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総合型・推薦型選抜エクストラ6月10日号

◆弊社調査で2022年度総合型選抜の実施状況が判明

総合型選抜情報

◆弊社調査で2022年度総合型選抜の実施状況が判明

現在、弊社では全国版「総合型選抜年鑑」を7月上旬に全国の高等学校へお届けするために作業を進めているが、5月25日時点で全ての国公私立大・短大の総合型選抜の実施状況調査が次のとおりまとまったのでご報告する。

<設置区分> <募集校数> <総合型選抜校数> <総合型選抜率(前年度)>
国立大 82校 64校 78.0%(76.8%)
公立大 92校 37校 40.2%(39.6%)
私立大 585校 530校 90.6%(89.6%)
公立短大 12校 7校 58.3%(53.8%)
私立短大 278校 267校 96.0%(94.3%)

国立大はこの3年間でかなり増加した。2022年度では宮城教育大が加わり、全体の実施率は78.0%まで上昇し、国立大は近年実施校がかなり増加している。公立大では福島県立医科大が加わり、実施率も4割を超えてきた。

私立大は、学生募集校が1校増え、585校に増加。新規実施の顔ぶれをみると、昭和大、見延山大、佐久大、関西医科大、山口学芸大、中村学園大が加わり、総合型選抜実施校は前年より7校増え、実施率も90%台へ上昇している。

公立短大は、募集校数は1校減で、総合型選抜実施校は前年と同じ7校。

私立短大は、本年度も募集停止が多く、学生募集校は283校から278校へ減少するが、新規実施校が7校あり、総合型選抜実施率は過去最高の96.0%となっている。新規実施としては札幌大谷大短大部、聖霊女子短大、東京歯科大短大、龍谷大短大部などがある。

◆地区別:2022総合型選抜の地区別実施状況

<地区> 国立大 公立大 私立大 公立短大 私立短大
北海道・東北 13校 10校 49校 1校 32校
関   東 13校 4校 197校 0校 76校
中   部 10校 7校 85校 3校 49校
近   畿 9校 3校 112校 1校 49校
中国・四国 9校 7校 41校 2校 26校
九   州 10校 6校 46校 0校 35校

国立大は各地区とも同程度の実施状況だが、関東地区の実施校数が最も多い。公立大に関しては北海道・東北地区、中部地区、中国・四国地区の実施状況が目立っている。

私立大における総合型選抜実施校は、やはり関東地区が197校と群を抜いて多く、次いで近畿、中部となるが、実施率で見ると中国・四国地区(95.3%)、関東地区(92.1%)の2地区が高く、逆に最も低いのは九州地区の85.2%となっている。

私立短大の場合、実施率が全国平均(96.0%)を上回っているのは、関東、中部、九州で、最高は九州地区の100%。次いで関東地区98.7%で、北海道・東北地区は88.9%で総合型導入率がやや低い。

学校推薦型選抜情報

◆私立大:公募制推薦型の地区別特徴を形成する4大要因

私立大の公募推薦入試の動向を形成する要因として、(1)成績基準の高低や有無、(2)専願制か併願制か、(3)選考方法(受験負担の軽重)、(4)大学の知名度、の4つがあげられる。これら4つの要因がどうからむかによって、各地区の入試動向が決定づけられるといっても過言ではない。

<北海道・東北地区、関東地区>
人気私立大の多くが3.5~4.0以上の高基準で、中堅私立群でも3.0~3.3以上の明確な基準を設けているケースが多い。専願制が主流であるため、志願者数は多いところでも千人前後の規模で、年度ごとの変動も小幅にとどまる。選考法では基礎学力試験より小論文が多いのも、受験生には心理的なブレーキとなっている。
<中部地区>
全般に成績基準が緩やかで併願制も多いが、志願者が千人を超える私立大はごく一部に限られる。その中では中京大の志願者数が群を抜く。選考方法では、基礎学力試験を課すタイプが増加傾向にある。また、年度により隔年現象がよく見られる地区なので要注意だ。
<近畿地区>
例年、公募志願者数が全国の5割強を占める最激戦地区である。それは成績基準撤廃、併願制、軽量型学科試験中心(プレ一般型)という3つの要因がそろい、なおかつ人気の高い中堅上位校群の多くが一般推薦を実施するためである。特に近畿大、龍谷大、京都産業大の3校が抜きん出ており、大学・学部・学科によっては、15~30倍もの激戦となるケースが珍しくない。
<中国・四国地区>
成績基準が全般に緩やかで併願制が主流だが、地元大学の推薦活用は低調である。知名度の高い私立大が限られ、高学力層は国公立大や他地区の有名私立大へ流れる傾向が目立つ。
<九州地区>
この地区の主要私立大は専願制が中心で、成績基準もやや高く、全般に推薦戦線はさほど活発ではない。ほとんどが1倍台の競争率で、志願者数も少ないが、その中では福岡大の人気が群を抜く。

◆弊社調査でみる私立大の地区別志願・合格状況(2020年度)

弊社では例年、公募制昼間部(一般・ユニーク推薦)の志願者数・合格者数の調査を行っている。データ非公表や指定校制等を含むケースもあるが、公募制全体の動向を把握するための目安として実施している。2021年度の集計はまだ完了していないので、2020年度の集計結果を用いて、各地区の志願者数・合格者数をみると、下記グラフのとおりとなっている。

私立大の地区別・公募制推薦志願者・合格者状況

近畿地区の公募推薦戦線は群を抜くスケールで、平均倍率も3.7倍(前年4.1倍)と全国で最も高い。関東地区と近畿地区を比べると、志願動向は「東低西高型」の構図が明白に見て取れる。

ニュースフラッシュ

2025共通テストから「簿記・会計」を廃止

共通1次試験時代の1985年に導入され、大学入試センター試験、および大学入学共通テストでも続いてきた「簿記・会計」の出題(選択)が、2024年1月実施を最後に、2025年度から廃止となる。この科目の受験者数がきわめて少ないことが理由の1つらしいが、より受験者数が少ないにも関わらず存続する科目(英語以外の外国語等)もある。

共通テストの問題作成や採点、大学への成績提供などを担う大学入試センターは、2025年度以降について、現行の6教科30科目から7教科21科目に再編する方針を打ち出している。その背景には、18歳人口の減少に伴い、経費のスリム化を図りたい思惑がある。センターの収入源は、受験者が支払う検定料(3教科以上は1万8千円、2教科以下は1万2千円)が全体のほぼ9割を占める。少子化による志願者減で、センターは経営改善が急務となっている。2021年度分からすでに各大学への成績提供の手数料を値上げしている。

今年1月に実施された最初の共通テストの受験者数は、全体で約48万4千人。「簿記・会計」は受験者が約1,300人と少なく、廃止の対象となった。衆知のとおり、科目再編によって統合になる科目もあるが、廃止となったのは「簿記・会計」だけである。

全国の約1,370校が加盟する全国商業高校長協会側は、「簿記・会計が共通テストにあることが商業高校のアピールの1つだった。共通テストがますます普通科の生徒向けの試験となっていく」と残念がる。廃止が正式に決まった場合、各大学は民間の簿記検定成績を利用した選抜を実施するよう求めていくという。

一方、簿記・会計より受験者数が少ないのに2025年度以降も残る科目がある。フランス語(91人)、韓国語(112人)、ドイツ語(113人)、中国語(639人)など。センターは「コスト的にはきびしいが、英語に代えて学んでいる生徒もいるため」と説明するが、これらの国々では大学入試に「日本語」を導入している国もあり、出題を廃止すれば、政治・外交上の問題になりかねないとしている。

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