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AO・推薦入試エクストラ7月25日号

私立大:2014AO入試の成績基準の新規設定や変更情報

AO入試情報

◆私立大:2014AO入試の成績基準の新規設定や変更情報

今月上旬、弊社より2014全国版「AO入学年鑑」を全国の高校へお送りしたが、当編集部でAO入試における成績基準の変動に関する調査がまとまったのでご紹介しておきたい。主な新規設定や変更は次のとおりとなっている(×印は「基準なし」を示す)。

■三育学院大
看護=3.8以上→×
■千葉商科大
給費生選抜AO(全学部新規)=3.5以上
■玉川大
文・経営・観光・教育・芸術・リベラルアーツ・農学部=(1)の3.3以上→3.5以上
■東京薬科大
生命科学部(研究・実験AO入試)=×→3.0以上
■日本体育大
児童スポーツ教育学部(新規実施)=3.4以上
■関東学院大
経済学部(9月募集‐資格型)=×→3.2以上
■富山国際大
現代社会学部=×→3.0以上
■愛知淑徳大
AO入試Ⅱ(全学部)=×→3.0以上
■皇學館大
<幼児教育選考(新規実施)>教育学部=3.3以上
■聖泉大
看護学部=×→3.0以上
■大阪青山大
健康科学部=2.5以上が望ましい→2.7以上
■大阪学院大
<奨学金給付型>全学部=×→3.5以上
■関西大
<将来目標評価型(新規実施)>外国語学部=全体3.8以上で英語4.2以上
■森ノ宮医療大
<スポーツAO(新規実施)>鍼灸学科スポーツ特修=3.5以上
■関西学院大
商学部の資格(4)=商業科出身で4.3以上の有資格者
■徳島文理大
保健福祉学部診療放射線学科=3.0以上→各教科3.8以上、臨床工学科=3.0以上→数学3.5以上、その他各3.0以上
■熊本学園大
経済学部(新規実施)=3.0以上、外国語学部英米学科(新規実施)=3.5以上、社会福祉‐福祉環境学科(新規実施)=3.0以上

◆私立大:地区別AO入試の成績基準設定の概要

2014全国版「AO入試年鑑」で成績基準に関する地区別統計がまとまったのでご紹介する(入試区分・学部等で異なる場合は複数扱いで集計)。

地区
必須条件 複数条件の1つ 設けない
北海道・東北 5校(11.5%) 0 38校(88.4%)
関東 23校(12.2%) 6校(2.8%) 159校(84.6%)
中部 11校(13.4%) 0 71校(86.6%)
近畿 25校(11.5%) 1校(0.9%) 86校(76.8%)
中国・四国 5校(11.9%) 1校(2.4%) 36校(85.7%)
九州 6校(14.0%) 1校(2.3%) 36校(83.7%)

上記の一覧表に示す通り、必須条件としての設定率が最も高いのは近畿地区で、唯一、2割台にのぼっている。その他の地区はいずれも1割強で、推薦入試と比べで成績基準のハードルはきわめて低い。

また、全国集計をグラフ化すると次のようになる。

(実施校数は公募・指定校の合計)

推薦入試情報

◆2014年度公募制推薦入試の実施状況が判明

現在、弊社では9月初旬発行予定の全国版「推薦入学年鑑」の制作に全力を注いでいるが、このほど全ての大学・短大の推薦実施状況が判明したので、速報でご紹介する。


募集校
公募実施校 指定校のみ 公募実施率 実施せず
国立大 82校 76校 0校 92.7% 6校
公立大 83校 81校 0校 97.6% 2校
私立大 577校 547校 27校 94.8% 3校
公立短大 17校 17校 0校 100% 0校
私立短大 322校 317校 3校 98.4% 2校

