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AO・推薦入試エクストラ7月25日号

私立大:2015AO入試の成績基準の変動情報

AO入試情報

◆私立大:2015AO入試の成績基準の変動情報

今月中旬、弊社より2015全国版「AO入試年鑑」を全国の高校へお送りしたが、当編集部でAO入試における成績基準の設定状況等に関する調査がまとまったので、主要な変動情報をまとめてご紹介する(×印は「基準なし」を示す)。

■千葉商科大
<給費生選抜AO>全学部=3.5→3.3以上
■杏林大
<スカラシップAO地域型>総合政策=3.9以上(新規実施)
■国際基督教大
<Bカテゴリー>国際教養=×→4.0以上で数学または理科が4.2以上
■専修大
ネットワーク情報=×→3.8以上(複数条件の1つ)
■高千穂大
<学業型>人間科学科児童教育専攻=全体3.5以上、その他=国語・地歴・公民・数学・外国語のいずれかが3.5以上(新区分)
■東京電機大
未来科学部‐ロボット・メカトロニクス学科=×→数学・英語が各3.5以上、理工学部=×→数学・英語が各3.5以上
■東京薬科大
薬=3.5→×
■東邦大
理学部‐生物学科=×→数学・理科・外国語の平均が3.5以上
■日本体育大
保健医療学部=3.5以上(新規実施)
■愛知学院大
歯学部=3.5→3.3以上
■名古屋経済大
<事業継承入試>経営学部=3.2→3.0以上
■皇學館大
<幼児教育選考・スポーツ選考>教育学部=3.3→3.0以上
■佛教大
仏教学部=2.7以上(新規実施)
■関西大
社会安全学部=3.8→3.5以上
■大手前大
<全区分>全学部=2.5→2.7以上
■関西学院大
<自己推薦型>経済学部=4.2→×、<数学能力重視型>経済学部=数学4.8以上(新規実施)
■徳島文理大
薬学部=×→(1)全体3.5以上、または(2)理科・数学のいずれかが3.5以上

◆私立大:地区別AO入試の成績基準設定の概要

2015全国版「AO入試年鑑」で成績基準に関する地区別統計がまとまったのでご紹介する(入試区分・学部等で異なる場合は複数扱いで集計)。

地区 必須条件 複数条件の1つ 設けない
北海道・東北 5校(11.6%) 0 38校(88.4%)
関東 18校( 9.7%) 7校(3.8%) 160校(86.5%)
中部 12校(15.8%) 0 64校(84.2%)
近畿 24校(20.7%) 3校(2.6%) 89校(76.7%)
中国・四国 5校(12.2%) 1校(2.4%) 35校(85.4%)
九州 6校(14.0%) 1校(2.3%) 36校(83.7%)

上記の一覧表に示す通り、必須条件としての設定率が最も高いのは近畿地区で、唯一、2割台にのぼっている。その他の地区はいずれも1割強で、推薦入試と比べで成績基準のハードルはきわめて低い。

また、全国集計をグラフ化すると次のようになる。

私立大:AO入試の成績基準設定状況(全国)

推薦入試情報

◆2015年度公募制推薦入試の実施状況が判明

現在、弊社では9月初旬発行予定の全国版「推薦入学年鑑」の制作に全力を注いでいるが、このほど全ての大学・短大の推薦実施状況が判明したので、速報でご紹介する。

募集校 公募実施校 指定校のみ 公募実施率 実施せず
国立大 82校 75校 0校 91.5% 7校
公立大 84校 82校 0校 97.6% 2校
私立大 577校 549校 25校 95.1% 3校
公立短大 16校 16校 0校 100% 0校
私立短大 315校 313校 2校 99.4% 0校

7月上旬現在、募集停止は私立大2校、私立短大5校が判明しており、2015年度の学生募集校は上記のとおりとなっている。

国立大は東北大農がAO入試へ転換し、推薦実施校は1校減少している。今年度に実施しないのは北海道大、東北大、東京大、東京芸術大、京都大、京都工芸繊維大、九州大の7校だが、2016年度からは東京大、京都大が導入を公表している

