ試を課す推薦を新規導入。
■千葉大
園芸学部の応用生命化学科が推薦を新規導入。
■東京海洋大
海洋学部の食品生産科学科で専門高校対象の推薦を新規導入。
■岐阜大
(1)教育学部の学校教育(音楽)でセ試を課す推薦を廃止。(2)工学部で調査書の点数化を廃止。
■静岡大
情報学部の情報科学科は「セ試を課さない→課す」に変更。
■名古屋工業大
工学部1部の電気電子工学科は「セ試を課さない→課す」に変更。
■九州工業大
工・情報工の2学部ともセ試を課す推薦を追加導入。
■佐賀大
医学部医学科は全募集枠で「セ試を課さない→課す」に変更。
■長崎大
工学部でセ試を課さない推薦を廃止(*推薦がなくなるので要注意)。
■琉球大
教育学部の小・中教科教育のうち音楽が推薦を廃止。
■静岡県立大
国際関係学部でセ試を課す推薦を追加導入。
■大阪市立大
商学部(専門高校対象)で「セ試を課さない→課す」に変更。

◆国公立大:2013一般入試日程の変更情報

ここでは2013年度に一般入試の日程を変更する国公立大の情報をご紹介する。筑波大医、大阪大理・基礎工、神戸大経済など有力校が含まれるので十分注意してほしい。

(1)後期日程を廃止する大学・学部等
■弘前大
教育(学校教育‐英語)
■山形大
工昼(応用生命システム工)
■筑波大
医学群(医学類、看護学類)
■群馬大
医(医)
■横浜国立大
理工(建築都市・環境系‐地球生態学EP)
■愛知教育大
教育‐初等教育(理科、家庭)、中等教育(情報、理科)、養護教諭
■大阪大
理、基礎工
■神戸大
経済
■岡山大
環境理工(環境物質工)
■静岡県立大
国際関係
■名古屋市立大
(2)前期日程を新規実施する大学・学部
■横浜国立大
理工(化学・生命系‐バイオEP)
(3)一般選抜を新規実施する大学・学部
■滋賀大
経済夜(前期のみ)
(4)後期日程を新規実施する大学・学部等
■岐阜大
教育(学校教育‐音楽)
■愛知教育大
教育‐初等教育(幼児教育)、中等教育(教育科学、国語・書道、美術、技術)
■大阪教育大
教育(学校教育‐国語)
■岡山大
■広島大
歯(口腔健康科学‐口腔工)
■九州大
■熊本大
教育(生涯スポーツ福祉)

ニュースフラッシュ

◆大学教育部会(第10回)の審議状況と課題に関する骨子案を公開

中教審の大学教育部会は、従前から「グローバルに活躍する人材育成のための大学教育の方向性」等について広範な議論を積み重ねてきた。本年2月22日の会合では、「特に大学教育においては、答えのない問題を発見し、その原因について考え、最善解を導くために必要な専門的知識及び汎用的能力を通じて、高い倫理観や社会貢献の精神、豊かな人間性を身に付け、全人格的に成長させることが必要である」として、学士課程教育の実質化(学生の学習時間の確保と学びの質的転換)や評価制度の見直し(教育研究成果を重視した評価)について多角的な検討を行った。

また、同会合ではわが国の高等教育の状況に関する貴重な参考資料が配布された。例えば、日本の大学生の学習時間は1日当たりわずか4.6時間。大学設置基準の要請や国際的な水準である1日約8時間の半分程度の学修量にすぎない(内訳は授業・実験2.9H、授業に関する学習1.0H、卒論0.7H)。週当たりの学習時間数を比較しても、アメリカとは大きな差がある。日米の大学1年生の比較データによると、日本対アメリカは、0時間が9.7%:0.3%、1~5時間が57.1%:15.3%と開きが大きい。週21時間以上学習する学生の割合は5.2%:19.3%とうすら寒いわが国の大学生の現状が透けて見える。

さらにGPA制度については、導入は進んでいるものの、実際に進級・卒業に係る判定に用いるケースはごく一部で、教育改革の実質化を伴っていない。

同じ参考資料の中には英米(ハーバードなど5校)と日本の教職員1人当たりの学生数のデータも含まれている。英米では教員1人に4.37人、職員1人に2.01人であるのに対して、日本では教員1人に14.3人、職員1人に16.1人の学生数となっている。

これら詳細の資料は、一般に公開されているので、各高校の進路指導部におかれてもぜひアクセスしてみてほしい。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆推薦入試(12):合格対策の必須ポイント(3)学力試験

本来、推薦入試は高等学校在籍時の調査書や推薦書、その他の書類、および面接によって選考するのが原則だが、調査書(特に学習成績)における各高校の格差が余りに大きいため、基礎的な学力をみる手段として、小論文や学力試験が多くの大学で併用されている。

全般的には書類・面接・小論文のパターンが主流であるが、文科省が学力検査容認の方向に転換して以降、学力試験を実施するケースが増えているので、高校側としては、ふだんの授業にまじめに取り組むこと、家庭での基礎問題演習をコンスタントに持続する習慣を生徒に身につけさせることが大切である。

ここでは、国公立大と私立大に分けて、推薦入試における学力検査の状況を整理しておくこととする。

(1)国公立大はCT併用型が増加傾向

国公立大(特に国立大)では、学力検査としてセンター試験を課すケースが近年際立って増加し続けている。一般選抜より受験負担の小さい学部・学科もあるものの、主流は5‐7型で、一般選抜と同様の負担となっている。これらの中で、一定レベル以上の得点を最終合否の基準とするケースは要注意で、その合否レベルは事前に把握しておく必要がある。

推薦入試の場合、一般学部では65~70%、医歯薬系では80%程度以上の得点力が必要になり、やはりそれなりの高学力層でないと国公立大への推薦には無理が生じる。

なお、小論文であっても、理系のそれは教科的な学力検査であるケースが多い。また、面接であっても学力試問は必ずあり、どのような選考法であれ、国公立大の場合は基礎学力の強化を心がけることが不可欠である。

(2)私立大では近畿以外でも学力検査が増加

私立大の推薦入試では、全国的にみると書類・面接・小論文型が主流といえるが、近畿地区だけは従前から学力検査を主体とする選考法がだんぜん多い。しかし、近年はその他の地域でも学力試験派が斬増傾向にあるので、早めに生徒に学力試験の有無を確認させて、適切な助言をすべきだろう。

一般的に文系学部は国語・英語の2教科、理系は数学・理科・英語の3教科に対する準備が必要で、関連する教科・科目の基礎トレーニングを十分積むと同時に、最終学年次には志望校の過去問もしっかり研究させておくことが大切になる。

私立大で学力検査を実施する場合、通常はこの配点比重が最も高いので、学力の強化こそが合否を大きく左右することになる。勉強嫌いでは、推薦攻略はできないことを生徒に周知しておきたい。

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