7月上旬現在、募集停止は私立大1校、私立短大2校が判明しており、2014年度の学生募集校は上記のとおりとなっている。

国立大は2年連続で新規実施校がなく、推薦実施校は変化していない。現在、実施していないのは北海道大、東京大、東京芸術大、京都大、京都工芸繊維大、九州大の6校だが、2016年度から東京大、京都大は導入を公表している。

公立大は、来年新設予定の山形県立米沢栄養大、敦賀市立看護大の2校が加わり、計83校となり、ついに国立大数を上回ることになる(公立へ移行予定の長岡造形大は2014年度入試を私立大として実施するため、公立大に含めていない)。推薦入試を実施しないのは、京都市立芸術大と九州歯科大である。

私立大の学生募集校は、募集停止があったこと、2013年度新設校も少なかったことから1校のみ増加の577校。公募実施校は前年より3校増の547校となった。公募の新規導入校は、上野学園大、嘉悦大、長岡大の3校。完全指定校制は前年より2校減少して27校だが、関東地区だけで24校(うち東京都が17校)を占める。公募・指定校制とも実施しないのは、東京慈恵会医科大、日本医科大、立命館アジア太平洋大の3校である。

公立短大は前年と同じ顔ぶれの17校全てで実施。私立短大は募集停止が2校だけで、学生募集校数は322校とほぼ前年並み。その98.4%に当たる317校で公募制を実施する。完全指定校制は北海道武蔵女子短大、城西短大、福岡女学院大短大部の3校。公募・指定校制とも実施しないのは、千葉明徳短大、自由が丘産能短大の2校となっている。

◆国立大・公立大・私立大の推薦入試実施校数の推移

推薦入試制度が発足してから半世紀余が経過したが、国公私立大それぞれの実施状況は、新設ラッシュの波や共通一次・センター試験の各導入などによって大きく様変わりしてきた。節目となる年度の実施校数をピックアップしてグラフで示すと次のようになる(実施校数は公募・指定校の合計)。

 

(実施校数は公募・指定校の合計)

 

上記でまず目につくのは、私立大の驚異的な増加ぶりだろう。1970年度と比較すると約5倍に増加している。国立大では共通一次・センター試験の各導入前後から増加。公立大では1989年度までは20校未満だったが、平成時代に入って公短→公大への転換が進むにつれ、今日では国立大を上回る実施校数になっており、1970年度の3校と比べ27倍に増加していることになる。

ニュースフラッシュ

◆文部科学省が専門学校に新課程を創設の方向

しばらく前に専門学校を母体とした「新学校種(職業専門大学)」の創設が話題となったが、大学側の猛反対でついえた。しかし、文部科学省はこのほど専門学校について、企業と連携し、インターンシップ(就業体験)より一歩踏み込んだ実践・実習を通じて即戦力となる人材を育成する新タイプの課程を設ける方針を固めた。専門学校のあり方を検討してきた有識者会議が7月中にまとめる報告の柱として盛り込まれる方向となった。

それによると、専門学校の個別の課程で、(1)企業が参加する「教育課程編成委員会」がカリキュラムを編成し、評価方法を決定、(2)企業と共に実習や実験を行う、(3)企業が学生の評価に関わる、などの条件を満たす課程について、文部科学省が「職業実践専門課程(仮称)」と認定する。認可が都道府県知事から一部文部科学省直轄に移行するわけで、この点は十分注目しておく必要がある。

専門学校は様々な分野にわたる2,847校(2012年度)があり、約58万人が学んでいる。特に企業との連携強化が効果を発揮するのは、工業、土木・建設、自動車整備、商業、観光、アパレルなどの2~4年制課程だろう(1年制課程は時間的な余裕が見込めず、最も生徒数の多い医療系の実習は法律で規定されている)。

企業との連携により、従来は校内の模擬施設で行っていた実習を実際の店舗で接客やマーケティングを学んだり、ITやエネルギーなどの成長分野で実際に企業が導入している最新技術・設備などに触れることができるようになる。企業側にとっても、将来の戦力となる学生に求める技術を在学中から学ばせる利点がある。

