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AO・推薦入試エクストラ9月22日号

文科省が24年度国公立大AO選抜の概要を公表

AO入試情報

◆文科省が24年度国公立大AO選抜の概要を公表

このほど文部科学省は、24年度国公立大入学者選抜の概要を取りまとめて公表した。それによると、募集人員は国立大が96,319人、公立大が27,773人で計124,092人。国立は前年より若干増、公立は若干減となっている。AO入試の実施状況は次のとおり。

■国立大

47校135学部が実施(前年と変わらず)。実施率は大学数で57.3%、学部数では35.4%とまだ学部での導入率が低い。実施校のうち、センター試験を課すのは23校59学部、免除するのは40校100学部で、CT併用型が前年より2校増えた。

AO入試の募集人員は計2,899人で全体に占める割合は前年と同じ3.0%となっている。後期日程の募集人員は0.4ポイント減少しているが、その分は前期日程にそっくり吸収される形で、前期定員は67.0%と、ここ数年で最も高くなっている。

■公立大

22校37学部が実施(前年より1学部減)。実施率は大学数で27.8%、学部数では21.6%と依然として低い。実施校のうち、センター試験を課すのは3校5学部、免除するのは21校33学部で、公立では免除型が主流を占める。

募集人員は463人のみで前年より若干減少しているが、全体に占める割合は1.7%で前年同様となっている。

◆国公立大AO入試の実施状況推移

国公立大におけるAO入試の実施状況を2005年度と比較すると、国立大は25校82学部→47校135学部とかなり増加しているが、公立大は12校18学部→22校37学部とさほど増加していない。過去8年間の実施状況をグラフで示すと次のようになっている。

 

国立大のAO入試実施状況の推移

 

公立大のAO入試実施状況の推移

 

推薦入試情報

◆文科省が24年度国公立大推薦選抜の概要を公表

このほど文部科学省が公表した24年度国公立大入学者選抜の概要から、推薦入試の実施状況をご紹介する。

■国立大

前年度の74校263学部から76校268学部となり、大学・学部数とも増加。大学での新規実施は、東京外語大と東京工大の2校。実施率は大学数で92.7%(前年90.2%)、学部数では70.3%(同69.8%)となる。実施校のうち、センター試験を課すのは54校128学部で、前年より2校5学部増えた。免除型は66校209学部でこの数年減少傾向にある。

募集人員をみると、計12,045人で全体の12.5%を占めるが、前年より0.1ポイント減少している。大学・学部によって推薦定員を削減しているケースもあるので十分注意する必要がある。なお、参考までにAO+推薦の定員が多い大学は次のとおり。筑波大606人、愛媛大442人、新潟大436人、岡山大435人、東北大433人、静岡大429人、山口大412人、信州大409人。

■公立大

77校161学部が実施(前年度より1学部減/大阪府立大等の学部再編が影響/学校数に新設予定の鳥取環境大は含まれていない)。実施率は大学数で97.5%、学部数では94.2%となり、学部数でみた実施率が国立大よりかなり高い点が注目される。

募集人員をみると、計6,809人で全体の24.8%を占める。過去3年だけでも、その比率は24.0%→24.6%→24.8%と上昇し続けている。公立大では推薦入試がきわめて重要な位置づけにあり、推薦入試の積極的な活用を図る必要がある。

◆国公立大の推薦実施率は2012年度が95.0%で過去最高

国立・公立を含めた推薦入試の実施率は、2004年度以降大きな変化はなく、92~93%の間で推移してきたが、2012年度は95.0%と過去最高の実施率となっている。国公立大においても、推薦入試の重要性が高まっていることが分かる。

また、募集人員についても、2004年度と比較すると、約3千人の増加となっている。その要因としては、公立大数の増加が大きい。

過去9年の実施率・募集人員の推移は下記グラフのとおりとなっている。

 

一般推薦の設定状況

 

ニュースフラッシュ

◆学校基本調査速報概要(2):専門学校進学率16.0%

文部科学省が公表した平成23年度の学校基本調査(速報)では、東日本大震災のため岩手・宮城・福島の3県のデータが除かれているが(確定値は来年2月公表)、専門学校に関する概要をお伝えする。

  • ■学校数/専門課程を置く学校数は2,720校。専修学校全体の87.3%を占める。13年度と比較すると260校の減少となっている。
  • ■生徒数/男女合わせて計546,590人。18年度の66万7千人と比較すると大幅に減少しているが、22年度には増加に転じ、23年度も東北3県を含めると増加している可能性が高い。
  • ■分野別生徒数/速報では専門課程のみの分野別生徒数は公表されていないが、分野別比率に大きな変化はないと考えられる。専修学校全体でみると、医療関係32.9%、文化・教養関係21.4%、工業関係12.8%、衛生関係12.3%、商業実務関係10.3%、教育・社会福祉関係6.4%など。
  • ■入学者数/専門課程入学者数は250,607人。新規高卒者の専門学校進学者数は計161,753で、うち男子は6万5千人、女子は9万7千人。進学率は16.0%で前年より0.1ポイント上昇。男女別にみると、男子12.8%、女子19.4%で女子の専門学校進学率が高い。また、大卒17,864人、短大卒4,258人が専門学校へ再入学している。
  • ■卒業者数/専門課程の卒業者数は206,579人で、専修学校全体の81.8%を占める。就職状況等については、確定値が公表される時期に改めてお伝えする。
  • ■教員数/専門課程の教員数は34,781人。教員1人当たりの生徒数は15.7人となる。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆推薦入試(6):私立大の選考パターンの概要

私立大の推薦入試における選考方法については、学部系統や地区によってかなり差異があることを踏まえて、生徒の指導に当たることが肝要である。芸術系・体育系では当然ながら実技試験の比重が高くなることは言うまでもなく、ここでは芸術・体育系を除く一般学部の選考法の概要について考察しておこう。大別すると、次の6パターンに分類できる。

  • (1)書類・面接型/一定の出願基準を定めている一般・ユニーク推薦で比較的に目立つパターン。また、地方圏の中堅私立大群でもこのパターンが多い。推薦入試の中では最もシンプルな選考法で、近年斬増傾向にある。
  • (2)書類・面接・小論文型/全国的にみて推薦入試の最も標準的な選考法。評価法を公表する私立大の約9割が小論文を点数化する。
  • (3)書類・学科試験型/面接を実施せず、基礎学力試験の結果を中心に選考するタイプで、近畿地区の主流パターン。
  • (4)書類・小論文型/パターン(3)の変型で、学科試験の代わりに小論文を実施し、比較的に中部地区に目立つ。
  • (5)書類・面接・学科試験型/保健・医療系や一部の理工系・教育系・管理栄養系で目立つほか、大都市圏の有名私立大で目立っている。
  • (6)書類・面接・小論文・学科試験型/医学系で目立ち受験負担が最も重いパターン。

弊社の調査で、2012一般推薦で面接を課すのは、全体の79.3%で、最も実施率が低いのは近畿地区の46.7%となっている。同様に学科試験を課すのは、全国平均では38.1%だが、近畿地区では64.9%にのぼる。

各地区における学科試験の実施状況、調査書・面接・小論文の評価方法等は、弊社の2012「推薦入学年鑑」における「地区別グラフ展望」に詳しくレポートしているので参照してほしい。

推薦入試における主要選考要因は、調査書(提出書類の充実度も重要)、面接、小論文、基礎学力試験の4つ。東日本では面接・小論文が主流を占め、西日本では学力検査が重く用いられる傾向が強いが、大学によって選考法は多様である。生徒の個性、能力、資質等に応じて、適切な志望校選択を助言してほしい。

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