公立大は、私立大→公立大法人に移行した長岡造形大が加わり、計84校となり、推薦実施校も1校増加した。推薦入試を実施しないのは、京都市立芸術大と九州歯科大である。

私立大の学生募集校は、募集停止があったこと、2014年度新設校も少なかったことから前年と同じ577校。公募実施校は前年より2校増の549校となった。公募の新規導入校は、東京経済大、福岡女学院大の2校。完全指定校制は前年と同様に2校減少して25校だが、関東地区だけで23校(うち東京都が16校)を占める。公募・指定校制とも実施しないのは、東京慈恵会医科大、日本医科大、立命館アジア太平洋大の3校である。

公立短大は16校全てで実施。私立短大は募集停止が5校で、学生募集校数は315校と前年より7校減。その99.4%に当たる313校で公募制を実施する。完全指定校制は北海道武蔵女子短大、城西短大の2校。公募・指定校制とも実施しない短大は皆無となった。

◆私立大・短大:地域別公募推薦実施校と完全指定校制一覧

弊社の全国版「推薦入学年鑑」で実施した2015の実施状況等の調査から、地域別の実施状況および完全指定校制の私立大・短大をレポートしておこう。

<地区別実施校数>
北海道・東北 関東 中部 近畿 中四国 九州
私立大 56校 186校 87校 125校 43校 51校
私立短大 36校 86校 60校 64校 30校 37校

私立大の場合、やはり関東地区が群を抜き、次いで近畿・中部地区の大都市圏に集中するが、その他の地区もほぼ全てが公募推薦を実施している。

私立短大の場合、大都市圏で短大数が減少しているのが特徴(4大に吸収など)で、各地区の実施状況は4大ほど差がない点が注目される。

次に完全指定校制で実施するのは、東北工業大、自治医科大、文星芸術大、日本薬科大、秀明大、国学院大、国際基督教大、芝浦工業大、白百合女子大、成蹊大、成城大、聖心女子大、清泉女子大、東京音楽大、東京女子大、東京神学大、東京造形大、武蔵大、武蔵野音楽大、明治学院大、立教大、関東学院大、聖マリアンナ医科大、洗足学園音楽大、南山大の25校で、前年より2校減となった。また、近畿・中四国・九州の3地区に完全指定校制が皆無なのも注目される。

ニュースフラッシュ

◆26年度国家公務員採用総合職試験の実施結果を公表

人事院は6月下旬、平成26年度の国家公務員採用総合職試験の実施結果を公表した。この試験は以前のⅠ種に当たり、国家公務員のエリートコースである。院卒試験(大学院卒対象)と大卒程度試験(学部修了者対象)の2区分で実施され、結果は次のとおりであった。カッコ内は前年比(倍率は前年度)を示す。

申込者数 合格者数 倍率 採用予定
<院卒試験> 3,062人(-237減) 551人(+80人) 5.6倍(7.0倍) 214人(+10人)
<大卒程度試験> 17,985人(-964人) 1,367人(+85人) 13.2倍(14.8倍) 487人(+5人)

女性の合格者数は、院卒が6人(6.9%)の増加、大卒程度が51人(20.0%)増とかなり増加した。合格者に占める女性の割合は、院卒が16.9%、大卒程度が22.4%となった。 なお、試験区分別の実施結果は次のとおりであった。

試験の区分 院卒者試験 大卒程度試験
院卒者試験 大卒程度試験 申込者数 合格者数 倍率 申込者数 合格者数 倍率
法文系 事務系 行政 政治・国際 926 192 4.8 1,650 33 50.0
法律 9,715 564 17.2
経済 2,216 259 8.6
人間科学 124 32 3.9 501 44 11.4
理工系 工学 758 154 4.9 1,975 295 6.7
数理科学・物理・地球科学 291 34 8.6 318 44 7.2
化学・生物・薬学 545 61 8.9 636 31 20.5
農学系 農業科学・水産 233 31 7.5 463 39 11.9
農業農村工学 34 10 3.4 221 32 6.9
森林・自然環境 151 37 4.1 290 26 11.2
合 計 3,062 551 5.6 17,985 1,367 13.2

