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AO・推薦入試エクストラ8月25日号

私立大AOで2段階型選抜は26.3%

AO入試情報

~私立大:2012AO戦線の動向分析(2)~

前号に続き、弊社独自の調査統計に基づいて私立大の2012AO戦線の動向を分析しておこう。

  • ■専願区分 専願制で実施するのは382校で全体の78.3%を占め、公募推薦より高い。併願制は90校で18.4%。専願・併願の2区分で実施するのは4校(0.8%)と少ない。区分非公表は計12校で2.5%。併願制が多いのは関東地区で26.8%にのぼる。
  • ■成績条件 基準なしが432校(83.9%)で主流。必須条件としているのは73校(14.2%)で前年度より若干増加。複数条件の1つとして設定しているのは10校(1.9%)と少ない。
  • ■資格・活動実績条件 特に設定していないケースが383校、全体の63.1%を占める。必須条件としているのは120校、19.8%でかなり多いので要注意。複数条件の1つとして設定しているのは104校(17.1%)であった。必須・複数の両者を合わせると36.9%にのぼり、AO入試ではこの条件の比重が高いのが特徴の1つとなっている。
  • ■提出課題 AO入試では、事前対話型、授業参加型、書類・面接型などいずれのパターンであっても、レポートや小論文などの課題を出願時または選考のいずれかの段階で提出させるケースが多い。弊社の調査で、提出課題を義務づけているケースは196校、全体の41.2%を占める。提出書類も多岐にわたるが、この提出課題も要注意だろう。

◆私立大AOで2段階型選抜は26.3%

弊社では私立大AO入試の選考パターンについても初めて全国集計を実施した。主軸となる選考法に基づいて、(1)事前対話型、(2)授業参加型、(3)書類・面接型、(4)書類・面接・学科試験型、(5)書類・面接・小論文型、(6)2段階選抜型、(7)書類・実技型の7パターンに分類している。

統計結果は下記グラフに示すとおりだが、AO独自の(1)と(2)のパターンが全体の約4分の1を占め、2段階選抜型も公募推薦と比べるとずっと多い。学科試験型は、保健・医療系、理工系、管理栄養系に目立っている。

 

AO入試選考パターン

 

なお、地区別の選考パターンの状況は、弊社の全国版「AO入試年鑑」における「地区別グラフ展望」を参照してほしい。

推薦入試情報

~2012公募制における成績基準の変動状況~

弊社ではようやく2012全国大学・短期大学「推薦入学年鑑」の編集・印刷製本が完了し、目下、全国の高校へ発送準備を行っている。

今号では公募制推薦における成績基準の変動状況を速報する(×印=基準なしを示す)。国公立大ではほとんど動きがなく、公立の愛知県立大教育福祉が×→3.9、新見公立大看護が4.0→×、名桜大国際学群一般=3.5→3.6程度が目につくくらい。私立大でも新規設定の動きは小さいが、東日本では基準緩和の動向も目立つ。各地区ごと、私立大の基準変動をまとめておく。

  • <北海道・東北>札幌国際大=人文×→3.3/観光・スポーツ人間×→3.0、札幌大外語(英語)=英語4.0のみ→全体3.3以上で英語4.0以上、千歳科学技術大自己推薦(新規)=3.5、東北薬科大=3.5→3.3、福島学院大福祉=3.3→3.2
  • <関東>千葉科学大=3.8→3.6、千葉工大一般(新規)=3.3、和洋女子大人文(英語・英文)=3.0→3.2、敬愛大こども=3.0→3.2、創価大全学部=3.5→3.2、桜美林大A方式=3.5→3.1、慶大文(自己推薦)=4.3→4.1、明星大=×→3.0~3.5(3.5以上は教育のみ)
  • <中部>新規設定や変動はほぼない。愛知工大の女子学生推薦は3.3→3.4と若干きびしくなった。
  • <近畿>新規設定や変動はほぼない。新増設の学科群もほぼ基準設定はない。
  • <中国・四国>新規設定や変動はほぼない。
  • <九州>九州国際大=特定3.0→全体3.0、日赤九州国際看護大=3.8→3.5、長崎ウエスレヤン大社会福祉・経済政策=×→3.0、志學館大=×→3.0

◆私立一般推薦では3.0~3.4の基準設定が増加

弊社が例年実施している私立大の2012一般推薦における成績基準の設定状況は、下記グラフのとおりとなっている。

 

一般推薦の設定状況

 

前年度と比較すると、基準なしは35.3%→35.8%と若干増加。教科の評定平均値を出願要件として設定する動きはきわめて小さい。最も変化が目立つのは、3.0~3.4(C段階中位・上位)で設定するケースで、前年度の35.9%から37.2%へかなり増加している。そのため、3.5~3.9の高基準設定は23.6%から21.9%へ減少。全般に基準緩和が進行している。