文部科学省の調査では、教育課程の編成で企業と連携していると回答した専門学校は2割程度にとどまっている。将来は財政支援も検討しており、企業との連携拡大を促す。今秋までは新課程の授業方法やカリキュラム、教員資格などの基準を定める予定だが、同時にその教育状況の外部評価や情報公開の徹底を求めるだけに、専門学校側の参入状況がどのような進展を示すか注目される。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆推薦入試(4):国公私立大・短大別にみる出願要件の概要

推薦入試(公募)における出願要件(推薦条件)は、国立・公立・私立ごと独自の特徴や傾向がある。それらを十分ふまえた上で、適切な指導を行うことが大切だ。

[国立大]

どのようなタイプの推薦であれ、全て専願制で実施する。出身課程については、全課程対象と対象課程を限定する2タイプがあり、どちらも履修条件を設けるケースがあるので要注意。現・浪区分については、現役ないし1浪までが中心になっている。私立大と異なり、ユニーク推薦の導入はごく少なく、取得資格・活動実績が必要なケースも少ないが、教員養成系の保体関係は競技等の実績基準を設けているケースが多い。つまり、全般的には一般推薦が中心で、出願要件のカギは成績基準ということになる。多くがA段階を対象とするが、やや低いケースで4.0以上、ごく一部にB段階で出願できるケースもある。成績基準は、セ試併用型より免除型での設定率が高く、専門課程型では(A)を要求するケースも少なくない。

なお、医学部では県内高校を対象とする地元枠がかなり導入されており、その定員枠も比較的大きい。次いで教員養成系や看護系で地元枠の設定が目立つ。

[公立大]

国立大と同様、全て専願制で実施される。出身課程については、全般的に全課程対象が多く、一部に専門課程対象がある。大事な点は、地元型か全国型かで、全般的に地元型が主流だが、近年は全国型(枠)も増加しつつあるので、他県(市)の高校でも活用できる余地は十分ある。

成績基準については、国立大より若干緩やかで、一般学部では3.6~4.0のゾーンでの設定が目立つ。むろん、医学系や一部の学部では4.3以上の高基準を設定している。

[私立大]

公募推薦の場合、地区ごとにかなり差異があるので、十分注意してほしい。まず専願区分だが、全体をみると東日本は専願制、西日本(中部・近畿・中四国)は併願制主流と大きく異なる。ただ、対象課程は国公立大と異なり、ほぼ出身課程の制限はない。一般・ユニーク推薦を合せて多様な入試区分が設けられており、今日の多様な受験生に対して、柔軟な出願要件が設定されているのが、私立大ならではの大きな特徴だろう。

一般推薦における成績基準の設定状況(2013)をみると、基準なしが35.1%(前年35.8%)、2.7~2.9が1.3%、3.0~3.4が36.4%、3.5~3.9が23.6%(前年21.9%)、4.0以上が3.6%といったところだが、実施要項の改訂以降「基準なし」は徐々に減少し、3.5~3.9の設定が増加する傾向を示している。

[公立短大]

全て専願制で実施される。公立の4大と比べ、予想外に全国型(枠)の導入率も高い。有資格者・活動実績者や専門課程を対象とする特別推薦の実施も活発だ。成績基準については、3.5~4.0のゾーンが主流で、私立短大より格段にハードルが高い。

[私立短大]

専願区分・対象課程については、ほぼ私立大と同様の傾向だが、ユニーク推薦では自己推薦が群を抜いて多い。地元の指定校に依存する割合が高いのも特徴だろう。公募制の一般推薦では、基準なしが全体の55.1%、3.0~3.4が33.6%を占め、3.5以上の高基準設定はわずか5.1%にすぎない。ただ、実施要項の改訂以降は新たに基準を設定するケースが若干増える傾向にあるので留意しておきたい。

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