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆推薦入試(4):国公私立大・短大別にみる出願要件の概要

推薦入試(公募制)における出願要件(推薦条件)は、国立・公立・私立ごと独自の特徴や傾向がある。それらを十分ふまえた上で、適切な指導を行うことが大切だ。

[国立大]
どのようなタイプの推薦であれ、全て専願制で実施する。出身課程については、全課程対象と対象課程を限定する2タイプがあり、どちらも履修条件を設けるケースがあるので要注意。現・浪区分については、現役ないし1浪までが中心になっている。私立大と異なり、ユニーク推薦の導入はごく少なく、取得資格・活動実績が必要なケースも少ないが、教員養成系の保体関係は競技等の実績基準を設けているケースが多い。つまり、全般的には一般推薦が中心で、出願要件のカギは成績基準ということになる。多くがA段階を対象とするが、やや低いケースで4.0以上、ごく一部にB段階の3.5以上で出願できるケースもある。成績基準は、セ試併用型より免除型での設定率が高く、専門課程型では○A(マルA)を要求するケースも少なくない。
なお、医学部では県内高校を対象とする地元枠がかなり導入されており、その定員枠も比較的大きい。次いで教員養成系や看護系で地元枠の設定が目立つ。近年では学部ごとに「求める学生像」や「特定要件」を詳細に設定するケースも増加しているので注意したい。
[公立大]
国立大と同様、全て専願制で実施される。出身課程については、全般的に全課程対象が多く、一部に専門課程対象がある。大事な点は、地元型か全国型かで、全般的に地元型が主流だが、近年は全国型(枠)も増加しつつあるので、他県(市)の高校でも活用できる余地は十分ある。
成績基準については、国立大より若干緩やかで、一般学部では3.6~4.0のゾーンでの設定が目立つ。むろん、医学系や一部の学部では4.3以上の高基準を設定している。
[私立大]
公募推薦の場合、地区ごとにかなり差異があるので、十分注意してほしい。まず専願区分だが、全体をみると東日本は専願制、西日本(中部・近畿・中四国)は併願制主流と大きく異なる。ただ、対象課程は国公立大と異なり、ほぼ出身課程の制限はない。一般・ユニーク推薦を合せて多様な入試区分が設けられており、今日の多様な受験生に対して、柔軟な出願要件が設定されているのが、私立大ならではの大きな特徴だろう。
一般推薦における成績基準の設定状況(2014)をみると、基準なしが34.8%(前年35.1%)、2.7~2.9が1.0%、3.0~3.4が37.1%(前年36.4%)、3.5~3.9が23.8%(前年23.6%)、4.0以上が3.3%といったところだが、実施要項の改訂以降「基準なし」は徐々に減少し、3.0~3.4の設定が増加する傾向を示している。
[公立短大]
全て専願制で実施される。公立の4大と比べ、予想外に全国型(枠)の導入率も高い。有資格者・活動実績者や専門課程を対象とする特別推薦の実施も活発だ。成績基準については、3.5~4.0のゾーンが主流で、私立短大より格段にハードルが高い。
[私立短大]
専願区分・対象課程については、ほぼ私立大と同様の傾向だが、ユニーク推薦では自己推薦が群を抜いて多い。地元の指定校に依存する割合が高いのも特徴だろう。公募制の一般推薦では、基準なしが全体の54.7%、2.7~2.9が6.5%、3.0~3.4が34.0%を占め、3.5以上の高基準設定はわずか4.8%にすぎない。ただ、実施要項の改訂以降は新たに基準を設定するケースが若干増える傾向にあるので留意しておきたい。

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