なお、各地区ごとの基準設定状況の詳細については、9月初旬にお届けする弊社の「推薦入学年鑑」の「地区別グラフ展望」を参照してほしい。

ニュースフラッシュ

~平成23年度学校基本調査(速報):大卒10万人が進路未定~

文部科学省はこのほど平成23年度の「学校基本調査」(速報)を公表。ここでは4大の主な概要をご紹介する。

  • ■学校数 国立86校(大学院大学を含む)、公立95校、私立599校(通信課程のみを除く)で計780校。前年度より2校増加している。
  • ■学生数 設置者別にみると、国立623,313人(21.5%)、公立143,740人(5.0%)、私立2,126,381人(73.5%)で計2,893,434人(うち学部2,569,716人)で、学部生・大学院生数とも過去最高となっている。うち女子の占める比率も41.5%で最高記録を更新している。
  • ■関係学科別学部学生の構成 社会科学系の34.2%(前年34.9%)が最も高く、次いで工学15.4%、人文科学15.0%等の順。構成比が上昇しているのは教育、薬学、その他の3分野。
  • ■学部への入学状況 入学者数は612,858人で前年より約6千人減少。自県内の大学進学率は41.9%(前年度42.0%)であった。
  • ■卒業後の状況 今春全国の大学を卒業した者は552,794人で前年度より約1万1千人増加。うち就職したのは340,546人(男子177,444人、女子163,102人)で、就職率は61.6%。男女別では女子が67.6%と男子の57.0%を大きく上回った。

卒業者のうち、進学も就職もしなかった者は107,134人にのぼり、全体の19.4%を占めた。理科系はこの比率が11.1~13.5%なのに対し、文科系は21.9~25.6%で依然として文科系の苦戦が続いている。10万7千人のうち約1万9千人は一時的な仕事に就いていたが、残りは就活かフリーターが中心。大学を出ながら、これだけ進路未定者が多いという現実にわが国のかかえる深い闇が映っている。

◆全国の大学・短大へ緊急調査:東日本大震災被災者向け支援情報(速報版)WEB公開へ

弊社では、全国の大学・短大について「2012年度入学予定の東日本大震災被災者に対する支援制度」に関する調査を行い、ご回答をいただいた情報から順次、弊社「エイビ進学ナビ」にて掲載いたします。スタート予定は9月初旬より。各大学・短大が次年度入学者に向けて行う特別支援や特別入試の概略を知る上で、お役立ていただければ幸いです。

◆平成23年度学校基本調査(速報):大学・短大進学率が過去最高

高卒者の進路状況調査では、東日本大震災の影響で岩手・宮城・福島の3県の数値が除外されているので、正確な統計は後日になるが、それでも大体の傾向はつかめる。最も注目されるのは、大学・短大への進学率が史上最高の54.5%へ上昇したことだろう(大学・短大進学率が12年連続トップの京都府は66.1%)。専門学校進学率も前年度の15.9%から16.0%へ若干上昇し、大学・短大・専門を合せた進学率は70.5%にのぼる。高等教育の?ユニバーサル化”が一段と進行しつつある。

新規高卒者の進路状況を全日制についてみると、下記グラフのとおりになっている。

 

新規高卒者の進路状況

 

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

~推薦入試(5):国公立大の選考パターンの概要~

国公立大における推薦入試の選考パターンは、私立大では用いられないセンター試験(CT)が介在するだけに、そのパターンは多岐にわたるが、大別すると(A)CT免除型と(B)CT併用型の2つになる。従って、CTで平均点以上の得点、もしくは当該校の基準ラインのクリアが難しい生徒の場合は、当然ながら(A)パターンを中心に考えなければならない。(A)・(B)それぞれの主要な選考法の概要を紹介しておく。

(A)CT免除型
最もポピュラーなのは、書類・面接・小論文型であるが、その他にもいろいろな選考法が用いられている。共通しているのは、面接・小論文とも学力把握(資質・適性含む)措置に重点が置かれていることで、十分な対策が必要になる。
  • (1)書類・面接型 全般的には少ない選考法で、特に面接の試問対策が重 要になる。
  • (2)書類・面接・小論文型 文系・理系を問わず、国公立大のCT免除型で中心となる選考法。特に小論文対策に力を入れる必要がある。
  • (3)書類・面接・学力試験型 全般的に数は少ないものの、独自の学力検査を実施するケースがあり、文系は国語・英語、理系は数学・理科が中心になる。
  • (4)書類・面接・小論文・学力試験型 最も受検負担の重い選考法だが、ごく一部に限られる。
  • (5)書類・面接・実技試験型 教育系の実技系、芸術・体育系で用いられる。これに小論文が加わるケースもある。
  • (6)2段階型 CT免除型では少ないが、1次選抜(書類が中心)の合格者にのみ2次を課すタイプ。提出書類の作成に万全を期す必要がある。
    国公立大の場合、書類、面接、小論文など全てで評価法が確立されているので、きめ細かな準備が大切になる。
(B)CT併用型
このパターンにおけるCT成績の用い方は、(イ)総合点加点方式、(ロ)、資格試験(基準点)方式、の2つに大別されるが、そのほか鳴門教育大の独自方式、入学準備教育の参考とする方式などもある。注意すべきは(ロ)で、特に医・歯・薬学系の基準点は高いので注意する必要がある。主な選考法は次のとおり。
  • (1)書類・CT型 この選考法ではCT成績が中心。小樽商大(昼)、名古屋大農、神戸大経済などが導入している。
  • (2)書類・面接・CT型 書類・面接で一定の合格者数を絞り、最終的にはCT成績をみて合否判定を行う。
  • (3)書類・面接・小論文・CT型 前記(2)に小論文が加わる分、受験負担が重くなる。
  • (4)2段階型 1次=CT成績(書類を含むケースも多い)、2次=書類・面接で選考するケース。1次では募集定員の2~3倍を合格させるのが一般的で、この選考法はかなり多いので注意してほしい。

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